ここから本文です

龍の名手・海北友松、京都で78年ぶり回顧展

4/24(月) 17:00配信

Lmaga.jp

開館120周年を迎えた「京都国立博物館」(京都市東山区)で、記念特別展覧会『海北友松(かいほう・ゆうしょう)』が、5月21日までおこなわれている。

【写真】美しくも愛らしい動物たちの墨絵。写真の作品については、ともに前期のみの展示(~4/30)。左:「鹿図」、右:「白鷺図」/根津美術館

近江の名門・浅井家に仕える武家に生まれながら、戦国の世に波乱の人生を余儀なくされ、期せずして絵師となった友松。狩野永徳、長谷川等伯らと並び、桃山絵師四天王の一角を成す巨匠でありながら、画閥を作らず、独自の画境を開拓した唯一無二の孤高の絵師だ。ゆえにその生涯同様、名声も密やかに、60歳を過ぎて頭角を現した遅咲きの天才。その知られざる生涯と画業の全貌にスポットを当てた今回の特別展覧会は、新発見・初公開作品を含む、これまでに類を見ない史上最大規模の回顧展となる。謎のベールに包まれた桃山絵師の巨匠、海北友松の真実が明かされるわけだ。

京都国立博物館・学芸部長の山本英男さんは、「昭和14年に初の回顧展を開催して以来、実に78年ぶり。友松の回顧展は全国でも過去4回しかなく、今回はこれまでの規模をしのぐ全76点もの作品が並びます。狩野派に学んだ数少ない初期作から、大和絵の主題や技法を用いた作品、晩年の名作はもとより、斎藤利三や細川幽斎など交流があった錚々たる面々との交流、また自筆の手紙など、友松の人生をたどることができる興味深い資料も出品されます」と話す。そして今回、一番の見どころとも言えるのが、友松が得意とした画題『龍図』の展示室。隣国・朝鮮にまで、日本随一の龍の名手として名を轟かせた友松のダイナミックな筆致は、まさに息を飲むほど。そのおどろおどろしく、爛々とした表情と迫力を最大限に感じられるよう、工夫を凝らした展示方法は「子どもなら、怖くて泣き出してしまうかも」と山本さん。

ほかにも、絢爛豪華な桃山絵画らしい『花卉図屏風』(重文)は、画料を受け取った際の友松直筆による受領書(初公開)も併せて展示。また昭和35年にネルソン・アトキンズ美術館(米国)の所蔵となって以来、一度も戻ることのなかった、最晩年の最高傑作にして、日本的水墨画の頂点と言われる『月下渓流図屏風』も、60年ぶりに里帰りする。開催は京都でのみ、5月21日まで。龍図をデザインしたうちわや手ぬぐいなど、同展覧会限定で用意されたオリジナルグッズも、キャッチーでグッドなデザインぞろい。こちらもお見逃しなく。

取材・文・写真/みやけなお

 

最終更新:4/24(月) 17:09
Lmaga.jp