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光明(株)=パラグアイ移転で大統領出席=戦後移民創立の照明会社=「今後はラ米にも製品広げる」

4/29(土) 5:29配信

ニッケイ新聞

 戦後の子供移民である阿部恭三さん(73、山口県)が設立したサンパウロ州の照明機器メーカー「イタイン・イルミナソン」(アルド・ベニテス・カブレラ社長)が、パラグアイ東部のアルト・パラナ県シウダー・デル・エステ市に本社を移転し、社名も「Koumei S.A.(光明株式会社)」に変更した。3月23日午前に開所式が行われ、式典にはパラグアイのオラシオ・カルテス大統領、グスタヴォ・レイテ商工大臣も出席した。

 阿部恭三さんは親に連れられて11歳で移住。ブラジル国パラー州モンテ・アレグレ移住地で2年ほど豆と米作に携わり、1957年にサンパウロ州に移った。父の洗濯屋の閉業と同時に兄がやっていた照明の組み立て・設置の仕事を「イタイン・イルミナソン」としてはじめた。
 65年3月23日の設立以来、照明機器の製造や設置などを行っている。パラグアイ本社移転をもってイタイン社工場は閉所され、同事務所はブラジル営業部となる。

 式典中、カブレラ社長は「私達はパラグアイで初めて、国内の労働力で最高品質の製品を生む照明機器メーカーである」と宣言した。
 2013年から同国への移転について調査を始め、2015年8月に移転を決定していた。阿部さんは「低い税金、豊かな労働力などが移転の理由」と説明する。
 レイテ商工大臣は会社の移転に対し、「ブラジルの有力メーカーが我が国の競争力を引き上げに来てくれたことを祝いたい」と歓迎した。
 開所式で披露された工場の面積は約7600平方メートル、最新の科学技術が搭載されたレーザーブレードなどの機械も設置され、月に3万5千~7万の製品の生産が可能だ。社員は約120人。
 式典後に行われた工場内見学にはカルテス大統領らも参加した。見学中に県内で停電が起き、見学者の携帯電話の明かりが照明代わりになるハプニングもあった。
 現在同社の相談役を務める阿部さんは、「ガレージではじめた会社が外国の大きな工場になった」と同社の移転を喜んだ。また工場整備について「工場のレーザーブレードはパ国内に2台しかない。照明機器の会社でこれほどの工場を持つ会社もほかにない」と太鼓判を押した。
 今後の目標については「売り上げが伸びるまでは気を引き締なければならない。パ国は支払う税金が少なく、若い労働力も豊富。今後は南米からラ米地域にも製品を広げていきたい」と語った。

最終更新:4/29(土) 5:29
ニッケイ新聞