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20年前に打ち上げられたNASAの土星探査機、「別れのミッション」へ

4/25(火) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

・1997年に打ち上げられた土星探査機カッシーニの燃料が尽きようとしている。
・カッシーニが制御不能になって生命が存在する可能性のある衛星に衝突し、環境汚染を引き起こすリスクを避けるため、NASAはカッシーニを土星に突入させて破壊する。
・カッシーニは土星に突入する前に、土星と土星の環の間を通り抜け、最後までデータ収集を続ける。

20年もの間、NASAは土星探査という未知のミッションに取り組んできた。

1997年10月に打ち上げられたカッシーニ・ホイヘンス(Cassini-Huygens)、通称「カッシーニ」は原子力電池を動力とする土星探査機。2004年7月に土星の周回軌道に到達し、以来、土星と、その多種多様な衛星のデータを収集し続けている。

しかし、この素晴らしいミッションにも終わりの時がきた。NASAは約32億6000万ドル(約3600億円)を投じたこのミッションを、2017年9月15日に完了させる。

4月4日(現地時間)、NASAは記者会見を行い、カッシーニの最後のミッション「グランドフィナーレ(Grand Finale)」について説明した。残されたわずかな燃料を使い、カッシーニを土星に突入させるミッションだ。

「カッシーニは偉大な発見をしてきた。そして終焉の時が来た」とNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)のエンジニアで、カッシーニ・プロジェクトのマネージャー、アール・メイズ(Earl Maize)氏は語った。

カッシーニは、氷で覆われた衛星「エンケラドス」に、温かく、塩分を含む海が存在することを発見した。エンケラドスは土星を周る大きな衛星で、宇宙空間に向けて水を吹き上げることで知られている。2015年10月、カッシーニは宇宙空間に吹き上げられた水蒸気と氷の中を通過し、そこに含まれる物質を分析した。その結果、氷の下に海が存在することが判明した。海の存在はつまり、生命が存在する可能性につながる。

「(生命が存在する可能性があるため)カッシーニがエンケラドスに不用意に近づくリスクを残すことはできない。我々はカッシーニを安全に廃棄する必要がある。唯一の選択肢は、カッシーニを我々のコントロール下で破壊することだ」

しかしメイズ氏と19カ国から結集している科学者たちは、カッシーニを単に破壊するのではなく、ギリギリまでミッションを託そうとしている。彼らは最終的にはカッシーニを土星に突入させ、猛烈な嵐の中で燃え尽きる寸前までデータ収集を行う予定だ。

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最終更新:4/25(火) 20:10
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