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社説[うるま市長に島袋氏]「自公」の勢い止まらず

4/24(月) 8:10配信

沖縄タイムス

 うるま市長に自民、公明両党が推薦する現職の島袋俊夫氏が当選した。社民、共産党などが推薦し翁長雄志知事も支援した山内末子氏を破っての3選である。

 名護市辺野古の新基地建設を巡り政府と県の対立が深まる中、安倍政権と翁長氏がそれぞれ推す候補の一騎打ちは全国的にも注目を集めた。

 両陣営とも選挙戦で「辺野古」を語ることはなかったが、1月の宮古島、2月の浦添市長選と比べ、「安倍政権」対「オール沖縄」の構図が色濃く表れた選挙でもあった。

 島袋氏の応援に小泉進次郎衆院議員ら国会議員が駆け付け、山内氏の応援では翁長氏が何度もマイクを握った。

 過熱した「代理対決」を島袋氏が制し、宮古島、浦添と3連勝したことは、政府与党にとって大きな意味を持つ。直近の知事選や衆院選、参院選で新基地反対の候補が当選した沖縄の民意に対抗するよりどころとなるからだ。

 国は辺野古違法確認訴訟での勝訴に続き、埋め立て工事で「後戻りのできない現実」をつくり出せば民意も変わってくると見ている。見据えるのは来年の名護市長選、そして知事選である。

 一方、敗北続きの翁長氏は剣が峰に立たされている。

 政府は今週にも埋め立て区域を囲む堤防を造る護岸工事に着手する方針で、移設計画は大きな節目を迎える。

 「オール沖縄」勢力は辺野古と直接関係のない選挙で、その壁を打ち破れない。民意を確認する県民投票の是非でも意見が割れており、辺野古ノーの取り組みは再構築を迫られている。

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 「代理対決」が報じられる一方で、うるま市民が重視したのは足元の課題だ。

 うるま市は人口規模では県内3番目の都市だが、いくつもの指標が示すのは街の閉塞感である。

 完全失業率7・49%は11市の中では最悪。1人当たり市民所得は168万6千円で県平均の8割に満たない。さらに保育所に入れない待機児童問題が深刻で、貧困対策を含む子育て支援が選挙戦の中心テーマにもなった。

 島袋氏が強く訴えたのは、待機児童の解消など子育て支援の拡大、中城湾港新港地区への企業誘致など経済の活性化と失業率の改善だ。

 選挙結果は「実績を踏まえた課題克服」を現市政に委ねるものである。

 子ども医療費助成の中学校卒業までの拡充や不十分とはいえ失業率の改善などの実績が、行政の継続を求める判断につながったのだろう。

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 敗れた山内氏も子育て支援や雇用拡大・失業率の改善を公約に掲げており、その内容は島袋氏の政策と重なる部分が多い。 

 雇用の場をつくり出すことは地域活性化の条件。その鍵は地域に眠る資源の掘り起こしにある。 

 将来を担う子どもたちが最低限享受すべき生活や教育を保障することは行政の責務である。

 「オール市民」を唱える島袋氏には、保革を超えた課題として力強く取り組んでもらいたい。

最終更新:4/27(木) 12:35
沖縄タイムス