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防災ヘリ墜落で長野県が愛知県と「応援協定」 埼玉県に続き

THE PAGE 4/29(土) 19:40配信

 先月の墜落事故で唯一の防災ヘリコプターを失った長野県は26日、隣接の愛知県の防災ヘリの応援を受けるための協定を愛知県と締結しました。必要に応じ愛知県に応援を求め、費用は長野県が負担する、などの内容。長野県は3月末に埼玉県と同様の協定を結んでおり支援を受けるための「応援協定」としては2件目。大型連休中の遭難対策などで警視庁のヘリ1機も期間中、県警を支援する予定で、隣接自治体などの応援態勢が固まりつつあります。

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「相互協定」含めて8件目の協定

 長野県はこれまでに新潟、富山、岐阜など近隣6県と「相互」の応援協定を結んでおり、今回のように長野県が応援を受ける「受援態勢」強化の2例と合わせ協定は8件になります。

 愛知県との協定は「愛知県の長野県に対する航空消防防災応援に関する協定」。その目的は長野県の消防防災ヘリ「アルプス」の墜落事故(3月5日)を受けて、ヘリ活動の支援を受ける態勢強化が狙い。協定期間は締結の26日から長野県が消防防災ヘリの運航を再開する日まで。経費は長野県が負担します。

 長野県が応援を求める場合は、電話で連絡するとともに文書の「応援要請書」をファクスで送付。愛知県は出動の条件に関わる「応援制限」として「愛知県の消防防災体制に大きな支障を生じるおそれがなく、関係の一定の条件を満たす場合に長野県に出動できる」としています。

高い標高でのホバリングは行わず

 ただ、自治体によってヘリの運用状況や活動の環境が異なるため、長野県の「アルプス」と同様の活動ができるとは限りません。長野県危機管理部の花岡徹・消防課長によると、山岳県の長野県と異なり愛知県では標高1415メートル以上のホバリング(空中停止)は訓練経験がないため実施しません。このため救難活動などの場合、「愛知県の応援ヘリは標高の低い里山などで活動することになる」(同課長)としています。

 費用負担の内訳は、燃料費、出動時の手当、旅費、日当・宿泊費など。他県の例だと6人が出動してヘリで2時間活動した場合に10~15万円ほどの経費がかかる(同課長)と見ています。

 長野県が3月30日に埼玉県と結んだ「埼玉県による長野県への防災ヘリコプター特別応援協定」は、愛知県との協定とほぼ同じ内容。ただし「応援制限」として、(1)標高2500メートルを超える山岳での救助、(2)航空隊員にアイゼンなどの装備が必要となる災害現場での救助活動、(3)積雪の多い現場における救助活動――についてはいずれも「実施しない」としています。

 全国有数の山岳県・長野県は地形や気流、天候などが特有で、異なる環境で訓練を重ねてきたヘリの活動に一定の制限が加わることになります。

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■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説

最終更新:5/6(土) 6:02

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