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第2代55キロ王者は足立区の武居! カリスマ武尊はローブローで痙攣、 嘔吐から意地の失神KO勝利!

4/23(日) 10:26配信

バトル・ニュース

 4月22日、東京・代々木第二体育館で開催された「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~第2代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」。武尊が階級アップのために返上したスーパー・バンタム級(55キロ)王座を巡り、日本人4人、外国人4人で争ったトーナメントを制したのは、弱冠20歳のKrush-53kg級王者、武居由樹だった。

 圧巻の戦いぶりだった。トーナメント出場選手で最年少にして1階級下の武居は、かねてからスピードとテクニックに定評があるものの、この階級でどこまでやれるかは未知数。だが、武居にとっては「体格差」は大した問題ではなかった。軽快なフットワークを駆使し、スピードと多彩なテクニックで一回り大きな相手を翻弄。1回戦こそアントニオ・オルデンとの体格差で前半やや苦戦したものの、3回KOで仕留め、準決勝ではパンチで石田圭祐から立て続けにダウンを奪って92秒でKO。決勝戦は、久保賢司に多彩な攻撃を浴びせてジャッジが3者とも3ポイント差を付ける完勝。尻上がりに調子を上げて、終わってみれば「特に疲れも、ダメージとかもないです」(武居)という見事なトーナメント優勝だった。

 武居は「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)で、ジムの会長宅で寝食を共にしながら格闘技に打ち込む「足立区の悪ガキ・ヨシキ」として取り上げられて注目された。ジュニア時代からキックボクサーとしての評価は高く、高校ではボクシング部の主将となって大学ボクシング部からもスカウトされたが「プロのキックボクサーになって稼ぐ」とプロ転向。14年11月にデビューし、わずか2年半でK-1王者に上り詰めた。

 決勝で敗れた久保は「武居君は強かった。完敗です」と脱帽。初代王者の武尊も「めっちゃ強かった。(石田)圭祐も強いのにやられちゃって。強さは天性のものだと思う」と絶賛。だが、指導するパワー・オブ・ドリームの古川会長は「70キロのボクサーとスパーリングさせて(相手との体格差に)慣れさせた。ゲームしろ(リラックスして動け)と言ったんだけど、動きが硬かった」と辛目の評価だった。

 当の武居は「(作戦は)一杯動いて、疲れる試合をしようと思ってました。会長からは『楽しんで試合しろ』と言われてました。(K-1王者の)まだ実感がないです。信じられないです。よかったです」。そして、今後の抱負を問われると「軽量級でも倒す試合をして、K-1チャンピオンにふさわしい選手になっていきます」とコメントした。

 この日、会場に強いインパクトを残したのが、約半年ぶりの復帰戦となる武尊だ。対戦相手のビクトー・サラビアが動きが速く、パンチが重いのを見て取ると、プレッシャーを掛けながらボディに三日月蹴りやヒザ蹴りを集め、じわじわと足を止めに掛かる。2回からはお互いに舌を出して挑発し、バチバチの打ち合いモードに突入。3回になってもパンチで激しく打ち合うが、武尊がボディに三日月蹴りを浴びせた直後、サラビアの後ろ蹴りが武尊の金的に直撃。武尊はその場に座り込んだ。
「寒気と震えが来て、口も乾くし、ちょっと戻した」
 この様子を見たドクターや審判は「続行不能か」という空気になるが、武尊は「やる、やる」と再開をアピール。
「止められたら大会的にダメだし、お客さんを待たせて変な間が空くのも嫌だし。でも足に力が入らないんで、パンチで倒すしかない、と」
 再開後、武尊はパンチとヒザで攻めたて、強引に距離を詰めると左フックをクリーンヒット。サラビアは失神し、武尊が3回KO勝利。会場の興奮は最高潮に達した。
「新生K-1が始まってずっとこの会場でやってきて、最後にKOで締めたいと思ってました。K-1は世界最高の舞台なんで、もっと広めて、もっとデカくしていきたいです」

 代々木体育館が改修に入るため、K-1は次回大会からさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナに場所を移す。同所で6月18日、9月18日、11月23日と3大会を開催した後、来年3月21日にはいよいよさいたまスーパーアリーナのメインアリーナ(1万8千人収容)に進出する。
 前回大会で18歳の平本蓮がライト級準優勝を果たしたのに続き、今回は20歳の武居由樹がスーパー・バンタム級優勝と次世代エースが着々と育っている。しかし、この日の会場の盛り上がりを見るとエース武尊に掛かる期待は大きい。アクシデントにも負けず、今年の初試合をKOで飾った武尊はこの勢いのまま2017年を疾走する。

(スポーツライター茂田浩司)