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お墓の前でピクニック? 増える「無縁仏」 弔う行政、最後の福祉

4/22(土) 5:15配信

沖縄タイムス

 沖縄県読谷(よみたん)村の村営火葬場「よみたん斎苑」に併設された無縁仏の納骨堂前に14日午後、石嶺傳實村長や部課長、新採用職員ら約30人が集まった。福祉課の職員が三枚肉やかまぼこなどが詰まった重箱や果物を祭壇に供えると、始まったのは先祖供養の伝統行事「清明祭(シーミー)」。

 あの世のお金とされるウチカビを燃やし、1人ずつ線香を手向けた後、ごちそうを分け合った。新採用の男性職員は「こういう場所があるなんて、初めて知った」と話した。

 ■血縁なくても地縁ある

 読谷村によると、納骨堂に納められている遺骨は約200柱。帳簿を付け始めた2003年8月以降では24件の骨壺を新たに受け入れたが、遺族が引き取りに現れたのはわずか1件だ。

 石嶺村長は「血縁はなくても、村との地縁があった方々。一村民に対する行政の『最後の福祉』としてしっかり供養していきたい」と語る。同斎苑は昨年10月に開設。納骨堂の広さ20平方メートルは旧納骨堂の2倍で、向こう数十年間の無縁遺骨を収容できると見込む。

 ■遺骨安置所 満杯も

 年々増える一方の遺骨の扱いに頭を抱える自治体も少なくない。那覇市識名の無縁遺骨仮安置所にも、骨壺や合葬された遺骨が入るかめが所狭しと並ぶ。中には一族の位牌(いはい)と一緒に並べられた骨壺や、子どものものとみられる小さな壺、30年余り引き取り手を待つ遺骨もある。

 那覇市の担当者は「『仮』安置所とはいうものの、引き取りに来る遺族はほぼいない」。2~3年後に満杯の見込みだ。

 県外から移住した単身者の遺骨が目立つという石垣市の担当者も「遺骨を安置する棚が逼迫(ひっぱく)し、増設と合葬を検討している」と説明する。豊見城市も「スペースがいっぱいになってきている」、浦添市は「数年後に満杯になる可能性がある」と説明した。

最終更新:4/22(土) 10:10
沖縄タイムス