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航空業界関係者「オーバーブッキングは乗客にもメリット大」

4/24(月) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

ユナイテッド航空の乗客引きずり下ろし騒動は、航空業界のオーバーブッキング(過剰予約)慣行に対しても大きな批判を招くきっかけとなった。

ニュージャージー州知事クリス・クリスティ(Chris Christie)氏は11日火曜日(現地時間)、トランプ政権に対し、航空会社が定員数以上の航空券を販売できない規定を設けるよう求めた。

しかし、業界の専門家は「オーバーブッキングは実は顧客にとっても有益な制度だ」とBusiness Insiderに語る。

「オーバーブッキングによって、航空会社は収益と利益を最大化でき、航空券の価格を低く抑えることが可能になる」

Atmosphere Research Groupの社長で旅行業界アナリストのヘンリー・ハーテベルト(Henry Harteveldt)氏はそう説明した。

また、Airways紙のシニアビジネスアナリスト、ビナイ・ バースカラ(Vinay Bhaskara)氏は、別の観点から消費者のメリットを指摘する。

「オーバーブッキングの最大の恩恵を受けるのは、事前に計画を立てられず、滑り込みでチケットを買う人たちだ。彼らがぎりぎりでも予約できるのは、オーバーブッキングのおかげだ。航空会社は、予約客の中に実際に搭乗しない人がいることを、最初から計算に入れている」

バースカラ氏によると、搭乗率を最大限に高めて利益を確保しようとする航空会社は、過去のデータを利用してルートごとに、予約数に対する未搭乗客の割合を予測している。

アメリカでは2016年、約5万1000人の乗客が航空会社から搭乗を拒否されている(この数には、自ら搭乗しなかった人は含まれていない)。大きな数字に見えるかもしれないが、これは、昨年アメリカの航空会社を利用した乗客8億2300万人に比べればほんの一部(約0.062%)に過ぎない。

ハーテベルト氏は、「航空会社は履歴を参照し、どのぐらいの予約があったか、何人が時間通りに現れたか、空席がいくつあったかを調べる。言わばゲームだ。空席を出さず、そして予約者にも迷惑をかけないようにすることが目標だ」と述べた。

また、ユナイテッド航空3411機で起こった事件は、単純なオーバーブッキングの問題ではなかったことにも留意しておきたい。

同社のコメントによると、ユナイテッドは、乗務員をルイビルへ送る必要があり、座席を譲るのと引き換えに1000ドル(約11万円)を提示したが、応じる人はいなかった。

ユナイテッド航空は、69歳の男性医師であるデイビッド・ダオ(David Dao)氏を含む数人を選び、飛行機から降りてもらうよう求めたが、ダオ氏がこれを拒否。同社はシカゴ航空治安当局に連絡し、ダオ氏を降機させるために協力を依頼した。結果的に、警察官が3人がかりでダオ氏を引きずり下ろした。シカゴ航空治安当局によると、ダオ氏は肘かけに頭をぶつけ、病院に搬送された。

今回のユナイテッド航空事件で、現在のシステムを見直すべきだという声が高まっていが、ハーテベルト氏は「(ユナイテッドの一件は)大きな失態だが、オーバーブッキングの慣行すべてを非難するべきではない」と語る。「しかし、これは航空会社に警鐘を鳴らした。格安航空会社だけでなく、通常の航空会社の一部も、ユナイテッド航空で起こったことを繰り返さないよう、テクノロジーと手続きを見直しているようだ」

[原文:Here's why overbooking flights is actually a good thing (UAL)]

(翻訳:Wizr)