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感染症にかかったら、あなたの職場は休めますか?

4/27(木) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

4月16日、阪神の藤浪晋太郎選手が1軍の出場選手登録を抹消された。4月14日から体調不良で、16日にインフルエンザA型と診断されたためだ。同じく日本ハムの大谷翔平選手も4月インフルエンザB型を発症した。プロ野球で選手登録を抹消されると10日間は再登録できないというが、実際インフルエンザやその他のうつりやすい感染症にかかった場合、何日間仕事を休めばよいのだろうか。

藤浪選手や大谷選手が感染したインフルエンザは、冬季にはノロウイルス胃腸炎と並ぶごくありふれた感染症だ。例年、インフルエンザの流行期は3月までで、4月以降はぐっと減るのだが、今年は4月中旬になっても外来には患者が来ている。そして患者が一様に気にするのは「いつ治るのか」「仕事に行ってもいいか」ということだ。外来でも「朝38度の熱があったのだが、解熱剤で熱が下がったので出社したら、昼過ぎにだるくなってきた」「明日はどうしても休めない仕事がある」という声をよく耳にする。仕事熱心なのはいいことだが、感染症の場合、解熱剤で抑えて出社するようなことは決してやってはいけない。

休む意義は「療養」と「隔離」

患者が自宅で休むことの意義は大きく2つある。「療養」と「隔離」だ。

インフルエンザに限らず、病気から早く回復するにはゆっくり療養することが重要だ。いくら薬で症状が軽くなっても、体調は回復しにくいもの。抗インフルエンザウイルス薬は症状が出た後、48時間以内に使用すれば有効性があると言われるが、完全に症状がなくなるわけではない。人によっては微熱やだるさ、咳などの症状が続く。

さらにインフルエンザは飛沫感染といって、咳やくしゃみの際に口から出てくる小さな水滴(飛沫)によってうつる。家族や同僚など日常的に一緒にいる間柄では飛沫感染を防ぐことは難しく、無理を押して出勤すれば職場の人たちにうつす可能性がある。インフルエンザの場合、特別な隔離は必要ないが、他の人たちとの接触をなるべく避ける目的で、「休む」ことが重要なのだ。熱が下がっても、感染力が強い期間にむやみに外出してほしくないというのが医師としての本音だ。

だが、働いていれば、ずっと仕事を休むわけにもいかない。会社員であれば、藤浪投手のように10日間も登録抹消というわけにはいかないだろう。実際どのぐらいの期間、会社を休むべきなのだろうか?

子どもの場合、欠席について明確なルールがある。学校保健安全法によって「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼稚園や保育園では解熱後3日)を経過するまで」は登校を控えるように、と定められている。抗ウイルス薬を使って早いタイミングで解熱していても、数日間は感染力があるので学校を休んだ方がいい。登校の再開する際には、医師による治癒証明書も必要だ。

一方、社会人の場合はこのような明確な法律はなく、治癒証明も必要ない。私は「周りの方にうつして職場が全滅したら意味がないですから、長期的に考えて休んだ方がよくないですか」と伝え、学校保健安全法に準じて感染力の強い数日間は休むように勧めているが、強制力はない。

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最終更新:4/27(木) 20:10
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