ここから本文です

イランを好きですか?[大村一朗]~テヘラン、8年の家族滞在記~61 最後の断食月ラマザーン(上)

4/30(日) 13:17配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆断食初日

8月2日午前4時起床。今日から30日間にわたるイスラムの断食月ラマザーンが始まる。日の出から日没まで一切の飲食を控え、善行に勤しみ、貧しい人の苦しみを知り、自らの心を鍛え、精神性を高める一カ月だ。

外はまだ真っ暗で、周囲のアパートの明かりが幾つか灯っているのが見える。夜明けのアザーン・礼拝の呼びかけが始まるまで、あと30分。今日の断食に備えて、皆、早い朝食を取るのだ。

断食に初めて挑戦したのは7年前。イランで暮らし始めて最初に訪れたラマザーンだった。イラン人と断食の苦楽を共にしようと思い立って始めたが、1週間でリタイヤした。あの日、店の奥や車の中、至るところで隠れて昼食を取っている人々の姿を目にし、馬鹿らしくなってやめてしまった。それ以来、異教徒の自分にとってラマザーン月は、ただでさえ規制の厳しいこの国で、外での飲食まで控えなければならないという、腹立たしい月でしかなかった。

だが、イラン生活も残りわずかとなった今、やり残したことの一つとして、リタイヤしたままの断食に再度挑戦してみたいと思った。この月がコーランの下された神聖な月だとか、この月の善行が普段の善行の何倍にもなるとか、イスラム教徒の団結を促す月だとか、そんなことを抜きにしても、断食月は多くの普遍的な意味を持つ。それに何より、最期までやり通してみて初めて分かることもあるだろう。本文:5,300文字 この記事の続きをお読みいただくには、アジアプレス・ネットワークの購入が必要です。

  • 通常価格:
    288円/月(初月無料)
  • 会員価格会員価格:
    258円/月(初月無料)

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上、ご購入ください。

Yahoo!プレミアム会員登録はこちら(月額498円)

アジアプレス・ネットワーク