ここから本文です

10年後に差が出る富の作り方 知っておきたい「経済の基本」

4/29(土) 18:10配信

ZUU online

本書では、世界経済を読み解くためのキーワードとして、「為替」「物価(デフレとインフレ)」「金利」「株価」「GDP」「BRICs」「商品(コモディティ)」の7つを挙げてそれぞれ説明をします。この7つのキーワードは「基本情報」として押さえておいてください。そのあとは自分の興味に沿って情報を分別し、情報を増やしていっていただければと思います。

(本記事は、菅下清廣氏の著書『10年後に差が出る! 富を作るために「お金」と「経済」を学びなさい』(かんき出版)の中から一部を抜粋・編集しています)

一つ目のキーワードは「為替」です。そもそも「円高」「円安」とはどういうことなのでしょうか。なぜ、円の価値は上がったり下がったりするのでしょうか? その秘密は「需要と供給」の関係にあります。それを理解していただくために、まずは「経済の基本」についてお話しておきましょう。

■為替の仕組みと円高・円安について学ぶ

モノの値段が「上がるか?下がるか?」というのは、基本的に「需要と供給」の関係で決まっています。「需要」、つまり「買いたい人」が多ければ、自動車の値段はあがります。「「供給」、つまり「売りたい人」が多ければ、モノの値段は下がります。このように、モノの値段というのは、基本的に「需給関係」のバランスで決まっているのです。

それでは、「円高」「円安」に話を戻しましょう。簡単に言ってしまうと、円を買う人が売る人より多くなれば「円高」になり、逆に円を売る人が飼う人より多くなれば「円安」になります。ですから、例えば「円ドル相場」で「円高」ということは、米ドルを売って、円を買う人が多い状態ということになります。通貨の相場も、「需給関係」で決まっているのです。

ちなみに、こうした各国の通貨の交換比率を「為替レート」と言い、この取引が行われる場の総称を「外国為替市場」と言います。

経済ニュースを見ると、一貫して「円高になると大変だから、円高対策が必要だ」という論調になっています。円高ということは、外国の通貨に対して、円の価値が上がることです。円を買う人が売る人より多い、つまり、世界中の投資家が円を欲しがっているのです。

円高になると、いったい何が大変なのでしょうか?

結論から言うと、私は1ドル=100円以上の「円安」が理想だと思っています。適度な「円安」のほうが、日本にとってはいいのです。それは、日本は「モノづくりの国家」だからです。日本には天然資源がありません。加えて、食料生産も十分ではありません。

日本は「加工貿易の国」です。他国から輸入したモノを加工し、販売することで稼がなければ、天然資源や食料を輸入することはできません。つまり、モノづくりをして、輸出でしっかり稼がなければ、日本は生きていけないのです。「製造業」こそが、日本の生命線なのです。

一方、円安にはデメリットもあります。例えば、円安になると、円の価値が下がるわけれすから、原材料の輸入価格は高騰する可能性が高まります。たしかに、これは日本経済にとって、マイナスの要素と言えるでしょう。しかし、現在の日本が輸入しているモノは、実は大半が「資源や素材」です。例えば、鉄や銅などを日本は原材料として輸入しているのですが、これらには「国際商品市場」で値段がついています。これはつまり、為替レートがいくらになろうと、輸入価格にはあまり関係がないということです。

主に「資源や素材」を輸入している日本の輸入構造から言えば、為替レートがいくらになろうが、原材料の輸入価格には、「資材や素材」そのものの値段の動きの方が関係があるのです。

円高のメリットは曖昧ですが、円安には明らかにメリットがあります。現在の為替レートは80円前後で推移していますが、仮に為替レートが1ドル=160円になったら、どうなるでしょうか?もし、条件が同じであれば、日本の輸入企業の売り上げは、何もしなくても倍増することになります。つまり、日本の輸出産業は、めちゃくちゃ儲かることになるのです。

もちろん、先ほどお話ししたように、円安になれば、原材料の輸入コストも上がる可能性があるでしょう。しかし、仮に輸入コストが高くなったとしても、日本の企業は高い加工技術を持っていますから、その分のコストを上乗せして販売することも可能です。もしも為替が1ドル=160円の「円安」になったら、世界の中で、日本は一人勝ちの状態になります。

■チャートで未来の為替レートを予想する

「チャート」とは、過去の為替レートや株価の推移を記録し、図に示したものです。チャートの見方にはコツがあります。基本的にチャートは、短期(2~3週間から2~3カ月)、中期(数カ月から1年くらい)、長期(1年以上~2、3年先)に分けて見ていかなければなりません。しかし、短期、中期、長期に分けて、それぞれを分析していくためには、それなりの知識が必要になります。ですから、もしもあなたが初心者であれば、まずは短期と中・長期、2つに分けてチャートを見ることを、私はオススメします。

「チャートは過去の統計であって、それを勉強したからといって、未来予測に本当に役立つのだろうか?」と思う読者の方も多いのではないかと思います。チャートは「歴史の勉強」と同じで、深く学ぶと、その中から1つの循環、波動やトレンドといったものを見つけ出すことができるようになります。よく、「歴史は繰り返す」と言われますが、チャートも同じです。だからこそ、チャートは現状分析だけでなく、未来予測にも役立つのです。

私は最低でも1日に20~30枚のチャートをチェックするようにしています。初心者の方に、そこまで要求をするのは酷かもしれませんが、例えば「日経平均株価」だけでも、「円ドル」だけでもいいので、毎日こまめにチェックするようにすると、徐々にその変化を感じ取れるようになるでしょう。

大切なのは、流れが変化した時に、いったい何があったのかを自分なりに考え、分析することです。その積み重ねがあれば、あなたもチャートから未来を正確に予測できるようになるはずです。

■物価(デフレとインフレ)のメリット・デメリット

では、2つ目のキーワードである物価のうち、まず「デフレ」について解説しましょう。まず、デフレとは何でしょうか?デフレの定義は「物価が下がり続ける状態」です。つまり、モノを買う人よりも、売る人のほうが多い状態です。「供給過多」と言い換えることもできるでしょう。また、支店を変えれば「買う人が少ない」と見ることもできます。これは言い方を変えれば、「需要過少」です。つまり、「供給過多」「需要過少」の状態が、「デフレ」なのです。

デフレは、モノを買う人よりも売る人のほうが多い、つまり、モノが余っているわけですから、当然、モノの価値が下がります。言い換えれば、モノよりも、お金の価値が上がるのです。

デフレはモノの価値が下がるので、消費者の側から見れば、「モノを買いやすくなる」といううれしい面もあります。しかし、商品の価格がどんどん下がるということは、裏を返せば、商品を作っている人の儲けが少なくなるということです。

利益が少なくなってしまうと、会社はどういう行動に出るでしょうか?まずは、従業員の給料を減らします。それでも会社の経営状態が良くならなければ、リストラなどで、従業員の数を減らすしかありません。最悪の場合は倒産ということもあるでしょう。給料が下がり、失業率が高くなれば、人々は「将来に備えて、あまりお金を使わないでおこう」と考えるようになるでしょう。すると、ますます商品が売れなくなり、デフレが深刻化することになります。

このようにデフレが、さらに新たなデフレを生むような悪循環に陥ることを「デフレスパイラル」と言います。現在の日本は、まさにこの「デフレスパイラル」に陥っている状態なのです。

反対に、物価が上がり続ける状態のことを「インフレ」と言います。インフレでは、モノの価値が上がり続け、値段がどんどん上がっていきます。モノの価値が上がると、モノを買う人、つまり消費者にとっては少し困ることになります。逆に、商品を売っている会社は、どうなるでしょうか?

どんどん儲かります。儲かった分、会社は従業員の給料や、ボーナスを上げたりすることでしょう。すると多少、モノの値段が上がったとしても、所得が上がっているわけですから、人々はどんどんモノを買うようになります。このように良い循環になって、景気もどんどん良くなる。これが「インフレ」です。

ではインフレに欠点はないのでしょうか?実は、インフレが過熱しすぎると、消費者にとっては困った事態になります。例えばインフレが進むと、生活必需品の値段がどんどん上がります。極端な話、例えば、あんパン1個が、昨日は100円だったのに、今日は200円になってしまうという事態が起こりうるのです。

ものすごいスピードでインフレが進むことを「ハイパーインフレ」と言います。一気に物価高が進めば、本当にごく一部のお金持ちしか生活ができないという事態にもなりかねません。

■理想は適度なインフレ デフレはいつ終わるのか

経済にとって好ましいのは「適度なインフレ」です。なぜなら、先ほど説明をしたとおり、モノの値段が上がらないと、景気が良くならないからです。

問題は、「いつ、デフレが終わるのか」でしょう。デフレが終わり、景気が良くなれば、日本の株価は必ず上がります。もし、あなたが株式投資をするならば、人より早く「デフレ終結のサイン」を読み取り、投資を始めなければ勝てません。

現在、私が感じ取っている「デフレ脱却」のサインについて、少し解説をしておきましょう。実は、私は今までの著書の中で「REIT(リート)を買いなさい」と推奨して生きています。「REIT」とは、いったい何でしょうか?

これは「Real Estate Investment TRUST」の着で、投資家から集めた資金で不動産を購入し、その不動産から得られる家賃収入を投資家に分配するというしくみになっています。

「REIT」は2012年の初めから現在まで、実は2割以上、価格が上がっています。「REIT」の価格が上昇しているということは、「不動産は将来、値上がりするだろう」と思い始めている人が、だいぶ増えてきているということなのです。これは、脱デフレのサインが出たと言っても過言ではありません。

菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント、投資家。立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。

最終更新:4/29(土) 18:10
ZUU online