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ネットの善意 後押し おにぎり店あす再開 宮城県大崎市・NPO法人 鳴子の米プロジェクト

4/28(金) 7:02配信

日本農業新聞

 宮城県大崎市の中山間地、鳴子温泉地区のNPO法人・鳴子の米プロジェクトは、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを活用し、東日本大震災後、休業していたおにぎり店「むすびや」を29日にオープンさせる。資金難を克服しようと出資を募り、県内外から予想を上回る270万円が集まり、開店にこぎ着けた。ネットをきっかけに生まれた出資者との交流の輪を、今後もさらに強めていく考えだ。

復興の拠点へ

 JR東日本陸羽東線の中山平温泉駅近くの新店舗で22日、開店を祝う式典とイベントを開き、東京都や宮城県内から集まった出資者30人におにぎりを振る舞った。参加者は「作り手と食べる側が集まれるお店を目指してほしい」とエールを送った。

 「多くの人が開店を待っていてくれた。おむすびを通じてたくさんの笑顔をつくり、情報発信の拠点として活用したい」と、法人の上野健夫理事長は意気込む。

 29日に正式にオープンする新店舗には、15席の食事スペースも設けた。米は、宮城県が中山間地向けの品種と位置付ける「ゆきむすび」を法人メンバーの農家が栽培。地元産の青菜や梅干しなどを使った7種類のおにぎり(100~160円)をそろえる。

 法人は震災前まで、おにぎり販売店を運営していたが、震災で店舗が破損。取り壊しが決まった。資金不足と「風評被害」で米販売事業が低迷し、店舗の再開は見送っていた。

 米の売り上げが回復したことを受け、2016年に店舗の再開に着手。新たな場所を探し候補を見つけたが、設備を整えるための経費を試算すると250万円かかることが分かった。自己資金で工面するのが難しく、調達の手立てを探る中、県からクラウドファンディングの紹介を受けた。

160人出資、270万円 クラウドファンディング成果

 3カ月間、出資者を募り、出資額に応じて新米などを贈ったり田植えや稲刈りの交流会に招待したりする特典を用意。最終的に160人が出資し、目標の250万円を上回る270万円を確保できた。

 法人は今後も出資者に、田植えや稲刈りに合わせて開く交流会などへの参加を呼び掛ける。米の生育状況などを伝える会報の発行も視野に入れる。

 法人内の作り手部会の後藤錦信会長は「出資をきっかけに生まれた交流の輪を大事にしたい。食べてくれる人の気持ちを知り、米作りに一層力を入れたい」と話す。

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最終更新:4/28(金) 7:02
日本農業新聞