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ゴールデンウイークに読みたい「プログラミング関連の書籍」3選

4/30(日) 10:40配信

ZUU online

GWを前にして、日頃はなかなか読めない本を読もうかと考えている読者も多い事だろう。ITコンサルタントという立場から、今回はプログラミングに関連した入門書を3冊紹介しよう(価格は紙版、税込み)。

■外資系金融機関を経てNPO立ち上げた著者による名著

『外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方』
(慎泰俊著、東洋経済新報社、1944円)

Microsoft Excelは、オフィスでPCを使っている以上は必ず、誰でも触ったことがあるプログラムの一つと言える。そのExcelを駆使すると「神Excel」と呼ばれるレイアウトのワークシートさえ作れる。しかし「神Excel」のデータが全く流用できなくなる、などの問題も出ている。

そのような日本特有の「神Excel」が、国際的な舞台ではまったく通用しないということを紹介すると共に、著者がモルガン・スタンレー・キャピタルで用いてきた手法を用いることにより、どのようにExcelを使った表を見せれば国際的に通用するのかを紹介している。

罫線を多用した表は、日本でも海外でも通用し、もちろん見やすい表が受け入れられやすく、そこに示してある内容も受け入れられやすいのは万国共通である。しかし求められる表現は、日本と海外とでは全く違うものであると解説している。

後半では、著者の経験から来る財務モデルの組み方を紹介している。ただし財務分析のモデルは、業種や部署によって大きく変わる部分もあるため、考え方の参考にするという所までにとどめて捉える方が良いだろう。

実際に本書を見てみると、その手法というものに目新しいものはあまり無く、驚くような内容とは言い難い。しかし全くそれらの手法を知らない人には斬新な内容であり、ショートカットキーを多用して作業効率を極限まで高めるということを目的にしている紹介内容には、なるほどと思わせる部分も多い。

■ソースコードの部分は読み飛ばしても面白く読める

『プログラマ脳を鍛える数学パズル シンプルで高速なコードが書けるようになる70問』
(増井敏克著、翔泳社、2786円)

基本的にRubyとJavaScriptに関する内容を追う形で書かれているが、ごく基礎の部分のRubyがわかっていれば読み進めていける内容となっている。まったくRubyやJavaScriptが分からない、あるいは他の言語に関しての知識はあるという人でも、プログラムがどのように構成されているのかを理解することも可能である。

最大の特徴は、タイトルにもある通りパズルを解くという手法を紹介することにより、プログラムの効率的な組み方を紹介している点である。

まずパズルという形での問題提起があり、それに関して「どのようにゴールから逆算して考えるべきか」などの手法をヒントとして提示する。そしてRubyとJavaScriptによる回答例が、ソースコードとして紹介されるという流れ。

読み進めると、考え方として「数学的な問題に関してプログラミングの手法を用いて解いていく」というスタンスで一貫しているため、理論構築の部分(ヒントが与えられる部分)だけを読み進めていても結構面白い。

私は、JavaScriptは分かるがRubyはそれほどでもない。その立場からすれば、提示される回答が実際に使えるコードなのかと言われると、実践で使えるようなものはほとんどないと思うが、考え方をシンプルにまとめるという手法はとてもユニークな点であるとも感じた。

■これからプログラミングを学びたい人は必読

『プログラムはこうして作られる プログラマの頭の中をのぞいてみよう』
(平山尚=株式会社セガ=著、秀和システム、1944円)

テトリスという誰でも知っているゲームと、簡単な描画ツールを実際にプログラミングすることにより、実際にプログラムがモノとして完成されるまでを解説している。

最も特徴的な部分は、この本の著者が九州大学の講義で使うために開発した「Sunaba」という学習用プログラムを用いている点である。学習用のプログラムとしてはScratchなどが挙げられるが、Sunabaは「日本語で表記されたC言語」という印象があり、オブジェクト指向とは何か?という部分を学ぶには、かなり有益な言語であると感じた。

このSunabaを著者が自分で使い、描画ソフトを使って絵を描くという事や、テトリスを作るという作業において、「どう考えてどう組み、作られたものをどう使ってプログラムとして完成させるか」という過程を、実況中継のようにすべて記述してある。

私が知る限り、このような形でプログラムを組む「説明書」のような記述方法を取っている類似の本は存在しないので、その意味でも強烈に印象に残る一冊である。この本の著者は「どうしてプログラミングが難しいと言われるのだろうか、そのためには新しい教育用言語が必要である」と考えており、この本を執筆する強烈なモチベーションになっているのだろうと思わせる。

これからプログラミングを勉強したいのだけどと考える方には、まず読んで欲しい一冊と言える。

プログラム言語の習得そのものには時間がかかるが、これらの本で考え方を学ぶというのは、効率的な思考方法とは何かを考える意味でも有用ではないだろうか。(信濃兼好、メガリスITアライアンス ITコンサルタント)

最終更新:4/30(日) 10:40
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