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空き家で民泊推進 特区 農村体験の拠点に 新潟市

4/23(日) 7:01配信

日本農業新聞

 新潟市は7月から、空き家を活用した観光客の誘致に乗り出す。国家戦略特区を活用し、法律で規制されている空き家への「民泊」をしやすくして事業者の参入を促す。市内の農村部では過疎化で空き家が増えている。これを逆手に取り、農作業や田舎暮らしの体験を楽しむ拠点として位置付け、地域のファンを掘り起こすとともに、将来の移住者獲得につなげたい考えだ。

 民泊は、旅館業法で部屋の数や広さなどが厳しく定められ、参入が難しい。宿泊施設の不足を解消するため、政府は国家戦略特区に限って、こうした規制を緩和する。東京都大田区など都市部では、特区を活用し、空き家や空き部屋と使った民泊が始まっている。

 新潟市も、特区で空き家を活用した民泊を行いやすくする事業計画を国に提出。政府が近く開く特区諮問会議で正式に認定される見通しだ。同市は既に「農業特区」として、農業生産法人の要件緩和や農業委員会の権限委譲などを認められており、新たに民泊の規制緩和を求めた。

 事業計画によると、観光客を誘致するのは、田園が多く残る市街化調整区域にある空き家。6月の市議会で、2泊3日以上の宿泊受け入れを営業許可の条件とする条例を定めた上で、7月以降に事業者の受け付けを始める。同市によると、現時点で市内のNPO法人が、山や海に恵まれた越前浜地区での開業に前向きだという。

 国内外の観光客に農作業や郷土料理作りの体験、酒蔵見学といった農村ならではの観光を楽しんでもらう構想。民泊では食事の提供はできないため、地区にある農家レストランや農産物直売所の利用を呼び掛け、地域の食材を味わう機会もつくる。

 民泊を観光だけでなく、移住者獲得の柱に位置付ける。地域の食や農に魅力を感じ、住民とも交流できる人を増やして、将来的にIターンやUターンとして受け入れる方針。同市は「民泊で地域が潤うだけでなく、移住者の確保も見据えて事業展開をしていきたい」(ニューフードバレー特区課)と言う。

 一方、民泊には施設の維持管理や火災防止対策などに負担がかかる課題もある。同市は事業者の参入を促すため、既存の補助事業の活用を呼び掛ける方針だ。

日本農業新聞

最終更新:4/23(日) 7:01
日本農業新聞