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日立の「国際電気」売却は絶好のタイミングだった!?

4/26(水) 23:50配信

ニュースイッチ

半導体製造装置、活況に沸く

 日立製作所は、上場子会社の日立国際電気の半導体製造装置部門を投資ファンドに売却する。長年、日立にとって装置事業は選択と集中の対象だった。日立は売却に伴い2018年3月期に600億円の特別利益を計上する。

 半導体製造装置の業界団体、SEMIによる2017年の市場予測は16年予測比9・3%増の434億ドル。この3月まで6カ月連続で需要超過と活況に沸いている。日立は25日に空気圧縮機メーカーの米サルエアーを1300億円超で買収すると発表したばかり。成長に向け積極的に事業資産の入れ替えを進めている。まさに国際電気の売却は絶好のタイミングだったといえる。

 装置メーカー各社の受注も軒並み好調だ。業績を押し上げているのは、3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリー向けの投資。加えてIoT(モノのインターネット)技術の普及に伴い、旧世代の装置の需要も増している。各社は成長市場に攻勢をかけている。

 「3Dはメモリー以外への広がりも期待できる。活発な投資は当面続くだろう」。SEMIジャパン(東京都千代田区)の中村修代表は明るい見通しを示す。半導体回路の微細化に限界が見えてきたが、一方で記憶素子を積層して容量を増やす3DNANDフラッシュメモリーの需要は拡大している。

 東京エレクトロンは「17年3月期のNAND向け受注額は、前期比2倍に成長する」とみる。アドバンテストの吉田芳明社長も「大容量化や高品質への要求が高まっており、17年度上期までは好況が見込める」と話す。NAND市場シェア2位の東芝が経営問題を抱えており、その動向が注視されるが「今のところ事業への影響は出ていない」(東京エレクトロン)という。

 加えて成長してきたのがIoT市場だ。直径200ミリメートルウエハーを加工する旧世代の半導体製造装置は、IoTに使うセンサーなどに利用される。現在は「中古装置が枯渇し、各社が何年ぶりかに新製品を投入し始めている」(中村代表)ほどだ。

 ただ旧式装置の投資額は100億円単位と、先端装置に比べれば10分の1以下の規模だ。そこで各社が狙うのが保守サービス事業の強化。新設需要に加え、すでに市場で稼働している装置も含め、サービスで継続的に稼ぐ考えだ。その成果は徐々に数字に表れてきた。

 東京エレクトロンの16年4―12月期のサービス事業売上高は、前年同期比7%増の1470億円になった。日立ハイテクノロジーズも主要顧客向けのサービス事業が好調に推移。アドバンテストは為替の円高の影響を受けながらも、17年3月期のサービス事業の売上高は前期と同等の290億円を見込む。

 SEMIジャパンの中村代表は「IoT市場は半導体メーカーだけでなく、エンドユーザーまで裾野が広がりつつある」と力を込める。足元の事業が好調なうちに、どれだけIoT市場で足場を築けるか。装置メーカーの共通課題となりそうだ。

最終更新:4/26(水) 23:50
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