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トランプ大統領の「ビジネスマッドマン戦略」は北朝鮮問題には通用しない?

4/23(日) 14:52配信

AbemaTIMES

 「トランプ氏のやり方は“この男は何をするか分からない“と思わせる『マッドマン戦略』だ」

 北朝鮮問題に関する著書も多い、国際ジャーナリストの春名幹男氏は、トランプ氏の北朝鮮への対応策についそう表現する。

 「あのシリアへの攻撃は、まだ化学兵器の使用が確認されていない中、わずか60時間後に実行された。しかも、爆撃の報告は米中首脳会談の晩餐会の最中。トランプ氏は”こんな美味しいチョコレートケーキは食べなことがない”とデザートへの感想を述べながら、習近平氏にシリア攻撃の実施を伝えたという。トランプという男は普通の神経ではない、何をするか分からないという印象を与えたはずだ」(春名氏)。

 また、アフガニスタンのIS勢力に対するMOAB投下について春名氏は「“初めて使った“ということが心理的な効果を生んだ。実際にニュースでも大きく取り上げられた」と指摘した。

 この『マッドマン戦略』、春名氏によると、その元祖はニクソン大統領で、文書も残っているのだという。当時、核戦争が起こるかもしれないという情報を裏から出していき、ソビエトに脅威を与えようとしたのだという。また、ベトナム戦争でも「その手を核のボタンに掛けている」などの情報を流したが、冷静なニクソン大統領を“マッドマン“だと信じさせることは出来ず失敗、結局アメリカはベトナムから撤退することとなった。

 また、トランプ大統領のシリア攻撃には、別の思惑も隠されているとの見方もある。アメリカが59発打ったトマホークは、実は20年前から使い続けている“型落ちミサイル“だ。つまり、今回の大量消費は“在庫の一斉処分“だったのではないか、ということだ。さらに、その精度をアピールすることで、各国から「1発1億円」と言われるトマホークの発注が増え、軍需産業にもプラスになるのだ。

  それだけではなく、中国が経済制裁の一つとして北朝鮮からの石炭の輸入をやめ、代わりにアメリカから買うようになったため、トランプ大統領が公約に掲げてきた「石炭産業の復活」を促進することにもなっているということだ。

 「マッドマン戦略」に加え、ビジネスマン的な側面も覗かせる“ビジネスマッドマン“トランプ大統領の動向は、緊迫する北朝鮮情勢の打開につながるのだろうか。

 春名氏は「外交には時間もかかるし、相手を説得しなければならない。また、ビジネスとは異なり、相手にもそれなりのメリットがなければ交渉は成立しない」と指摘、トランプ大統領がそんな外交を軽視していることが問題視されはじめているとした。

 「国務省の予算を30%以上カットしようとしている。知恵も蓄積もある国務省をまったく使っていないことに、不満は爆発しそうだ」(春名氏)

 また、北朝鮮への武力行使については「北朝鮮が反撃に出た場合、相当な数の長距離砲が火を噴いて、ソウルが火の海になってしまう。アメリカの国家安全保障会議にいた友人に聞いたところによると、それを止めるために40発くらいの戦術核兵器を使うという計画が過去にあったという。ベトナム戦争の歴史研究を行うなど冷静で博識なマクマスター大統領補佐官などが止めるかもしれないし、そう簡単にはやれない」と話す。

 北朝鮮の核開発を止め、日本や韓国への反撃も防がなければならない。その一方、有言実行のイメージが覆されれば、ロシアとの関係性や支持率にも影響を及ぼす。そんな大統領としての立場が脅かされかねない、難しい状況にあるトランプ大統領。

 北朝鮮は来週25日に迫った朝鮮人民軍の建軍記念日の前後に、何らかの軍事的挑発が行う可能性もある。

 春名氏は「1991年までは在韓米軍の基地にあった核兵器を戻すなど、アメリカはさらになんらかの手を打つ必要があるかもしれない。また、中国が北朝鮮への石油の供給を止めれば、核実験やICBMの発射実験を止められる可能性がある。やはり中国がポイントになってくる」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

最終更新:4/23(日) 14:52
AbemaTIMES