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Anly、スキマスイッチは今後どうやって音楽を届けていこうかと悩んでいたところへの光/インタビュー2

4/26(水) 12:15配信

エキサイトミュージック

 
■Anly/1st Album『anly one』インタビュー(2/4)



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夜に大橋さんから「今から緊急会議を開きます」って連絡が来て(笑)

――スキマスイッチさんとは具体的にどうやって共作したのですか?

Anly:初めにミーティングしたときに「(データのやり取りではなく)face to faceで作りましょう」ということになりました。それでお二人がよく使っているスタジオに私がお邪魔して、そこで作っていきました。いつもはギターで曲を作るんですが、曲の素材を作っている段階で「今回はピアノの方が合うんじゃないかな」って思ったんですね。ドラマのスタッフさんのお話や台本を読ませていただいて、アコギの明るさというよりはピアノの切なさで始まった方が世界観にすっと入れるような気がしたんです。それで、拙いピアノをポロポロ弾いて、好きなフレーズといくつか見つけてスタジオに持って行きました。

――二人の大先輩の前でピアノを弾いたと?

Anly:常田さんがいつも弾いているピアノだったので、もう、めちゃめちゃドキドキしながら「こ、こんなの……どうですか?」って(笑)。それを聞くことすら、ためらうくらい緊張しました。その段階ではメロディもまだ全然なくて、雰囲気だけを伝えたんですが、それを聴いて「いいね」って言ってくださったものからどんどん膨らませていってメロディを作っていきました。すごく楽しかったです。メロディは、だいたい 2日間くらいで出来上がりましたね。

――Anlyさんはピアノも得意?

Anly:それほどでも……(照笑)。ただ今回はピアノの音が似合うだろうなって思ったのでトライしました。私にとってギターは遊び道具みたいなものだから、明るい曲になるかブルースに落ち着いちゃうんですよ(笑)。静かな場所で人間が佇んでいるような感じを出したかったし、壮大な曲にしたかったので、ピアノを弾けばいつもと違った発想が浮かぶんじゃないかと思いました。ただ、スタジオでは大橋さんと私はギター、常田さんがピアノを弾きながら作りました。

――曲作りの配分などは決めて作ったのですか?

Anly:計算したわけじゃないのにうまく分け合えました。私が「ららら~」とか「ふふふん」って即興でメロを歌うと、大橋さんが「今のいいね!」って言ってくださって、そこから大橋さんが「じゃあ、そのあとはこんなのどう?」ってまた即興で作ってくださって……という感じを繰り返して。お二人のさり気ないリードのおかげで、自然にお互いの雰囲気がすごくうまくミックスされてるんじゃないかと思います。

――歌詞はどうやって書き上げたましたか?

Anly:歌詞に関しては悩んだり考える時間も必要なので、まずは1番と2番を分けてそれぞれが書くことになりました。『日暮旅人』は“目”がポイントになっていると思ったので、歌詞もそれにフォーカスしたものにしようという話になり、そこから「眼には見えない大切なもの」ってなんだろうとか、さらにそこから孤独とは何かについて考えることにしました。お互い に書いたものを後日合わせたんですが、最初はうまくはまらなくて難しさを感じました。

――年齢も性別も違うから、同じテーマも見方や感じ方が当然変わるでしょうし……。

Anly:スキマスイッチさんはこれまでにたくさんの楽曲を書かれてきて、いろんな視点や発想を持っていらっしゃるんですよね。私はいろんな見方があるってことを知らずに、自分の視点から描くことしかしてきませんでした。今回は、主観と俯瞰で書かれた歌詞を合わせることになったので時間がかかってしまい。 締め切りも迫って。そうしたら、夜に大橋さんから「今から緊急会議を開きます」って連絡が来て(笑)。

――ただならぬ予感が漂いますね(笑)。

Anly:そこで大橋さんが「今までのAnlyちゃんとは違う方法に挑戦してみない?」って提案してくださいました。つまり、暗闇の中にいる人からの視点ではなく、それを俯瞰で見ている歌詞を書いてみたんです。わかりやすいように目のイラストを5枚くらい描いて説明してくださいました。大先輩 から曲作りを教えていただいたなと感じました し、その紙は今も大切に取ってあります。

――学びの場にもなったと。レコーディングはどうでしたか?

Anly:バンドの音録りからすごく楽しかったです。スキマスイッチさんも私も最後のエレキギターがすごく気に入っていたので、「もっといっちゃってください」ってオーダーしたのでギタリストさんは困ってたかも(笑)。歌入れもすごく楽しくて、それは私にとってのターニングポイントを迎えたような感覚もありました。

――どんなことが転機に?

Anly:自分を「肯定」するのってとても難しくて……。私の声を好きだと言って聴いてくださる方がいるとわかっていても、自分を簡単に認めることはできない。それって誰もが持つ感情だと思うんです。それを人から見るとそれが謙遜に見えたり、自信なさそうに見えたりするんでしょうが、今回のレコーディングで大橋さんも常田さんも「Anlyちゃんの声はそのままでカッコいいんだよ」って言ってくださった。ヘッドフォン越しにその言葉が聞こえた時は嬉しかったですし、曲の通りに導いてくださったと感じました。

――大橋さんは歌録りにすごくシビアな印象だから、かなり追い詰められたのかなぁと案じてました(笑)。

Anly:全然!(笑) 私が気にしすぎて「どうですか?」って何度も尋ねると、「全然大丈夫だからそのまま歌って」と言ってくださいました。それにお二人の関係性を間近に見て「すごく素敵だな」って。それぞれが思うことを正直にぶつけ合っているし、お互いを活かし合う姿というか。常田さんの努力を積み重ねた先に生まれる音とか、大橋さんの発想力の凄さとか、それぞれの混ざり合いがスキマスイッチなんだなって、それを背中越しに見えたのがとても嬉しかったですし、「だから緻密で丁寧な曲作りができるんだろうな」ってふと思ったりしました。

――いい出会いだったんですね。

Anly:はい、とても。今年1月に20歳になったんですが、レコーディング時はまだ19歳で、終わった後にご飯を一緒に食べていて「20代って楽しいですか?」って他愛ない質問をしたり(笑)。これからどうやって音楽を届けていけばいいのかなって悩んでいたところに光が差してきたと感じました。