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市民社会の一員としての消費者教育を 日弁連が提言

4/25(火) 10:00配信

ベネッセ 教育情報サイト

日本弁護士連合会(日弁連)は、小学校から大学までを通じた消費者教育を実施するよう求めた意見書を、文部科学省と消費者庁に提出しました。消費者被害の防止だけでなく、自立した消費者の育成を通じて「消費者市民社会」の実現を提言しているのが大きなポイントです。

小学校から大学までを通じて

最近では、選挙権年齢の18歳への引き下げに対応して、民法の成人年齢を18歳に引き下げることの是非が議論を呼んでいます。成人年齢の引き下げは、18歳になると親の同意なしに売買契約を結べることを意味しており、悪質な詐欺などさまざまなトラブルが増えることが予想されます。日弁連は、若年消費者保護の立場から成人年齢の引き下げには慎重な姿勢を示しており、成人年齢の引き下げには、消費者教育の充実が不可欠としています。

では、どう消費者教育を充実させればよいのでしょうか。意見書は「高等学校に消費者教育のカリキュラムを集中させると時間数不足から知識偏重教育に後戻りしたり他の授業を圧迫したりする問題が懸念される」と述べるとともに、高校入学前でも、ネットゲームの課金などデジタルコンテンツに興味を持つ者は数多くいると指摘。そのため「小学校、中学校から充実した消費者教育を開始すべきである」としています。

また、従来の消費者教育は、詐欺など「消費者被害の防止」に力点を置いていると批判して、消費生活を社会全体の問題として考える自立した消費者の育成と、「消費者市民社会」の実現を訴えています。具体的には、日常生活のあらゆる場面が消費生活と関係していることから、小学校から高校では、家庭科や社会科だけでなく、関連するすべての教科に積極的に「消費者市民社会」の視点を取り入れながら、教科横断的かつ体系的な消費者教育を行うこと、その際の指導方法にはアクティブ・ラーニングを採用することが望ましいなどと提言しています。

ただし、学校の教員は消費者教育に関する専門的な教育を受けていないことから、指導に当たっては弁護士や消費生活相談員などの専門家と連携し、地方自治体や国は消費者教育の教材作成や人材育成に取り組むべきであるとしています。

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