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ジャーナリストら「共謀罪」で会見(全文1)監視社会現実化のおそれ

2017/4/27(木) 16:52配信

THE PAGE

内心の自由、人権そのものまでも、まったく侵害されることになるだろう(斎藤氏)

斎藤:フリージャーナリストの斎藤貴男です。私、1999年に『プライバシー・クライシス』という本を書くための取材を始めてから、だいたい20年ぐらい監視社会の取材をしてるんですが、だから分かるつもりでもあるんですけれども、この共謀罪が本当に通ったら私たちの、今日は物書きの人が多いんで表現の自由を中心に話をしていますけれども、それだけじゃなくて、みんなの内心の自由から、もっと言うと人権そのものまでも、まったく侵害されることになるだろうと思います。

 私たちはすでに政府にとっては単なる番号に過ぎません。斎藤貴男なんていうのは、これは単に親からもらったニックネームに過ぎないわけで、政府にしたら例のマイナンバーというナンバーになるんですね。別に欲しいとも言ってないのにマイなんて言わされて、実はあれはスティグマナンバーだと。つまり奴隷の刻印の番号だと私は思っていますが、それとほかにもそこら中に今ある監視カメラ網だとか、これからそれにくっついてくる顔認識システムだとか、ほかにも、GPS操作もそうですが、その他、目の虹彩、網膜、指紋、掌紋、あらゆるいわゆるバイオメトリクスというもの。こういうのは全て連動して人々、私たちの一挙手一投足が政府に見張られ、で、それはまた民間にも開放されてマーケティングの役に立たされていくと。

 つまりもう私たちは、そうなったら人間というよりは単に息をする財布であり、政府の思いどおりにただ操られるだけの生き物になるという。こういうことなんですね。それのいわば共謀罪というのは、その最後の仕上げのようなものだと思います。もう何か、物を自由に考えたり、主張したりなんてことは一切、許されなくなる。許されるかもしれないけれども、どっちにしてもそれはお上の判断次第。お上がこいつは別にそれほど邪魔になんないからいいかなと思えば放っといてくれるだろうし、そうでないと思えば捕まえる。なんか気分が悪ければ捕まえる。ちょっと反対運動が盛り上がってきたと思ったら片っ端から捕まえる。こういうことに必ずなります。

 すでにもう昨年、刑事訴訟関連法制というのが通りまして、司法取引もできるようになりました。それから盗聴法が拡大されました。で、まだ法律にはなっていませんが、警察庁内部では会話傍受といいまして、警察官が何か怪しいとにらんだ人間の自宅や事務所に勝手に忍び込んで、盗聴器や監視カメラを付けてもいいと。こういう計画もあります。また全国民のDNA型データベースの構築というのも警察庁は検討しています。いずれ、GPS捜査も最高裁でああいうふうに否定されましたが、その代わり意見書に意見が付いていて、だから早く法制化しなさいという意見が付いてるんですね。これも非常に不気味です。

 いわば、これはテロ等準備罪とかいろいろ言ってますが、私に言わせればもちろんその治安維持法なんですけれども、今の若い人がそれが分かりにくいというならば、自由禁止法だとか絶対服従法と言っても過言ではないんじゃないでしょうか。

 2013年に麻生さんがおっしゃってたナチス発言というのを思い出してください。つまりナチスの手口に学んでいつの間にか憲法が変わっているような、そういうふうにしようと彼は言ったわけです。実際、ナチス憲法なんてものは存在しなくて、世界一民主的といわれたワイマール憲法が無効化されたということなんですが、もうすでに日本では何も緊急事態条項ができてもいないのに、すでになんでもかんでも強行採決で実際、実質的に憲法はもう無効化されているのも同然じゃないでしょうか。共謀罪はそれにとどめを刺すものです。
 私は何も自分たちが表現者だからとか、言論人だからといって、そういうことだけで反対してるわけじゃありません。人間が人間であるためには絶対譲れないことを守るために反対してるつもりです。で、私の父はシベリア帰りで、昭和31年までシベリアにいたんですが、帰ってきて死ぬまで、昭和54年に亡くなるまで、ずっと公安の監視下におりました。お国のために戦って捕虜になって、11年間の強制労働に耐えて帰ってきた人間が、おまわりさんに死ぬまで見張られるんです。私の就職にも大いに影響しました。

 共謀罪みたいなものができたら、マイナンバーや監視カメラと併せて日本中の人が同じような目に遭います。そして政府や企業の要職とか、とにかくまともな仕事は全て、有力者の関係者だけで占められることになるでしょう。普通の人がのし上がる道は一切残されません。以上です。

青木:ありがとうございました。ちょっと段取りが悪くて、あいうえお順、五十音順にいったんですけどちょっと飛ばしてしまいました。岩上さん。

女性:すいません、マイクを使ってください。

青木:マイクが1本しかないので、すいません。岩上さんお願いします。

【連載】ジャーナリストらが「共謀罪」めぐり記者会見 全文2へ続く

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最終更新:2018/10/2(火) 22:33
THE PAGE

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