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「内覧会」の歩き方【後編】 新築のここを確認!プロが教える6つのチェックポイント

4/28(金) 6:50配信

SUUMOジャーナル

マイホームの引き渡し前に実施される「内覧会」。完成した建物に問題がないか、施主・買主が自らチェックする最後の機会です。前編では内覧会に向けた心構えや準備についてお伝えしましたが、後編では具体的にどのようなポイントを確認していけばいいのか、 一戸建てとマンション、それぞれ内覧会で気に掛けるべき部分について、住宅診断のプロとして知られる、さくら事務所の川野武士さんに聞きました。

■内覧会で確認しておきたい6つのポイント

まず、一戸建てとマンションに共通する“内覧会で必ず見ておきたいポイント”は以下のとおり。

(1)建物全体のキズと汚れ
「外壁や内装、外構などにストレスを感じるレベルのキズや汚れがないかどうか、実際に生活をすることを想像しながら歩き回りましょう。程度にもよりますが、生活をしてすぐにつくようなキズや汚れであれば、あまり気にしなくてもいいと思います」(川野さん、以下同)

【画像1】コンクリートが凸凹していて、見た目がきれいではない状態(画像提供/さくら事務所)

(2)設計図(間取図)との違いがないか
「設計図どおりに施工されているかを確認します。例えば、扉の開く方向があっているか、コンセント・スイッチの位置、照明器具の位置がズレていないかを図面と見比べながら丁寧に確認していきましょう」

【画像2】照明器具を取り付け忘れている様子。これは見た目にも分かりやすいケースだが、見落とす可能性があるので図面との照らし合わせは必須(画像提供/さくら事務所)

(3)「電気」「ガス」「水道」が問題なく機能するかどうか
「問題なく動作するかどうか、水まわりであれば、吐水・排水をしてみてどこか水漏れがないかどうか、吐水量は気にならないかなど、換気扇などの機器はひと通りスイッチをつけて確認しましょう。水栓からの吐水量は調整もできますので、引渡し前に対処してもらえると安心です」

【画像3】排水がうまくいかずに排水口から水が噴出してしまった事例。不具合とは言い切れないケースもあるそうだが、引越してからこんな状態が続いてしまってはいたたまれない……(画像提供/さくら事務所)

(4)サッシやドアなど建具の開け閉め
「スムーズに開閉できるか、きしんだりガタガタと音がしたりしないかなど、生活をするうえでストレスにならないかも踏まえて確認しましょう」

【画像4】ビスが一部打ち込まれていないドア。こうした不具合が扉の建て付けをすぐに悪くしたり、扉が外れてしまうきっかけになる(画像提供/さくら事務所)

(5)換気口
「外壁の換気口にカバーがついていない、内部のフィルターがないミスもある。外まわりを見るときにあわせて見ておきましょう。また、本体(給気レジスター)が壁にきちんと固定されているかを、フタを取るかまたは開けるかして、レジスターを手で軽く引っ張り確認します」

【画像5】給気レジスターがきちんと固定されていないと、このようにすっぽり抜けてしまう(画像提供/さくら事務所)

(6)天井点検口
「浴室についている天井点検口を開けて、『換気扇のスイッチを入れたときに異音・異臭がしないか』『風を感じないか』などを確認します。また、換気扇をまわして、薄い紙などを吸い込み部分に当てて、きちんと吸気しているかどうか確認しましょう」

【画像6】換気ユニットとダクトの接続部分から排気が漏れており、湿気が天井裏にまわってカビの原因に(画像提供/さくら事務所)

なかには建築の知識がないと気づきにくいこともありますが、これら6つは最低限確認しておきたいポイントとのこと。

「使い勝手が悪いと日々の生活が不自由でストレスになってしまいますし、性能に支障があれば建物の寿命を短くすることにもつながります。また、不具合を放置したままうっかりアフターサービスの期間を過ぎてしまえば、無料の対処が難しくなってしまいます。そうした事態を回避するためにも、できるかぎり不具合がないか、時間をかけて検査していきましょう」

■マンションの共用部&一戸建ての外まわりはここに注意!

次に、マンションと一戸建て、それぞれの確認しておくべき部分についても解説していただきました。

「マンションの場合は、内覧会で確認できるところは原則『専有部分』になります。ただ、室内設備はもちろんのこと、できるだけ共用部分も見ておいたほうがいいですね。とくに自分も日常的に使う部分、バルコニーや廊下などは要チェックです。あとは、玄関前の専用ポーチも重要。気になるキズや汚れはないか、見ておきましょう」

次に一戸建てですが、マンションと大きく異なるのは外まわりのチェック。

「特に気にしないといけないのは、敷地境界がどのようになっているのかです。特に一戸建ての場合は、『敷地境界』がどこなのか目印を入れたりします。よくあるケースでは、敷地境界のライン上にブロックが立てられていたりしますが、敷地境界がブロックのどこにあるのか確認が必要です。

境界がブロックの芯などにある場合、隣地の方と共用物であれば、将来、補修や撤去を勝手にしてしまうとトラブルに発展してしまうことがあるんです。売買契約のときにどうするか決めるのですが、忘れてしまう方もいらっしゃいます。敷地境界が明確になっているかどうか、隣地との共有物がないか、また隣地から木の枝などの越境物がないかどうかは確認しましょう」

【画像7】敷地の境界には必ずこのような目印が置かれている。後々隣家とのトラブルになりかねないので、どこに目印があるか確認しておきたい(写真/PIXTA)

もし、越境物がある場合は、引き渡し前に対処してもらうよう売主に要求することもできるとのこと。また、意外と盲点になるのが「外構」だそうです。

「建物優先で工事を進めたために、内覧会の時点になっても外構が未完成という場合があるんです。ただ、内覧会では建物だけでなく、外構ができているかどうかもしっかり確認したいところ。スケジュールの都合で難しい場合もあるかもしれませんが、できれば外構も完成した後に内覧会を実施していただきたいです。

外構でポイントになるのは、まずインターホンやポストの位置。使い勝手のいいところにあるかどうかを確認しましょう。また、車が停められるスペースがあるかどうか。実際、引越したあとに車を停めたら、道路に飛び出してしまったというトラブルも結構あります。図面上で気づくこと、実物が完成してから見えることは、ちょっと違ってくるので、外まわりも引渡し前にしっかりチェックしたほうがいいですね」

一般的に内覧会の時間は大体30分から1時間程度で設定されています。こうしてみると、確認することが満載なので、2時間ほど時間を取ってもらうよう交渉したほうが良さそうです。また、個人では見落としがちなこともあるので、川野さんのような住宅診断の専門家に内覧会に同行してもらうのも手です。

マンションと一戸建て、重点を置くポイントはそれぞれですが、いずれにしても、ただの見学会にならないように、確認するべき点はしっかり把握しておきましょう。

●取材協力
・さくら事務所

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末吉陽子(やじろべえ)

最終更新:4/28(金) 6:50
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