ここから本文です

学芸員の「がん」ばり知ってますか 大臣の失言で思わぬ注目

4/27(木) 8:24配信

福井新聞ONLINE

 山本幸三地方創生担当相が「がん」「一掃しないと駄目」と失言し、学芸員が思わぬ脚光を浴びている。福井県内の博物館や美術館でも活躍しているが、展示が注目されても、企画した学芸員や地道な調査研究に触れる機会は少ない。地域の宝を多くの人に知ってほしい―。文化財の保護と活用による集客を両立させようと、熱い思いで日夜知恵を絞っている。大臣、それでも観光マインド足りませんか?

⇒特別展「刀に彫る」イベントを写真で

 ■きっかけづくり

 福井市立郷土歴史博物館で開かれている特別展「刀に彫る」(5月7日まで)。休日には刀身の精密な彫りを熱心に鑑賞する若い女性が目立つ。「刀の展示は以前から企画しているが、数年前から来場者ががらりと変わった」。同展の担当学芸員、松村知也さん(41)は予想通りの人出に手応えを感じていた。

 「越前新刀という一つの分類ができるほど、福井は刀の産地として有名だった」。地域の歴史を伝えたいと、2年前から構想を練った。展示品の大部分は他施設の所蔵で、遅くとも会期の1年前には依頼する必要があった。

 敷居が高いと感じる若者に関心を持ってもらおうと、刀を題材にした作品が人気の漫画家のイラストをポスターに採用した。「年配の愛好家からは賛否両論あるが、思い切って決めた」。会員制交流サイト(SNS)での情報発信にも力を入れている。「どんなきっかけでもいい。地元の人が福井の歴史や文化を知り、発信する力が増えれば、福井に興味を持ち県外から訪れる人を増やすことにつながる」と考えている。

 ■1週間で満杯

 22日から6月4日まで、企画展「福井の私鉄」を開く福井市の県立歴史博物館は期間中、写真や資料展示にとどまらず、多彩なイベントで人を呼び込む。4月29日の移動講座「えちぜん鉄道車両基地見学と京福電鉄廃線跡をめぐる」は、東京都や大阪府、神奈川県、兵庫県など県外の鉄道ファンの申し込みが多く、1週間で定員が埋まった。

 同館主任学芸員の水村伸行さんは「鉄道に限らず、企画展や特別展では、セットで関連イベントを開いている。県外から夜行バスで来て夜行バスで帰る人もいる」と話す。

福井新聞社