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杉咲花がキムタクを変えた!? 捨て身の演技が映える『無限の住人』

4/28(金) 12:10配信

dmenu映画

木村拓哉と三池崇史監督の顔合わせで注目の映画『無限の住人』。海外でも人気の同名コミックの実写映画化だが、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、そして市川海老蔵といった主役級の面々が脇を固めていることも話題を呼んでいる。とりわけ見逃せないのが、木村扮する主人公、万次の「相棒」とも言うべき役どころ、凛にキャスティングされた杉咲花の存在だ。

【画像】杉咲花のグッと大人になった姿

杉咲は、昨年、宮沢りえ主演の『湯を沸かすほど熱い愛』で、日本アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞で、助演女優賞を総なめした逸材。ヒロインの妹を演じたドラマ「とと姉ちゃん」や、映画『トイレのピエタ』の演技でかねてから脚光を浴びていたとは言え、一般的には、某CMで“美味しそうに回鍋肉を食べる少女”の方がわかりやすいかもしれない。

無鉄砲と慈愛が共存!杉咲花の豊かな表現

『無限の住人』は、不死身の肉体を与えられ、無限の世界の住人となってしまった侍、万次の物語だが、視点を変えれば、万次に用心棒を依頼する少女、凛が影の主役とも言える。

凛は両親を惨殺した天津影久(福士蒼汰)への仇討ちを果たすべく、万次を雇う。過去の苦い経験から仇討ちの正義に疑問を抱いている万次は最初、それを拒みつつも、凛が、かつて目の前で殺された最愛の妹、町に似ていたことから、依頼を引き受ける。そうして、途方もない殺し合いの旅に出ることになる。

ストーリーは、もはや生きたくもないのに生かされて人生に絶望している万次が、凛を護ろうとすることで己の生命の価値に気づいていくというもの。逆に言えば、凛は万次に、前向きに生きるに値する何かを授けるのだ。

凛は、向こう見ずでありながら決して強くはなく、慈愛に満ちていながら自分勝手に行動するところがある。つまりは、幼さと包容力が共にあるキャラクターだ。杉咲は、凛という少女が、無自覚のまま万次を牽引し、また、彼の傷ついた魂を癒やしていく様を、説得力豊かに表現している。

思わずキムタクも“受け”に…!? 杉咲花の体当たりな演技

万次に護られながら、実は、万次のことを護ってもいる凛。万次は凛を護ることで、凛に救われているという映画全体の構造を成立させているのは、杉咲の一途だからこそ無鉄砲な演技によるところが大きい。

彼女はとにかく思い切りがよい。それが理屈を超えたところで、凛という役の精神性にかたちを与えている。言ってみれば、捨て身の芝居。理由なんかない、だって、こうしたいから。そんな凛の心の叫びが聞こえてくるような杉咲花の力演はそれだけでも、本作の見どころだ。

ドラマ「A LIFE ~愛しき人~」でも木村拓哉は、浅野忠信らのアクの強い演技を受けとめることで、新境地を切り拓いていた。撮影順的には『無限の住人』が先だが、ここでも杉咲の体当たりな芝居をフォローする“受け”に徹することで、従来のイメージを刷新している。言ってみれば、木村拓哉が新章の幕を開けることができたのは、杉咲花と出逢ったからかもしれない。なにはともあれ、『無限の住人』の杉咲花、要チェックである。

(文/相田冬二@アドバンスワークス)

最終更新:4/28(金) 12:10
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