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ホワイトハッカーが中国個人情報闇売買市場の裏取引価格を暴露

4/25(火) 15:15配信

THE ZERO/ONE

中国IT時報は、騰訊(テンセント)が組織するホワイトハッカー集団「騰訊守護者計画安全団体」の調査により、違法流出した個人情報の闇市場での取引相場価格の詳細が判明したと報じた。

違法流出の個人情報を購入するのは詐欺や資金洗浄を行う犯罪集団だけでなく、興信所や調査会社などの合法企業が購入していることも明らかとなった。中には、特定の人物の携帯通話記録が3000元(約4万8000円)という高値で取引されている例もあった。

ホワイトハッカー集団「騰訊守護者計画安全団体」

テンセントは、中国深セン市に本社を置くIT企業。世界最大の会員数をもつSNS「QQ」や「微信(WeChat)」を運営するだけでなく、米国の有名ゲーム会社を次々と買収し、ソニー・インタラクティブエンタテイメントや任天堂を抑えて、ゲーム売上高世界一の企業でもある。

そのテンセントが、ネットで起こる詐欺事件、個人情報漏洩事件に対しても、社会的責任があるとして組織したのが「騰訊守護者計画安全団体」だ。人数規模などは非公開だが、すでに深セン市で深セン警察と合同で、90日間のフィッシングサイト一掃作戦を展開し、フィッシングサイトの74%を閉鎖に追い込み、13の犯罪集団、110人の容疑者を逮捕するという成果を上げている。

今年3月の、50億件もの個人情報を窃盗していた安徽暉冠社事件、2月に広東省で16省の個人情報を窃盗し逃走していた16K事件、昨年5月に江蘇省江陰市で起きた1億1000万件の個人情報が売買された佳佳拍事件などでも、各警察、公安部に捜査協力をしている。

個人情報取引価格「メニュー」が発見される

騰訊守護者計画安全団体は、その捜査協力の過程から、闇市場には、個人情報取引価格の「メニュー」が存在していることを発見し、その概要を公開した。

もっとも価格が高いものは、携帯電話の通話記録で、2000元から3000元(3万1000円から47000円)で取引されていた。この通話記録はだれのものでもいいというわけではなく、特定の人物のもの。主に、借入金の取り立てを依頼された取り立て調査会社が購入しているという。さらに、興信所が対象人物の浮気調査、信用調査などにも購入し、ライバル企業からの依頼で対象人物の弱みを握る目的で購入される例もあった。

注目すべきなのは、違法流出した個人情報が、詐欺などの犯罪集団だけでなく、合法的な企業、あるいは合法企業からの依頼で購入されている例も多いということだ。犯罪集団が個人情報を入手し、犯罪行為を行えば摘発はできるが、合法企業が秘密裏に個人情報を入手した場合、犯罪を行うわけではないので摘発が難しい。この「合法」利用が、中国の闇市場での個人情報売買を支えている。

さらに闇市場では、流出した個人情報、企業情報を使って、身分証などを作成するサービスも行われている。個人用の偽造身分証作成サービスは1000元から2000元(1万6000円から3万1000円)。これがあれば別人になりすまして、ECサイトに店舗を開店したり、運転免許証などその他の公的身分証を取得することができる。

また、企業の5種類の証明書である「企業五証」(営業許可証、税務登記書、銀行口座開設証明書など)の偽造サービスもあり800元から1000元(1万3000円から1万6000円)。これにより、架空の企業として活動することができ、主に資金洗浄や盗難品の洗浄などに使われているという。

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最終更新:4/25(火) 15:15
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