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東芝に続き、日本郵政も海外企業M&Aで巨額減損? 経営は大丈夫か?

4/25(火) 16:11配信

THE PAGE

 NTT以来の超大型銘柄として鳴り物入りで上場を果たした日本郵政が、早くも巨額減損という事態に直面しています。東芝と同様、海外企業のM&Aに関連した損失ですが、同社の経営は大丈夫なのでしょうか。

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 日本郵政は、買収したオーストラリアの物流子会社について、最大で4000億円の「のれん代」を一括償却する方向で調整を進めています。同子会社の業績が低迷しており、想定した収益を上げるメドが立たないことが原因です。

 損失計上の対象となっているのは、同社が2015年5月に6200億円もの巨費を投じて買収したオーストラリアの物流会社トール・ホールディングスです。

 企業が他の企業を買収する場合、対象となる企業の純資産額で買い取ることができるケースはほとんどありません。売り手はできるだけ高く売却しようとしますから、何らかの形でプレミアムが付くことになります。のれん代とは、買収された企業の純資産額と実際の買収金額との差額のことを指しています。

 トール社の場合には、のれん代が約4700億円に達しており、この金額は20年かけて均等に償却することになっていました。2016年3月期決算におけるトール社ののれん代は約4100億円ですが、4000億円を一括償却するということは、これをすべて損失計上することを意味します。

 同社には15兆円の自己資本がありますから、4000億円を損失計上しても財務的にはまったく問題ありません。しかしながら、トール社を買収したのはつい最近のことです。その時点では20年均等償却で問題ないという判断だったにもかかわらず、1年ちょっとで全額を損失計上するというのはあまりにも大きな変化です。当初の買収価格の算定やその後の償却に関する見通しが甘かった可能性は否定できません。

 日本郵政が買収する直前のトール社の業績は売上高が8811百万豪ドル(約8370億円)、純利益はわずか293百万豪ドル(約278億円)となっており、買収代金を同社の利益から捻出するには22年もかかる計算でした。しかも買収した直後から業績が悪化し、直近の決算では営業利益が2014年との比較で7割近くも減少しています。6200億円の買収価格が妥当だったのかについては、市場参加者の誰もが疑問に思うことでしょう。

 同社の正式発表はまだですが、市場が納得できる説明をしなければ、同社の今後の株価に大きく影響することは間違いありません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:4/29(土) 6:07
THE PAGE

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