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バンダイナムコエンターテインメントが贈る“死にゲー”『CODE VEIN』の正体に迫る! 開発者インタビューを公開

4/27(木) 14:12配信

ファミ通.com

●新しいチャレンジができる準備が整った
 2016年4月20日、ワールドワイドで情報が公開されたバンダイナムコエンターテインメントの『CODE VEIN(コードヴェイン)』(以下、『コードヴェイン』)。本作のキーマンであるディレクターの吉村 広氏、プロデューサーの飯塚啓太氏、そしてプロジェクト全体を統括する富澤祐介氏の3人にインタビューを実施。吉村氏と富澤氏は『GOD EATER(ゴッドイーター)』シリーズでもおなじみのふたりだが、どのような形で本作の企画開発が行われているのか、詳しく聞いた。併せて、富澤氏を中心とした新たなプロデュース体制も組織されたとのこと。『コードヴェイン』のインタビューに続けて、そちらの詳細もお届けしよう。

──『コードヴェイン』企画の経緯からお聞かせください。

富澤 これまで私と吉村さんとは『ゴッドイーター』シリーズで長くタッグを組んできましたが、その中で培ったノウハウは多く、それを活かせるチャンスがあれば、ぜひ新しいタイトルを作りたいという思いが私たちにずっとありました。『ゴッドイーター』シリーズは今後も発展させていきますが、その一方で新たなチャレンジができるという準備が整ったからこそ実現しました。

──制作のラインが増えたわけですね。富澤さんがすべてプロデュースされるのでしょうか?

富澤 のちほど詳しくお話ししますが、プロデュースをチーム体制で行っていくという新たな枠組みを作りました。これまでいっしょにプロデュースのサポートをしてくれていた飯塚が『コードヴェイン』のプロデューサーとなり、僕は一歩引いた視点からプロジェクト全体を見ます。

──多くのユーザーも気になるところだと思いますが、今回の『コードヴェイン』は『ゴッドイーター』と関連があるのでしょうか。

飯塚 『コードヴェイン』は新しいゲーム体験を提供する新規タイトルとして開発を進めています。

──なるほど。『コードヴェイン』のお話をうかがう前に、プロデューサーの飯塚さんの来歴などをお聞かせください。

飯塚 現在は富澤のチームでともにプロデュースを担当しつつ、家庭用タイトルの経験を積んでおります。それ以前も、プラットフォーム問わずゲームの開発や運営に携わっていました。もともと家庭用ゲームは大好きでしたので、今回の『コードヴェイン』は念願がかない、この大役を任せてもらえることとなりました。

富澤 僕のワガママでもあるのですが、新たな取り組みを拡大させていこうとする中で、熱意と実力でプロデュースができる人材が必要でした。飯塚はこれまで積んできた経験含め、適任です。

飯塚 そうやってプレッシャーを(苦笑)。

●バディの存在によって新しいゲーム体験を目指す
──『コードヴェイン』というタイトルの意味についてお聞かせください。

吉村 VEIN(ヴェイン)は英語で“静脈”という意味があります。CODE(コード)は暗号で、一連では“血の暗号”といった印象になるでしょうか。本作の舞台、プレイヤーが探索を行う世界は“澱んだ血の牢獄=ヴェイン”と呼ばれています。閉鎖世界“ヴェイン”に秘められた真実、という意味合いがタイトル名に込められています。

──そのヴェインを探索していくと。

飯塚 はい。本作のジャンルは“ドラマティック探索アクションRPG”となります。“探索アクションRPG”というジャンルには、地続きのエリアを緊張感をもって探索&踏破し、その結果、強い達成感が得られる、という魅力がありますが、その緊張感、達成感をより強められないか、より濃密でドラマティックな探索体験を実現できないか、と検討を重ねてきました。

──そこがドラマティックとうたうゆえんですね。

吉村 ストイックかつヒロイックなアクションや迫力のある敵、探索するフィールド自体のクオリティーにも自信がありますが、いちばんのアピールポイントは、バディとともに凶悪な敵の待ち受ける死地に挑むという点です。

──バディがドラマティックという要素を担うのでしょうか?

吉村 高難度のアクションゲームでは、“心が折れる”といったことが言われたりしますが、本当にプレイヤーの心を折ってしまうと、ゲーム体験はそこで終わってしまいます。本作では、いっしょに旅をする仲間としてバディが存在し、「こいつのためにここで負けるわけにはいかない」、「この子といっしょにあそこまで踏破したい」と感じてもらうことで、ひとりでは諦めてしまうかもしれない大きな難関を乗り越え、より大きな達成感を味わっていただくことができます。

──バディはつねにいっしょに行動するのでしょうか?

吉村 プレイヤーの任意で帯同を決められますが、基本的にはバディがいる前提での設計になっています。先ほどお伝えした通り、バディとの探索には、ストイックなゲーム性の中で、心が折れずに“自分の限界を越えて”進んで行けるという魅力もありますが、加えて、初めての場所にたどり着いたときの“旅情感”の共有も大きな魅力のひとつとしてあります。ひとりではたどり着けなかった場所にふたりでたどり着いた際の、バディの表情や言葉が生み出す情緒的な感動をともなう達成感は、これまでにないドラマティックな体験となると思います。

──バディはどれくらい自分を助けてくれるのでしょうか?

飯塚 助けられるシーンは多いと思いますし、逆にプレイヤーがバディを助けるという行動も必要になってくるかと思います。

──命令を出したりは?

飯塚 基本的には自律して行動してくれます。

吉村 バディのAI(人工知能)は、マスターアップギリギリまで調整すると思います(苦笑)。

飯塚 開発としては、この部分の調整ががんばりどころですね。

吉村 体験をよりドラマティックにしてくれるバディを実現するために、シチュエーションごとの、非常に細やかな調整をかけています。そうすることで、「ともに探索をしたいと思える」バディがやっと誕生する感じですね。開発中、初めてバディとの探索を体験した際、想像以上に気持ちが動くことを実感しました。ひとりで死ぬのではなく、仲間がいる状態で死ぬというのはかなり違うんですよ。強敵にまったく歯が立たずやられてしまっても、仲間の存在が気持ちをポジティブにさせたり、リトライでの気持ちの入りかたが大きく変わることがわかりました。

飯塚 攻略上、サポートしてくれる仲間がいるというだけではなく、バディがいることで得られる、これまでにないドラマティックな探索体験をぜひ味わっていただきたいですね。

●日本で認められるものを世界に発信する
──続いて、世界観やキャラクターについてお聞かせください。

吉村 世界観やキャラクターの詳細については今後お伝えしていければ……と思っておりますが、本作でははまず、それらを伝える“グラフィック表現”の部分にとにかくこだわりました。本作はゲームエンジンに“アンリアルエンジン4”を採用しています。“アンリアルエンジン4”は物理的な描画の演算に強く、非常に実存感のある映像を作り出せます。それと、情感を持ったキャラクター表現を両立させた独自の絵作りを実現するため、たくさんのトライ&エラーをくり返しました。

富澤 この絵作りにたどり着くまで、相当時間がかかりました。アニメ調でなければ、フォトリアル調でもない、ゲームCGというジャンルにおいて日本発の表現の独自性を築きたいという意図があります。

──やはり、ワールドワイドでの展開を意識したのでしょうか?

吉村 強調したいのは、日本のユーザーさんが好むものは世界でも通用するはずだということです。そこはブレない軸として進めています。

富澤 日本のアニメやゲームを好きなユーザーさんが「かっこいい」や「かわいい」と言ってくれる表現ってどんなものなんだろうと。言葉にならない部分を探す作業がありました。

──あくまで日本の感性ありきだと。

吉村 僕自身が日本人ですし、日本人的な感性からくる造形センスの魅力や機微のようなものをベースとしつつ、欧米の方へもより広く受け入れてもらいやすいようにリアリティーも併せ持った世界を作っていきたいと。

飯塚 その結果、海外のユーザーさんにも受け入れられやすい表現になっているのではないかと思っています。

吉村 この方向性に定まるまで、1年弱くらいかかっています。現世代のキャラクター作りは、デザイナーがイラストを描き起こすだけではディテールを詰めきれないほどゲームエンジンの表現力が上がっていることもあり、実際にエンジン上で練り上げていくしかないんです。そのため、今回はキャラクターデザイナーとテクニカルアーティスト、アセットを制作するモデラーとの連携を強く持ちながら絵作りを進めてきました。今回のお披露目を経て、引き続きブラシュアップをしていきたいと考えています。

飯塚 もちろん全体のゲーム性やアクションの部分に関しても皆様に満足していただけるように作り込んでいきますので、それらも含めてワールドワイドで受け入れられるタイトルを目指していければと思います。

──対応ハードについてはまだ言及されていませんが、据え置き機ベースでしょうか?

飯塚 まだ明確には言えませんが、据え置き機での展開を予定しています。

●発売は2018年! 5月2日にPVが公開
──去る4月13日に公開された海外主導のティザートレーラーは、なかなかのインパクトがありましたね。

飯塚 海外チームとの連携のひとつになります。いままであまりやったことがない形式ですね。本作はダークな世界観ということで、それをどう紹介しようかと、海外のメンバーと話し合った結果、今回のティザーが生まれました。

──ティザーにはゲーム画面は含まれていませんでしたが、いつごろ実機映像が見られるのでしょうか?

飯塚 5月初旬(編注:5月2日と判明)に最新のプロモーションビデオを公開予定ですので、それをお待ちいただければと思います。

──開発状況や発売時期はいかがでしょうか?

飯塚 2018年の発売を目指して、鋭意制作中です。何月かは……まだ秘密です。

吉村 制作体制という意味では、私がディレクターを務め、さまざまな能力を持った実力のあるメンバーとともに開発を進めています。

──では最後に、本作への意気込みをお聞かせください。

吉村 新規タイトルである本作『コードヴェイン』を発表することができ、本当にうれしく思っています。「新たな体験を生み出したい」という想いを持って企画を立ち上げてから、長い道のりを経てこの日を迎えましたが、ここからが開発の本番スタートという気持ちでいます。今回の初報の段階では、私たちが目指している“ドラマティック探索アクションRPG”の全貌はまだまだお伝えできておりません。興味を持っていただいたユーザーの皆さんのご期待を上回る、よりスリリングで、より感動的な探索体験をお届けいたしますので、今後の続報にご注目いただければと思います。そして、皆さんとコミュニケーションをさせていただきながら、ともにこのタイトルを作り上げていけたらうれしいです。

富澤 ゲーム開発は、モノ作りの考えかた自体も変えながら、ゲームの進化についていかないといけません。そう思いながら開発を見守ってきた部分もありますので、プロデュース側も進化していかないといけないと強く感じていました。世界に向けてどう伝えていくべきか、チーム一丸となって考え続けて、ようやく世に情報を出せるところまで来ました。ここまでの道のりは長かったので、開発のメンバーの努力と、目指すべき目標に答えられるようなプロデュースを全力で取り組んでいきます。

飯塚 『コードヴェイン』は完全新規タイトルではありますが、吉村を始め、開発スタッフ一同、世界中にお届けできるよう、気合を入れて制作に臨んでいます。一方で私自身もユーザーさんの目線に近いところから、いっしょにいいタイトル作りをしていければと思っていますので、何卒、よろしくお願いします。

富澤 なるほど。ちょっと堅いかな。

吉村 ……堅いね(笑)

飯塚 ちょっと……手きびしいなあ(苦笑)。

●タイトル単位のプロデュースをどんどん任せていく
 先のインタビューの通り、最新作の『コードヴェイン』は飯塚啓太氏がプロデュースを担当。そして『ゴッドイーター』の家庭用新作については、シリーズ7周年記念のニコニコ生放送にて、富山勇也氏がプロデューサーに就任したことが発表された。この新たなチームプロデュース制について、富澤氏を中心に話を訊いた。

──今回のチームプロデュース制への移行は、まさに“富澤組”発足のような印象ですが、その意図についてお聞かせください。

富澤 私自身、足掛け7年『ゴッドイーター』シリーズをプロデュースしてきました。去年は国内でこそ大きなタイトルは出せませんでしたが、欧米で『GOD EATER 2 RAGE BURST(ゴッドイーター2 レイジバースト)』(以下、『GE2RB』)をリリースすることができ、このシリーズを世界中のユーザーさんに楽しんでいただくという足掛かりを作れました。そこで改めて実感したのは、日本で魅力的と思ってもらえるクリエイティブは、世界でも確かに望まれているということでした。

──『コードヴェイン』のインタビューでも、同様のことをおっしゃっていましたね。

富澤 はい。とくに家庭用のタイトルについては、国内に加えて海外も含めた市場を目指していくにあたって、僕たちとしては、ワールドワイドな視点で日本的なモノ作りを捉え直すことがつぎなる一歩に、そして結果日本の皆さんへも新たな価値提供につながると考えました。

──そういう意味では、『ゴッドイーター』はその一歩を踏み出せたと。

富澤 そうですね。今回新たに発表させていただいた『コードヴェイン』も、日本発でワールドワイドを目指すタイトルだということをはっきりと打ち出しています。私自身企画段階からプロデュース面で深く関わっていますが、私は『ゴッドイーター』の総合プロデューサーでもあり、『コードヴェイン』やこれから生まれるであろうタイトルをひとりで見ていくには限界もあると感じていました。そこで、より広く、多くの方にタイトルをご提供するという目標に沿って、チームプロデュースという体制を敷かせていただくことに決めました。

──タイトルごとのプロデュースは移譲して、より広く全体を見渡す感じでしょうか。

富澤 ええ。具体的には、富山が『ゴッドイーター』の家庭用新作を、飯塚が『コードヴェイン』をそれぞれ担当します。私自身は、チームのリーダーとして全体を見ますが、今後プロデューサーとして関わるタイトルも出るかもしれませんし、その際はふたりにも長所を活かしてフレキシブルに関わってもらいます。

──『ゴッドイーター』は非常に大きなIP(知的財産)に成長しましたが、富山さんに託した理由をお聞かせください。

富澤 彼は『GE2RB』からさまざまな形で携わってくれていて、タイトルへの愛情や知識も深く、それが抜擢の理由でもあります。では、本人から自己紹介を。

富山 『ゴッドイーター』家庭用新作のプロデュースを担当することになりました富山です。『GE2RB』では、宣伝担当として関わっていました。開発サミットであったり、5周年イベントなどでユーザーさんとコミュニケーションを取らせていただきつつ、制作にも携わっています。これからは、プロデューサーとして家庭用の『ゴッドイーター』のために力を尽くします。開発状況については、富澤といっしょに責任を持って見ていきたいと思っています。安心と驚きを提供できるよう、がんばります。

──初のプロデュースが『ゴッドイーター』ということで、プレッシャーなどはありますか?

富山 やはりありますね。私自身も、『ゴッドイーター』を楽しんでいるユーザーのひとりですし、また、『ゴッドイーター』は開発チームと熱心なユーザーさんとのコミュニケーションで作り上げてきたものだと考えています。ですので、そういった方々への敬意を心に留めながら、これからも新しい『ゴッドイーター』をユーザーさんと作っていけるように、開発チームといっしょにしっかりコミュニケーションを取りつつ、前に進んでいけたらなと思っています。

──『コードヴェイン』を担当される飯塚さんからも、ひと言お願いします。

飯塚 『コードヴェイン』は新規タイトルということもありますので、何よりもまず触っていただいて、ゲームプレイを通じて魅力を感じていただきたいという思いがあります。

──飯塚さんはかなりのゲーマーのようですしね(笑)。

飯塚 ええ。僕自身もプレイヤーとして楽しめるものを目指して制作していければと思っています。1日でもはやく皆さんに触っていただく機会を作るのが目下の仕事ですね。

●志を同じくした仲間と世界に打って出る
──チーム制は、今後拡大される可能性はありますか?

富澤 今回は『ゴッドイーター』と『コードヴェイン』というふたつのタイトルの話をしていますが、このチームプロデュースというスタイルでほかの企画も検討・進行中です。現段階ではお話をしにくいのですが、完全新規タイトルもありますし、シリーズを刷新していくような取り組みもあるかもしれません。いずれにしても、私たちとしては日本のクリエイターの放つ魅力を世界に正しくお伝えするのが責務だと思っています。同じ志を持ったタイトルをどんどん企画していきたいですし、プロデュースチームとしての拡大も長い目でしていきたいです。

──大きな広がりを見せそうですね。

富澤 プロデュースの体制の話がメインになりましたが、実際のモノ作りはクリエイターたちとの協業になります。ビジネスだけ、モノ作りだけ、では通用しない昨今、同じ目線を持ち、オリジナルを立ち上げようと企むクリエイターの皆さんといい仕事をしたいですね。『ゴッドイーター』や『コードヴェイン』の吉村さんを始め、バンダイナムコスタジオに所属する優秀なクリエイターたちとの協業を推進していきたいと個人的に考えています。まだ明かせないその後のタイトルも、バンダイナムコスタジオのクリエイティブを基軸に、グループ内外の名だたるクリエイターの方々とも協業が拡がっています。ぜひ今後の発表にも期待していただきたいですし、同じ目線の企画をお持ちのクリエイターさんがいらっしゃれば、ぜひごいっしょしたいですね。


※本インタビュー記事は、週刊ファミ通2017年5月4日号(2017年4月20日発売)に掲載されたものです。

CODE VEIN(コードヴェイン)
メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
発売日:2018年発売予定
価格:未定
ジャンル:アクション・RPG

最終更新:4/27(木) 14:12
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