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強情というか頑固というか…素直に謝らない子、どうしたらいい?

4/22(土) 12:01配信

ベネッセ 教育情報サイト

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。

【質問】
自分が悪くても素直に謝りません。先日もお菓子の取り合いで妹を泣かせ、「謝りなさい」と言っても言い訳ばかりでした。それでパパに「言い訳するな」と叱られ、一週間おやつナシになりました。強情というか頑固というか……。

相談者・東海ママ さん (年長 男子)

【親野先生のアドバイス】

東海ママさん、拝読しました。

親にはみんな「自分の非を素直に認めて謝れる子にしたい」という気持ちがあります。それでどうするかというと、すぐに謝らない時は叱る、それでも謝らない時は罰を与える、などということになりがちです。
そして、子どもが何か話そうとすると「言い訳するな」と門前払いして、次のようなやり取りになります。

「なんでこんなことしたの!?」
「だって……」
「だってじゃありません。言い訳しない」
「だって……」
「だってじゃない。まず謝りなさい」
「だって、ぼくが○○してたら妹が○○してきて……」
「言い訳しないって言ってるでしょ! 人のせいにしないで、とにかく謝りなさい」

「なんで」と聞かれて「だって」と答えるのは、日本語としても正しいのですが、頭に血が上っている親には通用しません。

子どもとしてはつらいですね。子どもにも言い分がありますし、まずはそれを聞いてほしいのです。大人である私たちが、怒り狂った上司に言い分を一切聞いてもらえないまま謝ることを強制されたらどうでしょう?
とてもじゃないですが、素直にはなれません。そういう上司には不信感しか持ちません。

反対に、上司が言い分を聞いてくれたら、しかも共感的に聞いてくれたらどうでしょうか? 「自分の気持ちをわかってもらえた」と感じて、素直になれます。謝るべきことがあれば素直に謝れます。
子どもも同じです。「言い訳するな」などと言わないで、子どもの話をたっぷり共感的に聞いてあげてください。すると、子どもは言いたいことが全部言えてスッキリします。そして、ある特定の精神状態に至ります。
子どもは「お母さんはわかってくれた。ぼくがどんなにイヤな気持ちでいたか、お母さんはわかってくれた」「いつもお父さんはわかってくれる。私の気持ちを本当によくわかって許してくれる」と思えるようになるのです。

つまり、親に対する信頼が非常に大きくなった状態です。

そうなったところで、「じゃあ、相手はどう思ってるかな?」「自分の悪かったところはどこかな?」「なんて言って謝ろうか?」「これからはどうする?」などと聞いてみましょう。
すると、「妹もイヤな気持ちでいる」「ぼくがお菓子取っちゃったから」「お菓子取ってごめんね、って言う」「ぼくはお兄ちゃんだから、これからはぼくのお菓子も分けてあげる」などと素直に言えるようになります。

一切言い訳をさせずに、謝ることだけ強制して、謝らなければ罰を与える……。こういうやり方は逆効果であり、子どもをよけいかたくなにさせるだけです。 何よりも問題なのは、子どもの中に親に対するどうしようもない不信感が出てきてしまうことです。そうなると、素直になるどころか、すべてにおいて必要以上に反抗的になってしまいます。
イソップ寓話(ぐうわ)にもあるように、北風がいくらがんばってもコートを脱がすことはできないのです。あなたがあたたかい太陽になれば、子どもは自分からコートを脱いでくれます。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

(筆者:親野智可等)

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