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「たばこのない五輪」に黄信号-全面禁煙なしに2020年迎える可能性も

Bloomberg 4/25(火) 9:23配信

東京五輪を目指し、公共の場を禁煙にする日本の取り組みが暗礁に乗り上げている。受動喫煙防止に向け健康増進法改正を検討していた政府と自民党との間で、全面禁煙か分煙かという規制のあり方をめぐり調整が難航。党内では今国会で法案が成立しなければ、法規制がない状態で2020年を迎えることになるとの見方もある。

「法規制がない状態で五輪のお客さまをお迎えするのは恥ずかしい」。法案をとりまとめる自民党厚生労働部会の渡嘉敷奈緒美部会長は、議論が進まないことへの「もどかしさ」を語った。東京五輪を前に受動喫煙防止への機運が盛り上がっている今を逃すと「あらためて調整をしてまで法案提出しようという動きにはならない」という。

争点になっているのは、公共の場を原則禁煙にするか分煙にするかという問題だ。厚生労働省は他の五輪開催国と同水準の対策が必要として、公共の建物内は全面禁煙、飲食店は原則禁煙だが小規模なバーやスナックは例外とする対策強化案を公表。自民党は飲食店経営への影響を理由に店側が「禁煙・喫煙・分煙」を選び表示を義務づける対案を提案したが、両者の溝は埋まっていない。

塩崎恭久厚労相は、法案提出の前提となる厚労部会を開くよう党に要請するなど調整を進めているが、25日現在、健康増進法改正を議論するための部会開催予定はない。11日の記者会見では、世界保健機関(WHO)からは公共の場での喫煙の完全禁止を全国レベルで実施するよう強い要請を受けたと明かした上で、「健康増進法の今国会提出に向けて大車輪で作業していければ」と語っている。

世界に後れ

国際オリンピック委員会(IOC)は1988年から選手村や競技場を禁煙とする「たばこのない五輪」を推進してきた。2010年にはWHOとの合意を受け、開催都市が全面に禁煙する方針を打ち出した。厚労省の資料によると、08年の北京五輪から18年に開催予定の平昌冬季五輪(韓国)まで全ての開催国が罰則を伴う法規制を実施している。

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最終更新:4/25(火) 9:23

Bloomberg