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関西・航空機産業 最前線/サプライヤー、要求される「図面読み、英語力、スピード感」

4/27(木) 14:35配信

日刊工業新聞電子版

 関西を航空機産業の拠点に―。近畿経済産業局が企業や自治体と協力し立ちあげた「関西航空機産業プラットフォーム」を舞台に、サプライチェーンの構築に動いている。世界の民間航空機市場は2014年からの20年間で4兆―5兆ドルへとほぼ倍増する見通し。15年度の国内航空機生産額も1兆8219億円と5年間で1・8倍に成長した。その中で関西の存在感を高めることは可能なのか。プラットフォームの活動成果などを追った。(大阪編集委員・青木俊次)

品質向上・人材育成に手応え

【行政が支援】
 プラットフォームは16年に設立。新産業創造研究機構(NIRO=神戸市中央区)を事務局に、航空機産業からの受注を目指す神戸航空機産業クラスター研究会や次世代型航空機部品供給ネットワークなど6クラスターの構成企業など約100社が参加する。発注側からは川崎重工業、島津製作所、新明和工業、神戸製鋼所、住友精密工業、三菱重工業の6社が参加。大阪府・市、京都府・市、兵庫県、神戸市などの行政や関西経済連合会、大阪商工会議所などの経済団体が脇を固める。
 プラットフォームでは航空機の組み立てなどを担う発注側の大手企業の要求に応えられるサプライチェーンの構築を目指している。1年目の16年度はマッチング事業で発注企業4社から29件のニーズが開示され、これに東北から九州まで35社84件が応募。22社で面談が実現した。商談には至らなかったが「改善により見積もり依頼の可能性あり」が10社に達した。
 行政も支援を強めている。神戸市は建物や設備の新設への補助の上限額を3000万円に引き上げ「15年度以降、9件が利用している」(経済観光局)。神戸市立工業高等専門学校では4月から航空分野の教育を始めた。3年次生から機械加工や組み立てなど、4―5年次生から英語教育、CAD/CAM講習、見学研修などを実施し、航空機産業へ人材を供給する。

【一定の成果】
 兵庫県は10月に国内初の航空機関連産業向け非破壊検査員トレーニングセンターを兵庫県立工業技術センター(神戸市須磨区)に開設予定で、中小企業向けに検査員の育成に力を入れる。
 プラットフォームの活動で、航空機産業への参入を狙う中小企業は一定の成果を挙げている。金属加工業のオオナガ(兵庫県稲美町)の大長勝社長は「(航空機産業の品質マネジメント規格である)JISQ9100などへの取り組みや指導を受け、年間の不具合が6分の1の10件に減った」と喜ぶ。
 ステンレス材などを手がける能勢鋼材(大阪市旭区)の能勢義男取締役も「航空機産業の“作法”の浸透や、JISQ9100への取り組みで、社員に自主改善意欲が見られるようになった」と、品質向上に加え人材育成にもつながったと目を細める。

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