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「第2のてるみくらぶ」被害をどう防ぐ ~旅行業者の決算書類は公開を原則に~

4/26(水) 7:30配信

東京商工リサーチ

 3月27日、東京地裁から破産開始決定を受けた海外旅行業者、(株)てるみくらぶ(TSR企業コード:296263001、渋谷区)の旅行債権者(被害者)の詳細が判明した。
 破産申立書に記載された旅行債権者(被害者)は3万6,046件、会社によると約9万人に及ぶという。消費者が被害者となったケースは、最近では2011年8月に経営破たんした「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県)の約7万3,000人が思い浮かぶ。てるみくらぶはそれをはるかに上回り、ネット予約の普及もあり被害者は全国に拡大していると思われる。

 被害額は10万円以上20万円未満が8,682件(構成比24.0%)と最多だった。「低価格ツアー」にばかり目を奪われがちだが、100万円以上の高額な旅行代金を前払いした被害者も750件(同2.0%)いた。4月23日には、「被害者の会」が都内で集会を開くなど、傍から見る以上に旅行を予定していた被害者への影響は深刻だ。
 被害者に弁済される弁済保証金は日本旅行業協会(JATA)の弁済業務保証金から支払われる。ただ、てるみくらぶの弁済保証額は1億2,000万円のため、弁済率は被害額99億2,352万円の1.2%に過ぎない。

※ てるみくらぶの「破産手続開始申立書(以下、破産申立書)」の債権者を独自集計した。
※ 破産申立書は、1契約で複数人が申し込んだ場合も1件として扱った。

旅行業者の種類

 旅行業者は、業務範囲で第1種旅行業、第2種旅行業、第3種旅行業、旅行業者代理業に登録区分される。第1種旅行業は、国内・海外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画旅行代理など、すべての旅行を扱うことができる。てるみくらぶは第1種旅行業者だった。

 第2種旅行業は、海外旅行以外はすべての旅行を扱える。第3種旅行業は、海外・国内を問わず自社企画した旅行は募集できないが、出発地、目的地、帰着地などが事業者の営業所のある市町村区域内であれば国内の募集型企画旅行を実施できる。旅行業代理業は、他社の旅行商品を代理販売する。

 旅行業者の登録は、登録行政庁(第1種旅行業は観光庁、それ以外は都道府県)で新規、または5年ごとに更新手続きを行う。
 登録時には基準資産額の記載が求められ、「資産合計-負債合計-営業保証金または弁済業務保証金の額」、つまり純資産額が問われる。第1種旅行業者は3,000万円以上、第2種は700万以上、第3種は300万以上だ。同時に、登録や更新手続には貸借対照表や損益計算書などの決算書の提出も義務づけられている。

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