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なぜ「ほったらかし資産運用」だけでは不十分なの?

4/27(木) 11:10配信

ZUU online

前回( https://daily-ands.jp/posts/589ae0d973f3210d135d8246 )までのインタビューで、資産運用の極意は、

①月収1年分の貯金をする
②投資信託(☆)で月収の1~2割積み立てる
③プラスアルファで株、FX、外貨、不動産など自分に合うものを実践する

だと、ファイナンシャル・プランナー(FP)の高山一恵さんに教わりました。

貯金のやり方や、投資信託積み立てのやり方については、なんとなく分かってきたのですが、「プラスアルファの資産運用」は難しそう……。

……というか、ぶっちゃけ、そこまで勉強までして資産運用ってしなきゃいけないものなんでしょうか……?

というわけで、最終回となる今回は、自分に合った「プラスアルファの資産運用」の見つけ方をお聞きしながら、「なぜ、高山さんがリスク高めな資産運用をおすすめしているのか」を深掘ってみました!

☆投資信託(ファンド)とは?
資産運用の専門家が株や債券などを取りまとめて運用してくれる金融商品。ひとたび資金を預ければ、その道のプロが経済動向や個別の企業についての情報収集をし、タイミングをはかって売買してくれる。

■まずは「国債」について聞いてみた

高山:投資信託に“プラスアルファ”する投資には、株やFX、不動産などいろいろありますが、実際にやってみると人によって向き不向きが出てきます。

くすい:(資産運用について予習していたメモを見せながら)この中だったら、国債がなんだか一番、手を出しやすそうなイメージがあるので、ここから聞いてもいいでしょうか。国債はどういった人がハマるんですか?

高山:国債は、とにかく堅実な人ですね。国債の利息は、正直なところ預貯金に毛が生えた程度でそこまで高くはないのですが、国が破綻しない限りは元本割れしないという安心感があるようです。前回紹介した、「年収300万~500万円」で「貯金あり」パターンの方に人気がありますね。

くすい:なるほど。「年収300万円未満」の方は国債を買わないんですか?

高山:そもそも国債を買えるということを知らない人も多いかも。それに知っていたとしても、意外に「一発逆転」タイプが多いので、国債に惹かれる人はそこまで多くないイメージです。債券を買うんだったら、自分で努力してお金を増やそうとするかもしれませんね。「年収300万~500万円」や「年収500万円超」の方がボーナスを(国債に)預けるとか、そういうイメージですかね。

くすい:「年収500万円超」の人も国債は買うんですね。

高山:銀行などの金融機関から勧誘されるのも「年収500万円超」の女性が一番多いんですよ。よく、ボーナス時期にキャンペーンとかやっているじゃないですか。そこで、「まとまったお金があるし、やろうかな」という人も多い。余っているお金を、預金するよりはいいかな、と始めるイメージですね。

■女性に人気があるのは「外貨」系

高山:国債よりも「もう少しリスクを取ってみようかな」となると、外貨系が選択肢になってきます。

くすい:外貨ですか。

高山:実は、女性が好む「プラスアルファ」の投資で一番多いのは「外貨」です。外貨預金や外貨建てMMF(マネー・メンジ・ファンド)、FX(☆)のことですね。

くすい:確かに、外貨預金は、私の知り合いでもやっている女性は多いです。

高山:外貨預金はね、年収に関係なく旅行や仕事で海外によく行く女子がやっているんですよ。今は円高になっているとか、円安になっているとか、為替の動きを身近に感じるんでしょうね。あと、外貨をやっているとオシャレなイメージがあるのかも(笑)。

私のお客さんでも「私、外貨やってるんです~」(ちょっと自慢げ)という感じでやってくる人はいます。でも、いざ聞いてみると、結構手数料が高い商品を買っている。高い手数料が取られていることを知らず、オシャレなイメージがあってやっているのかなって。

為替手数料について話すと「結構損しているんだー!」って初めて気づく。FPとしては、外貨預金をするくらいなら、為替手数料が安い外貨建てMMFやFXをやったほうがいいと思います。

くすい:外貨建てMMFってよく聞くんですが、イマイチ何か分かりません。

高山:MMFは「公社債投資信託」と呼ばれるもので、投資信託の一種ですね。ただ、ポイントは「株式」には投資をしないということ。そして、格付けが手堅い海外の「公社債」に投資をするんです。大手の銀行とか、公共団体みたいなところの債券ですね。

くすい:国債は入っていないんですか?

高山:入っていません。「公社債」なんです、基本的に。

くすい:手数料はどれくらい違うんですか?

高山:外貨預金はメガバンクとかだと米ドルの場合、1ドル片道1円ほどです。外貨建てMMFだとその半分くらい、FXだと10分の1(0.1円)くらい、もっと安いところもあります。

くすい:そんなに違うんですね! FXで外貨を持っていたほうが、よっぽど手数料が安そうです。

高山:そうですね~。

☆FXとは?
外国のお金を購入したり売却したりして、利益を目指す取引のこと。外貨預金との大きな違いであり、魅力の一つでもあるのが、少額のお金を担保にして大きな額のお金を運用できること。小さな力でその何倍もの力を発揮することから、てこ(レバレッジ)の原理になぞらえて「レバレッジ効果」と呼ばれている。

■「FX」はせっかちな女性に人気

くすい:「FX」ってどうですか?

高山:ハマりやすいのは、「年収300万円未満」の「貯金あり」パターンですかね。くすいさんはFXってやったことあります?

くすい:ありません。

高山:私はちょこっとやっているんですが、FXは株や投資信託など他の金融商品に比べて、ホントに動きが速いんですよ。早く結果を出したい人、早くお金が欲しいというせっかちな人は、FXにハマりやすいと思います。

くすい:であれば、案外「年収500万円超」の人も向いているかもしれませんね。仕事が忙しい方が多そうなので、合間にちょこちょこ動かせる、みたいな。

高山:商社や外資系企業で海外とのやり取りがある人などは、外貨系にハマりやすいですね。

■「株」にハマるのはバリキャリ系

くすい:次なんですが、「株」にハマりやすいのはどんな人ですか?

高山:「年収500万円超」で投資に目覚めた人ですかね。こうした人たちは、経営に対する関心があったり、世の中の動きに敏感だったりするので、成果が出やすいイメージがあります。

くすい:前々回の「年収500万円超」の女性の特徴をまとめたインタビューで、高山さんがおっしゃっていた通りですね。

高山:あとは「年収300万~500万円」で「貯金あり」の堅実派も、優待狙いで少額から始められる株をやってみたりします。

くすい:配当金(☆)をお小遣いのようにもらえるのもうれしいですよね。

☆配当金とは?
配当とは、企業が行う事業活動から出た利益の一部を、株主に分配すること。配当金は1株あたりで定められていることがほとんどで、例えば、1株あたりの配当金が8円の株を100株保有している場合、もらえる配当金の額は800円となります。

■「不動産」はリッチな女性に人気

くすい:では、不動産ってどうでしょう? 「ミドルリスク・ミドルリターン」ってよく言われますけど、さまざまな方にお話を伺っていると、不動産投資をしている方ってとにかく情報収集だったり、人脈づくりだったりに時間を割いていて、もはや一種のビジネスじゃないかって思います。

高山:確かにそうかもしれませんね。私はマンション投資をしているのですが、やってみると結構面白いですよ。「こういうルートで良質な情報って入るんだ!」と分かったり。株やFXにはない発見があるんです。不動産って、普通は自分の住まいとして見ると思うんですけど、投資目線だと観点が違うことも分かります。土地の見方も変わります。

くすい:不動産に向いているのはどういう人ですか?

高山:「年収300万~500万円」もしくは「年収500万円超」で、「貯金がある」パターンですかね。頭金があるし、こういう方は勤務先の信用力も高く、融資の審査を通りやすいんです。また、「ほったらかし」でコツコツ家賃収入を得るというイメージも、ぴったり合うんですね。

くすい:ちょっとのんびり屋さんで面倒くさがりな女性は不動産が合いそうなイメージですね。ちなみに、REIT(不動産投資信託)(☆)はどうですか?

高山:不動産投資をやりたいけどできない人、なかなか踏み出せない人はいいんじゃないかな。株や債券に加えて持っていると、リスク分散にもなりますし。安定した「分配金」を期待しやすいのもREITだと思います。年収があまり高くなく、融資の審査が通らない人とかは、REITを活用するといいかもしれません。

☆REIT(不動産投資信託)とは?
読み方は「リート」。多くの投資家から集めた資金で、オフィスや商業施設、マンションなど複数の不動産に分散させて投資を行い、家賃収入や売買益を投資家に分配する商品のこと。

■「保険」は面倒くさがりな女性に人気

くすい:「保険」はどうなんでしょうか?「変額年金保険」というものが、資産運用の中では語られるようなのですが……。

高山:今、売れていますね~。これは、どういうものかというと、保険料を毎月1万円払うとしますよね。そうすると、その保険料の投資先が投資信託になっていて、どの投資信託でどれくらい運用するかを自分で選べるんです。で、60歳とか、ある一定の年齢になると、運用したお金を「年金」として受け取ることができます。

くすい:「確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん、略称:DC)」(☆)と同じですね!

高山:そうです。1万円のうち1000円分は日本株に投資している投資信託で、1000円分は日本の債券に投資している投資信託で、というように運用先を選べるんです。

くすい:うーん、でもそれだったらわざわざ保険でやるメリットってあるんですか?

高山:そうですね。一般の証券会社を通して投資をしようとすると、選択肢がたくさんあり過ぎて、初めて投資をする女性は「分からない!」ってなっちゃうんです。保険だと、営業担当者がいて「この中から選んでください」と、ある程度絞った選択肢の中から示してくれる。分かりやすいんですよね。

あとは、死亡保障が付いている。自分が死んだときに、300万円くらいお金がもらえる。資産運用と保険の両方を兼ね備えたい人にとっては、それがうれしいんですね。

くすい:うーん、なるほど。資産運用しながら生命保険に入れる、というわけですね。でも、独身だったり子供がいない共働きだったら、死亡保障は必要ないようにも思います。

高山:あとメリットとしては、例えば普通の投資信託って、もし病気などで働けなくなったときなど、万が一のときは毎月1万円払えないですよね。ところが保険の場合、「特約」をつけておくと、保険会社が代わりに払い続けてくれたりもします。

くすい:そういう制度があるんですね~。デメリットは何ですか?

高山:保険でやっているからコストが高く、運用の効率が悪くなることです。保障を兼ね備えているから手数料が高くてもいい、投資先のラインナップはシンプルなほうがいいと思えるか。あと、保険の営業マンからアドバイスをもらえるというメリットもありますね。「今、自分の運用どうなっているの?」と聞けば教えてくれます。ただ、運用という面から見ると効率は悪いよね。

くすい:なるほど。前回、「どうしてもリスクを取りたくない」人には保険をおすすめするとおっしゃっていたのはこれのことだったんですね。

高山:そう! お金を増やさないといけないけど、でも怖いわ……という人が変額年金保険を持っているケースは多いですね。今、これは売れている保険商品です。

くすい:高山さんとしては、変額年金保険はいい商品だと思いますか?

高山:ぶっちゃけ、保険会社によると思います。商品のラインナップだったり、運用の状況だったり、保険会社によって違うので。相談に来た方には、商品のラインナップや全体の使い勝手なども見て「これはやめたほうがいい」などとアドバイスしています。

くすい:保険商品の説明書って、項目が細かくて素人が判断するのは難しいですが、そういうのを見るのって大切なんですね。

☆確定拠出年金とは?
公的年金や企業年金にプラスするかたちで、自分で積み立てていく「年金」のこと。拠出したお金を投資信託などで運用する。個人でも節税ができることや、2017年1月から加入対象者が拡大したことから、今、老後資金づくりの方法として注目を集めている。

■資産運用を始めるまでの3つのステップ

くすい:資産運用をしたいと相談に来た人への具体的なアドバイスとしては、どんな感じになりますか?

高山:ステップとしては、こんな感じでしょうか。

①証券口座を開きましょう
②どの商品にどれくらい投資するかを決めましょう
③商品の買い方をレクチャーする

くすい:「③商品の買い方をレクチャーする」というのは、どういうことですか?

高山:例えば、「投資信託の積み立てをしましょう!」っていっても、証券口座を開いた後、「で、ここから何をしたらいいの?」と戸惑って、みんなそこから先に進めなくなるんです。なので、パソコンを持ってきてもらって、私が隣に座って、「ここからマイページにログインしてください」「ここをクリックして投資信託を買ってください」というような指導をしています。

くすい:確かに、私も最初に証券口座を開いたときはどこを触っていいのか全く分かりませんでした。

高山:例えば、株を買うときとかって「板情報」(いたじょうほう、☆)とかを見ながら「指値」(さしね、☆)を入れたりしますよね。最初の頃って「板情報」の読み方も分からないじゃないですか。株を買うときは「指値」か「成行」かを選ばないといけないけど、「これって何?」ってなりますよね。そういうところで詰まっちゃって、投資に挫折する女性って少なくないんですよ。結構ここってハードルが高いのかなって思っています。

☆板情報(いたじょうほう)とは?
数字がたくさん並んでいる表のことで、証券口座のマイページなどで見ることができる。今、どれくらいの値段で株が買えそうか、売れそうかを見極めるときの参考にする。

☆指値(さしね)とは?
株を売買するときに、「この値段で買いたい!」「この値段で売りたい!」というのを指定すること。指定しないで売買することは「成行」(なりゆき)と呼ばれる。「指値」にしておくと、思ってもいなかったような高い値段が付くことがない、というメリットがある。

くすい:私も最初、投資信託を買おうとしたら「入金してください」ってなって、そのやり方が分からなくて1週間くらい放置しました。

高山:「入金していませんでした」っていうのはみんな通る道ですよね(笑)。

くすい:で、そのときに初めてネットバンキングだったら入金手数料がかからないことが分かって、一生懸命調べて、申し込みました。それも、知り合いに証券会社出身の人がいたから教えてもらえましたが、知り合いがいなかったら結構つらかったと思います。

高山:自分で調べて最後まで行けるっていう女性は、案外少ないんじゃないかな。

くすい:どの証券会社で口座を開くか、ということも、インターネットの比較サイトでかなり調べましたけど、最後は知り合いに相談しました。

高山:ですよね。ネットの情報で「この証券会社がいい!」って書かれていても、「私にとって本当にいいの?」って感じになっちゃいますよね。

くすい:私も投資信託を積み立て始めて1年くらいたちますが、いまだにちゃんとできているか自信がありません。投資成績も全然見ていなくて、どこからどうやって見たらいいのかも、すぐにぱっと思い浮かびません。

高山:くすいさんは◯◯証券ですよね? でしたらマイページの「ポートフォリオ」というところで見ると、今どういう状況か分かりますよ。

くすい:さすが! 高山さんのようにたくさんの相談を受けていると、どの証券会社の画面も操作できるようになっているんですね(笑)。

■資産運用デビューしたら、3カ月に1回は見直しを

くすい:晴れて資産運用デビューできたとして、だいたい資産はどれくらいの頻度で見直したらいいんでしょう?

高山:3カ月に1回、もしくは半年に1回ぐらいは見た方がいいと言っています。以前は1年に1回と言っていたんですが、最近はトランプ相場とかもあって世の中の変動が激しいので、せめて3カ月に1回ぐらいは見に行くことが大切だと言っています。

くすい:見直すときのポイントは何ですか?

高山:せっかく資産を分散していても、相場が動くと極端に1つの資産額が大きくなったり、逆に減ってしまったりと、資産がデコボコになるんですよね。資産の配分があまりにも当初と違うと、初めに想定していた成果が出なくなってしまいます。ポイントは、増えている商品を売却して、減っている商品を買い増すんです。

くすい:えっ? 成績が悪いやつを買うんですか?

高山:もちろん、運用が「停止」になりそうだったり、上場が「廃止」になりそうな商品は買っちゃダメなんだけど、ただ単に相場環境が原因で下がってしまっているようなときは「買い増し」のチャンスなんです。こんなふうにして、常にバランスを取っていくほうが、投資って結果的には一番増えるのかなと思います。実際、あるデータでもこのように定期的にリバランスをしているほうが、安定的に資産が増えていると出ています。

くすい:投資信託の積立金額って、簡単に変更できるものなんですか?

高山:できます。

くすい:確定拠出年金はどうですか?

高山:積立金額の変更は年に1回だけです。配分変更は「随時」できるんですが……。

くすい:そうなんですね。じゃあ要注意ですね。

高山:「老後資金の積み立て」という目的でやっているだけあって、その辺の気楽さが普通の投資信託積み立てとは違うかもしれないですね。

くすい:投資するバランスを変える必要はありますか? 投資信託の積立金額をもっと増やして、定期預金の積み立ては減らそうとか。

高山:そのときのライフステージが変われば、見直す必要はあるかなと思います。例えば、転職して年収が増えたとき、子供が産まれたとき、住宅を購入するときなど。ただ、そういう大きなお金が動きそうなとき以外は、そう大きく変える必要はないかな。

■「金」の積み立てってどうですか?

くすい:ところで、資産運用の中で「金」ってどうなんですか? 高山さんはおすすめしていますか?

高山:資産に余裕があるならやってもいいんじゃないかなと思います。ただ、「実感が伴うかどうか」という視点では、ちょっと微妙かも……。金は安全資産と言われるだけあって、株価が大荒れしたときなどに買われて価格が上がったりするんですね。なので、リーマンショックのように世界のマーケット全体が下がるようなことでもあれば、金を持っていると価値が上がって、「安全資産」の意味を実感することができるかもしれません。

くすい:持っていてもいいけど、マストではないという感じですかね。また、投資信託のように積み立ててそこから増えるというわけでもない、と。

高山:積み立てるというよりは、お金の避難先、置き場所というイメージですね。株のように、積み立てた先で何か新しい価値を生み出すわけでもありませんから、「投資」ともちょっと違います。

■なぜ、「ほったらかし資産運用」は不十分なの?

くすい:だいぶんスッキリしてきました。あらためてお聞きしますが、高山さんは基本的にはどんな投資をおすすめしている感じですか?

高山:そうですね。私は株もFXも不動産も、いろんな投資をやっていますが、自分の資産やお客さまの資産を見ていて、なんだかんだ一番資産が増えているのって、コツコツ積み立てていて、世界全体に投資するような「投資信託」であるような気がします。

くすい:高山さんは株でもうけたことがある、とセミナーでよく話をしていませんか?(笑)

高山:(笑)。株はすごく大金を手にすることもあるけど、下がるときも(金額が)大きい。勝ち続けるのは難しいんですね。

くすい:なるほど。でも、それだったら投資信託の積み立てだけをしていればいいような気がします。株やFX、不動産など「プラスアルファ」は必要ないのでは?

高山:積立投信は「爆発的なもの」がないからつまらないんですよ(笑)。

くすい:「爆発的なもの」ですか?

高山:自分やお客さまを見ていて、長い目で見て一番資産が増えているのは積立投資信託です。だから、それはそれで「コア(=核)」でやっていていいと思うんですが、人間、楽しみがないとつまらないじゃない(笑)。なので「コア・サテライト」戦略といって、「コア」じゃない部分で「プラスアルファ」をおすすめしているんです。

例えば、FXをやっていると値動きがとても速いので、「なんで円高になったの?」といったことがすごく気になるようになります。そうすると、トランプ大統領がこういう政策をとるとこんなに円高/円安になっちゃうんだっていうのがリアルに伝わります。「トレンドを捉えよう!」と思えてくるから、勉強としてのアクションとしてはFXっていいなって思うんですよね。

くすい:なるほど、今までFXはあまり興味がありませんでしたが、バーチャルアプリでちょっと始めてみようかな……。ただ、あまり勉強せずにFXや株に手を出すのは、「投資」ではなく「投機」であると批判されることもあります。

高山:実は私も、株やFXをお客さまにおすすめすることがあるのですが、それはよくないと指摘されることがあります。でも、リスクを理解したうえで、勉強のために余裕資金で取り組むには、株やFXは値動きが激しいのでとてもいい方法だと思うんですよね。

くすい:自分の生活にどれだけ身近か、ということですね。

高山:そうです。例えば「円/ドル」の情報ってすごく得やすいですよね。1ドルいくらっていう情報は、スマホでもパソコンでもすぐにキャッチできます。株の情報だって、自分の好きな企業の情報や、仕事に関係する業界の動向だったら、プロのアナリストより詳しいかもしれない。

「年収500万円超」の女性が株が上達しやすいと言ったのも、普段の仕事でキャッチする情報と株式投資に必要な情報の距離が近いからなんです。自分の日常との距離感がどれだけ近いかが、資産運用がうまくいくかどうかのポイントになるように思います。

くすい:DAILY ANDSでは「ほったらかし資産運用」として「積立投信」や「国債」を紹介することがありますが、「ほったらかし」ということは、裏を返せば自分の生活に身近ではないと。

高山:そうですね、「ほったらかしでいい」っていうのは結局、他人に任せておけばいいやってなるから、あまり自分の勉強にはなりません。為替ってリアルタイムなので「なんでこんな金額になってるの?」「昨日まで○万円もうかっていたのに、今日こんなに少ないのはなぜ?」ということもザラにあるんですよ。

くすい:株だと、資産が大きく動くビッグイベントは年に数回くらいですかね。去年だと、ブレグジット(Brexit=イギリスのEU離脱)やアメリカの大統領選挙。

高山:そうですね。そういうビッグイベントは勉強のチャンスです。「ブレグジットが大変」ってニュースでやっているとき、自分の資産が大きく減ったら「本当に影響あるんだ!」と実感が湧く。たぶん、それだと思うんですよね。実感が伴うかどうか。実感が伴うものじゃないと、人は勉強しようっていうモチベーションもなかなか出てこないんじゃないかなと思います。

くすい:いろいろ経て、それでも「ほったらかし資産運用」だけでいいやってなればそれでいいですよね。

高山:そういうことです。「自分はこういうのは面倒でやってられないや」って自分の中で結論が出れば、無理に株やFXをやらなくてもいいと思います。ただ、最初から「これさえやっていればいい」というのはどうかな? と思います。投資の世界にはいろいろ楽しいこともありますから、いろいろと体験してから判断したほうがいいと思いますね。読者の皆さんには、自分が一番やっていて楽しいと思える投資に出会い、お金に強くなっていってほしいですね。

■自分が楽しいと思える投資を見つけよう

ちなみに高山さんご自身、FPになったキッカケは、「もともとお金に無頓着で浪費家だったんですが、それを見かねた友人から『FPの勉強した方がいいよ』って言われたんです(笑)。そしたらハマっちゃって」とのこと。

難しいから無理!と思わず、何かしら飛び込んでみると、高山さんのようにお金のことを楽しみながら学べるようになるかもしれません。

知らないと怖いけど、知ろうとすると楽しい「お金」の世界。少しでも多くの方が、そこに近づけるように、また面白いネタを探さないとな、と思ったDAILY ANDS編集部でした。(アラサーと投資、おわり)

■今回、取材に協力してくれたのは…

高山 一恵(たかやま・かずえ)さん
Money&You取締役、ファイナンシャル・プランナー(CFP)。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立、2015年から現職。全国で女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。FP Cafeを運営。

くすい ともこ
DAILY ANDS編集長。北陸の地方紙で5年間記者として勤務後、Web編集者に。「無理のない範囲でコツコツ」をモットーにインデックス投資を始めるも、含み損がコツコツたまっている。

(提供:DAILY ANDS)

最終更新:4/27(木) 11:10
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