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ロンドンで遭遇した日本の誇り、「超絶技巧」工芸品の世界的評価

4/25(火) 20:20配信

投信1

ロンドンの美術館で目を奪われた、日本の美しい工芸品

海外に暮らしたことがある日本人ならほとんどの人が認識できる、”日本のすごさ”と言うべきものがあります。

たとえば、清潔な街やまじめで礼儀正しい人たち、日本各地に無数に存在する名所やお土産、時間に正確な公共交通システム、安くて美味しい食事など、日本に住んでいると当たり前に存在しているものが、実は極めて独創的で世界に誇れるものであることを、海外に住んで初めて実感できることが多いのです。

筆者は欧州に住んでいるとき、日本の伝統工芸作品の素晴らしさに心を奪われました。きっかけは、ロンドンのビクトリア&アルバート博物館に常設展示されている明治期の七宝作品に遭遇したことです。

完全にアートの素人である筆者は、七宝というのは祖母が持っていたブローチのような印象しかありませんでした。しかし、博物館にはまるで絵画のタッチのようなグラデーションがかかり、さらに微細な模様が施された作品が展示されていたのです。

このような非常に美しい工芸作品が明治期に作られ、当時は海外に向けて盛んに輸出されていたことを後から知りました。以来、並河靖之や濤川惣助という明治期の七宝を代表するアーティストの大ファンとなり、関連する書籍を買い集めたり、ロンドンでのオークションハウスに足繁く通ったり、京都の祇園にある古美術街にも足を運ぶようになりました。

ロンドンやニューヨークのオークションハウスでは、これらの作品も取引されており、筆者もオークションに参加しながら勉強していました。オークションの素晴らしい点は、ビッド(入札)を入れる時のエキサイティングな瞬間だけではなく、実際にオークション作品を自分の手に持ってさわることができる点です。買わなくても、また実際にオークションに参加しなくても、オークション前の見学会で自分の手に取ることができるのです。

オークションの対象となる作品の中には、予想落札金額が1,000万円以上の高価なものもありますが、それを自分の手でさわれてしまうのです。最初は本当に緊張しましたが、慣れてくるとくるくる回したりして、作品をじっくり見て楽しむことができました。

そのような日本の古美術オークションをロンドンで定期的に開催していたのは、Christie’s(クリスティーズ)とBonhams(ボナムズ)でした。これらの大手オークションハウスはオンラインオークションにも対応しており、ネット経由でのリアルタイム・ビッドが可能です。オークションハウスが作成する出品作品のカタログには精緻な写真が載っており、日本の伝統工芸作品の美しさが際立っていました。

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最終更新:4/25(火) 20:20
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