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木村拓哉、脱“抱かれたい男”!? SMAP解散後初の主演映画が『無限の住人』の理由は…

4/28(金) 7:10配信

dmenu映画

こんなに襟元が汚い木村拓哉、見たことがない! そして、敵にやられっぱなしで血まみれ泥まみれの木村拓哉も見たことがない……! 4月29日公開の映画『無限の住人』(監督:三池崇史、PG-12)からは、“抱かれたい男”のステレオタイプを抜け出そうとするような、木村の攻めの姿勢を感じました。この作品をSMAP解散後初の主演映画に持ってくるとは!

【画像】映画「無限の住人」杉咲花

主人公・万次、そこまで強くない

不死身の体にさせられてしまった侍・万次(まんじ)は、両親を殺され復讐を誓う少女・凜(杉咲花)から、敵討ちの用心棒を依頼される。自分の目の前で惨殺された妹・町の面影を凜に見出した万次は、剣客集団“逸刀流”との死闘に身を投じるのだった――。原作は、沙村広明による同名コミック。

物語のポイントとなるのは、“万次はそこまで強くない”ということ。いや、万次も相当強いんですが、いかんせん逸刀流の剣客たちが怪物級。とくに戸田恵梨香演じる乙橘槇絵の強さといったら……! 戸田にとって今作が初のアクションでしたが、長刀と三節混を組み合わせたような“三節槍”を巧みに操り、家々をダイナミックに破壊しながら万次を追い詰めます。

相手が人並み外れた強さの持ち主となると、万次の武器は“不死身であること”しかありません。ボロボロになりながら、なんとか凜を守り、勝利しようと泥臭くもがきます。そのため上映中は、「こんな木村見たことない!」の連続。強敵から逃げ回ったり、沼にハマって身動きとれなくなったり、腕を斬り落とされたり……。本作においては、木村のパブリックイメージであろう“スマートで完璧な男”のポジションは福士蒼汰演じる逸刀流の統主・天津影久が担っていたと言えるのではないでしょうか。万次は、髪もボサボサだし、着物もボロ布みたいだし、河原の掘っ立て小屋に住んでいるしなー!

“人間・木村拓哉”のデビュー作?

近年は漫画実写化を手がけることが多い三池監督ですが、もともと『殺し屋1』や『オーディション』など暴力描写で世界的に評価されているクリエイター。排泄物や吐しゃ物の描写も多いのが特徴です。『無限の住人』では、さすがにそういった直接的な描写はないものの、三池監督は画面から“汚さ”を隠しません。万次に逸刀流への憎しみを訴える凜が鼻水を垂らしているのもしっかり映します。まず、万次が正気を失った妹から“おはぎ”を差し出され、「それは馬のクソだ」とたしなめるシーンから物語が始まる時点で、「これはただ木村がかっこいいだけの映画じゃないようだ」と頭に叩きつけられます。

万次は間違いなくヒーローなのですが、完璧な存在ではありません。だからこそ、がむしゃらで……。そのもがき苦しむ姿に、月並みかもしれませんが、国民的アイドルではなく“人間・木村拓哉”の姿を見たというのが、素直な感想です。宮崎駿が『風立ちぬ』を世に送り出したとき、「人間・宮崎駿」というキャッチコピーが付けられました。それで言うと、『無限の住人』は、国民的アイドルではなく“人間・木村拓哉”のデビュー作と言えそうです。

(文/原田イチボ@HEW)

最終更新:4/28(金) 7:10
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