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シャラポワが復帰第一戦で勝利 [シュツットガルト/女子テニス]

4/27(木) 18:00配信

THE TENNIS DAILY

 薬物使用による15ヵ月の出場停止処分からの復帰第一戦に勝利したあと、マリア・シャラポワ(ロシア)はほっとした表情を浮かべて観客に手を振り“投げキス“を送るという慣れ親しんだルーティンを行った。

シャラポワのワイルドカード論争にハレプとコルネが新しい刺激を投入 [ポルシェ・テニス・グランプリ]

 ドイツ・シュツットガルトで開催されている「ポルシェ・テニス・グランプリ」(WTAプレミア/ドイツ・シュツットガルト/4月24~30日/賞金総額77万6000ドル/室内クレーコート)のシングルス初戦で、5度グランドスラム大会を制した元ナンバーワンのシャラポワはロベルタ・ビンチ(イタリア)を7-5 6-3で倒した。

「世界でもっともすばらしいフィーリングだったわ」

 シャラポワはプロの試合をプレーするためにふたたびコート上に足を踏み入れたときの感慨について、こう言った。

「これを本当に長いこと待ちわびていた」

 試合に先立ち、シャラポワは4500人の観客たちから比較的“不熱心“な歓迎を受けた。満員のアリーナに入って行ったとき、彼女は礼儀正しい拍手と、ちょっとした冷やかしの口笛を受けたのだ。

 シャラポワは論争を巻き起こしたワイルドカード(主催者推薦枠)で大会出場の権利を得たにも関わらず、自分を待っている反応を恐れてはいなかった。

「それは私が注意を割くことではないわ。コートに出て行ったときにしかるべき状態でいられるよう何ヵ月も費やしてトレーニングを積み、準備をしてきたのだから」と彼女は言った。

 シャラポワは自分の出場停止処分を怒りとともに振り返ってはいなかった。彼女は「私はそもそも怒るタイプの人間ではないの。かなり迅速に切り替えられるほうなのよ」と言う。

 1月にトレーニングに戻るまで、シャラポワはWTAツアーから離れている間、「かなり普通の生活を送り」「人間として成長した」と言い添えた。

「私は勉強し、働いていたの。自分のビジネスに尽力し、これまで培う時間のなかった友情を培ったわ」と彼女は言った。

 この試合はシャラポワにとって、2016年全豪オープン準々決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に敗れたとき以来の試合だった。そしてまた、ここ2年で初のクレーコートでの試合でもある。

 世界ランク36位のビンチに対してシャラポワは最初の8ポイントのうち7ポイントを失い、5分のうちに最初の2ゲームを落として、ややぐらつきのあるスタートを切る。彼女は第3ゲームでの5度目のブレークチャンスをものにして、ついにビンチのサービスをブレーク。そこから流れをつかみ始めた。

 一連のアンフォーストエラーをおかしはしたが、シャラポワはまた、いくつかの見事なリターンとクロスのウィナーでかつての彼女の輝きの片鱗を見せもした。そして、それらのポイントのほとんどに続いて、トレードマークのガッツポーズを見せた。

 ビンチはサービスをキープして5-4としたとき、すでにこれに先立つ対シャラポワ戦2試合(ともに2セットの敗戦)よりも多くのゲームを勝ち取っていた。

 だがシャラポワはふたたびブレークを果たし、フォアハンドのウィナーで2度目のセットポイントをものにすると第1セットを取った。

 第2セットのシャラポワは早い段階でブレークを果たして試合をコントロール下に置くと、次の自分のサービスゲームを3ブレークポイントをしのいだ末にキープした。

 試合の残りを通して彼女は自分のサービスでは2ポイントしか落とさず、ビンチのサービスゲームで試合にケリをつけた。

 シャラポワは4度の出場で3度優勝を遂げているシュツットガルトでの戦績を13勝1敗に伸ばした。

「彼女が戻ってきたのはテニス界にとっていいことよ」とビンチは試合後に言った。「彼女はいいプレーをした。アグレッシブに、そして堅固にプレーをし、サーブもよかった。彼女は勝利に値したと思う」。

 ビンチはまた、こう言い添えた。

「試合前は集中するのが難しかった。言うまでもなく、多くのプレッシャーがあったわ。フェイスブックやインスタグラムを見れば、常にシャラポワービンチ、シャラポワービンチ、初試合、とあるんだもの。私にとっては集中するのが難しかったけど、でも、この機会を楽しむよう努めたわ」

 昨年、シャラポワは禁止薬物メルドニウムで陽性と判定された。彼女の最初の罰則、2年の出場停止処分はスポーツ仲裁裁判所によって15ヵ月に減刑された。同裁判所は、シャラポワはこのケースにおいて重大な間違いを犯したとは言えず、彼女は意図的に薬物を摂取した者とはみなされない、という判決を下している。

 シャラポワはメルドニウムを何年にもわたって摂取していたが、世界アンチドーピング機構がこの薬を2016年1月から禁止薬物のリストに加えたことをうっかり見逃していた。

 この出場停止処分の結果、シャラポワはランキングを落としたが、2012年から2014年に3連覇を遂げているシュツットガルトで彼女はワイルドカードにより本戦にストレートインする権利を与えられた。マドリッド、そしてローマの大会主催者もこの例に倣い、この5月の2大会は彼女にワイルドカードを与える。

 ビンチを含む数人の選手たちは、薬物使用で処罰を受けた選手を大会が招待する決断を批判していた。

 しかしシャラポワは、ほかの人々のコメントについて考えるのは「私の仕事ではない」と言う。

「言葉、コメント、記事は、人生において肝心なことではないわ。私はこのことを過去数年にわたり、非常によく学んだ」とシャラポワ。「記事はすぐに消えてなくなるもの。重要なのはコートの上で起こることなのよ」。

 シャラポワはまた、「私はトロフィーを受け取るためにワイルドカードを得ているのではない。私は試合に勝たなければならず、それが私の仕事よ」と言い添えた。

 水曜日のより早い時間帯に、シャラポワは空のセンターコートで1時間の練習を終えた。彼女の出場停止処分が深夜0時に終わりとなったため、彼女はそれより前には大会の公式施設を使用することが許されず、先週末からシュツットガルトの別のテニスクラブで練習することを余儀なくされていた。

 シャラポワは次のラウンドでエカテリーナ・マカロワ(ロシア)と対戦する。マカロワは火曜日に第7シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)に対して番狂わせを演じていた。

 そのほかの1回戦では、クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)が全豪準決勝進出者のミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)を6-4 6-2で下し、第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に対する2回戦へ駒を進めた。

 第6シードのジョハナ・コンタ(イギリス)は日本の大坂なおみ(日清食品)を7-6(5) 3-6 6-1で下し、カルラ・スアレス ナバロ(スペイン)とエレナ・ベスニナ(ロシア)もまた、次のラウンドに進んだ。

 バーボラ・ストリコバ(チェコ)を6-2 6-3で下したシモナ・ハレプ(ルーマニア)、全仏チャンピオンで第5シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に2-6 7-6(1) 6-1で挽回勝ちしたアネット・コンタベイト(エストニア)は、準々決勝進出を決めた最初の2プレーヤーとなった。(C)AP(テニスマガジン)

Photo: STUTTGART, GERMANY - APRIL 26: Maria Sharapova of Russia celebrates winning match point against Roberta Vinci of Italy during the Porsche Tennis Grand Prix at Porsche Arena on April 26, 2017 in Stuttgart, Germany. (Photo by Adam Pretty/Bongarts/Getty Images)

最終更新:4/27(木) 18:00
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