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東大卒の人気哲学者が教える最強の<勉強>法とは?

4/29(土) 9:20配信

BuzzFeed Japan

誰しも一度は勉強ができる自分を想像したことがあるのではないだろうか。でも、現実は厳しい……とあきらめてはいけない。<勉強>ができるようになるポイントを、気鋭の哲学者に伝授してくれるという。【BuzzFeed Japan / 石戸諭】

<勉強>ができるとは?

『勉強の哲学』(文藝春秋)という本がある。筆者は東京大学を卒業し、パリ第10大学に留学した経験もある千葉雅也・立命館大学大学院准教授である。

なんとも勉強ができそうな経歴をもつ、1978年生まれの若手哲学者だ。専門はフランス現代思想。

2013年に発表したデビュー作『動きすぎてはいけない』(河出書房新社)は論壇の話題をさらった。SNS全盛の時代に「もっと動けばよくなる」とか「つながること」よりも、<切断>の重要性を論じた鮮烈な一冊だった。

ところで、今回の問題は<勉強>であった。

<勉強>ができるとはどういうことなんだろう。千葉さんはこう話す。

「<勉強>ができる、とは新しい言葉を獲得することであり、それによって自分が<変化>すること」

「これまでの自分には見えない問題が見えるようになって、考えていくことなのです」

えっ、テストで良い点が取れるとか、有名大学に行けるとか、そういうことではないんですか?

「いやいや、それは結果です。<勉強>ができることとは、問題を立てるということなんですよ」

具体例でわかる<勉強>

具体的な事例で考えてみよう。こんな例題を作ってみた。

《働いてみると、「成功の秘訣」とか「~~する力」「~~な生き方」みたいな本が大量にでていることに気がついた。書いてあることは意外と普通だ。なんでみんな買うんだろう?》

千葉さんも自己啓発本について<勉強>を深めたという。こう語る。

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今回の本の書き方の参考にしようと思って『~~の学び方』的ものからはじまって、自己啓発本を読み漁っていました。

そこに書かれていることってどれも「当たり前」のことなんですよね。

早起きは得をするとか、完璧を求めすぎないとかですね。一体、なんで当たり前のことばかり書いているのかを考える。

これは、僕がこれまで勉強してきた領域でいうと、精神分析で論じられていることと近いのではないか、と気がつきました。

人は一人ではわかっていてもできないことが多いから、誰かに肯定を求める。

例えば、親や教師が「これをしなさい」と言うとき、本人もやらないといけないことはわかっている。

人は誰でも悩みに対して、自分で答えを持っているんですね。だけど、一人ではどうも心もとない。

だから、自分の答えと同じことを他者に言ってほしいんです。それもはっきりと言ってほしい。

自己啓発本を読んで気分を高めるというのは、誰かに肯定してくれってことなので、当たり前のことが書いてあれば書いてあるほどいい。それが僕の勉強した結果です。

では、なぜこの社会にここまで自分を肯定してほしい人が多いのか?働き方や労働環境の問題があるかもしれない。

そうすると、次は経済学の本を読んで……と世界が広がるわけです。

頭のいい人たちは「当たり前のことしか書いていないものを読んで」と自己啓発本を馬鹿にするかもしれませんが、僕からすると、そんな見方こそ勉強が足りない。

この勉強をしたことで、ラカン(※フランスの有名な精神分析家)も自己啓発本も、同じように楽しめるようになりました。

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最終更新:4/29(土) 9:20
BuzzFeed Japan