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【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】「わたしは、ダニエル・ブレイク」 怒れる巨匠のこん身作

4/28(金) 20:35配信

沖縄タイムス

 「怒り」という感情を持った時、人はいろいろな方法で闘う。ケン・ローチ監督も怒ったのだろう。心震わす完璧な映画を武器に闘っている。

 主人公は大工のダニエル。仕事中、心臓発作を起こして以降、ドクターストップで働けない。援助を国に申請すると、「手は動くし足も丈夫なら働けますね。就職活動をしてください」と、事務的なやりとりだけで怠け者のように扱われる。不服申し立ての電話をすればアクセス過多でつながるまでに1時間以上。通話料は膨大に膨れ上がる。

 弱者の足元を見るようなシステムとお役所仕事への嫌みを表現する一方で、暮らしに困窮しても隣人を助ける心優しい人々の様子を描き、そんな彼らが少しずつ貧乏にむしばまれていく様子に胸が張り裂けそうになる。

 監督はよわい80。引退を撤回し、命を削って作った1本。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場であす29日から上映予定

最終更新:4/28(金) 20:35
沖縄タイムス