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「君の名は。」で再ブーム! いま「プラネタリウム」が面白い!

4/29(土) 11:30配信

TOKYO FM+

デートスポットとしても人気のプラネタリウム。暗闇の中で映し出される美しい星空や、流れてくるロマンチックな音楽は雰囲気満点。しかも最近は、映画「君の名は。」や「ラ・ラ・ランド」の影響もあって、ちょっとしたブームなのだとか。今回はそんな「プラネタリウム」の魅力や最新情報を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えてもらいました!

◆「最新の映像もレトロな雰囲気も楽しいものです」
~国立天文台副台長 渡部潤一さん

── 国立天文台にもプラネタリウムが?

はい、「4D2Uドームシアター」と言いまして、特殊なメガネで立体視できるプラネタリウムがあります。いわゆる3D映像ですが、丸いドームで立体視を実現するのはとても難しいんです。そこで国立天文台がメーカーと共同で研究して、全国の丸いドームで立体視を可能にする技術を開発しました。

現在、国立天文台では月に数回、無料でこのプラネタリウムを公開していますので、ぜひ公式サイトからお申し込みください(申し込み多数の場合は抽選です)。立体視というのはスゴいもので、没入感がまったく違います。まるで自分が宇宙を旅行しているような感覚で、子どもが思わず星に手を伸ばしている光景も見られます。

── プラネタリウムも新しくなっているんですね。

昔ながらのプラネタリウムは丸いボールに小さな穴を開けて、その穴から中の電球の光を投影する光学式の機械でした。それに対して最新のデジタル式プラネタリウムはプロジェクタでコンピュータのデータを投影します。実は現在の技術ではデジタル式はまだ光学式の解像度に追いついていないので、シャープで美しい星空が楽しめるのは光学式のほうです。でも宇宙に飛び出していくような映像の柔軟性に関してはデジタル式のほうが圧倒的に優れています。そこで最近のプラネタリウムはハイブリッドといって両方を備え、映像によって切り替えながら使っているところが増えています。

── 渡部先生おすすめのプラネタリウムはありますか?

最近、プラネタリウム・ファンの間では「プラ“レア”リウム33箇所巡り」が流行っています。これは全国のレアなプラネタリウムを巡るスタンプラリーのようなもので、私もつい始めてしまったのですが、33箇所というのは本当に大変ですね。中には公共交通機関で行けないプラネタリウムもあります。私はクルマで行きましたが、人によってはバス停から2時間歩いたんだそうです。

私のおすすめは、関東近郊なら最近リニューアルした「かわさき宙と緑の科学館」です。「銚子市青少年文化会館」は週末だけの公開ですが、とてもレトロな雰囲気を楽しめます。変わり種としては、お寺の境内でお坊さんの解説が聞ける立石の「プラネターリアム銀河座」も人気です。さらに東京海洋大学には国内最古と言われるプラネタリウム。船乗りが星の勉強をするための施設ですが、学園祭で一般公開されると33箇所巡りをしているファンが押し寄せます。


◆「本物の星空により近いプラネタリウム」
~プラネタリウム・クリエーター 大平貴之さん

── プラネタリウムによって性能が違うんですか?

私が開発した「MEGASTAR(メガスター)」は今までのプラネタリウムよりもはるかに多くの星を映し出せるのが特徴です。今までは山奥で見える星空、約6000個の星を映すのが一般的でした。それがMEGASTARは11等星まで、数にして100万個以上の星を映し出します。「100万」という意味でMEGAと名付けました。

暗い星まで忠実に映すと夜空に深みが出ます。今までのプラネタリウムが本物の夜空と較べてどこか物足りなかったのは、その肉眼では見分けられない暗い星がカットされているせいではないかと考えたんです。1個1個は見分けられない暗い星でも、たくさん集まれば全体的な明るさになりますから。特にそれがわかりやすいのが天の川ですね。

── どうやってMEGASTARを開発したんですか?

基本的な構造は従来のプラネタリウムとほとんど変わりません。ただ穴をたくさん開けただけです。肉眼で見える星の数は多くても9000個と言われます。だから1920年代に発明されて以降、プラネタリウムは星の数を増やす方向ではなく、光源を強くしたり機械を小型化する方向に進化してきました。その発想を転換してMEGASTARを完成させたのは1998年です。

実際にMEGASTARが使用されている施設でしたら、たとえば「かわさき宙と緑の科学館」が一番大型です。その他、国内外あわせて約20箇所でMEGASTARが使われています。最近は海外での導入が増えていますが、「肉眼では見えない星を映す」というのは欧米人の発想になかったようです。そこは日本人的な感覚だったのかもしれません。

── MEGASTARの星空をちょっと見せていただけないでしょうか?

せっかくお越しいただいたので、この部屋でデモ機を使ってご覧いただきましょう。MEGASTARの電源を入れて、部屋の灯りを消すと……部屋一面に星空が映し出されていますね。この状態だと肉眼で見えている星の数は数万個でしょう。しかし双眼鏡を使って天井や壁をアップで見れば、もっとたくさんの星が見えてきます。

星空には気分が上がる不思議な力があります。どれがどの星かなんてわからなくても、ただ部屋に映し出された星空を見ているだけで高揚してくるのを感じていただければと。ちなみに今は南極の星空を映し出しています。そんななかなか見る機会のない星空もプラネタリウムなら再現できます。


◆「プラネタリウムが賑やかでも良いじゃない!?」
~星のお兄さん、プラネタリウム解説員 田端英樹さん

── 田端さんの解説は普通じゃないんですか?

プラネタリウムといえば、静かに解説が流れて、ロマンチックな雰囲気で……というイメージだと思いますが、僕は違います。たとえば最初に「これからドームに満天の星を映し出しますので、皆さんいったん目を閉じてください」と僕が言います。そしてお客さんに目を閉じてもらった後、僕が「どうぞ目を開けてください」と言ったら、ドームいっぱいに「満天の星」という文字が出ていたり。こんな掴みから入るプラネタリウムの解説を僕はやっています。

普通、プラネタリウムで子どもたちは「静かにしなさい」と言われますが、僕の解説は静かに聞くと怒られます。あるときも3歳くらいの小さな子どもたちが200人くらいの団体でプラネタリウムへ来たので、僕はおおぐま座の解説で子どもたちに「この動物は何かな?」と問いかけて、200人の子どもたちに「くましゃーん!」と答えてもらいました。そんな賑やかな解説を僕はしています。ただ、そのときは子どもたちが英語を習っていると聞いたので「じゃあ、くましゃんは英語で何て言うのかな?」と続けたら、200人が一斉に「Bear」と本格的な発音で答えたのにはビックリしましたが。

── 田端さんはどこで解説されているんですか?

僕は47都道府県のプラネタリウムを回って解説しています。プラネタリウム以外にも、普通の会議室で平面にパソコン画面を映して星座解説をすることもありますし、学校の体育館でスクリーンを使えば全校生徒にまとめて聞いてもらうことも可能です。1200人くらい入るコンサートホールでやったこともありますが、人数の多いほうが盛り上がる部分もありますね。

長野県の阿智村は「日本一星が美しい村」と呼ばれていますが、ここのスキー場を利用して天然の星を見ながら2000人に解説したこともあります。皆さん、ゴンドラで山の上に移動するのですが、ナイターの照明を消した瞬間にドーンと広がった天の川は圧巻でした。3kmくらい飛ぶ強力なレーザーポインタで「あの星が」と指せば、2000人いてもちゃんとわかります。

将来はゴーグルをかけて星空を見上げれば、本物の夜空に星座の絵を重ねてくれるようなVR技術も研究が進んでいるようです。でもやっぱりプラネタリウムの丸いドームに入った瞬間の高揚感も捨てがたいと思います。そしてあの真っ暗な空間で星空を見上げて解説に耳を傾ける非日常の体験を、ぜひ楽しんでください。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」4月22日放送より)

最終更新:4/29(土) 11:30
TOKYO FM+

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