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永守流、増やす減らすは大胆に

4/30(日) 10:57配信

ニュースイッチ

日本電産、M&Aの一方、工場はスリム化

 日本電産は生産の合理化・自動化を進めることで、中国など新興国の工場で働く従業員を現在の約8万人から、2020年までに約半分の4万人程度に減らす。25日の記者会見で永守重信会長兼社長が方針を示した。固定費を減らした上で設備投資や研究開発費を強化。「人材の構成を大幅に変え、モーター単体からソリューションビジネスに変える」(永守会長)として、20年までに営業利益率15%を目指す。

 すでに同社では合理化・自動化で中国、タイ、メキシコなどの海外工場の従業員数を、15―16年の2年間で2万5000人減らしている。部品の内製化なども進め、売上原価を削減。一方で設備投資や研究開発費を強化、18年3月期までに研究開発費を1000億円増やし、技術系人材を1000人採用する。

 一方、ドイツの家庭・商業用冷蔵庫向けコンプレッサーメーカー「セコップグループ」も買収する。買収金額は1億8500万ユーロ(約220億円)。日本電産の高効率モーター技術と組み合わせ、冷蔵庫向けコンプレッサー事業に本格参入する。6月末に手続きを完了する予定。

 セコップはデンマークのダンフォスグループの子会社として設立し、2010年に独オーレリアスに買収された。エネルギー効率が高いコンプレッサーを強みとしており、家庭・商業用冷蔵庫向けに展開し高い実績を有している。16年12月期の売上高は3億5660万ユーロ(約425億円)。従業員は約2000人。

 日本電産はオーレリアスから株式を取得。セコップの持ち株会社と、スロバキアや中国、米国のセコップ子会社を傘下に収める。今回の買収により、冷媒を圧縮するコンプレッサーを初めて手がけることになる。年間1億7000万台規模と言われる冷蔵庫向けコンプレッサー市場に参入し、省エネ家電向け事業を強化していく構え。

 同社は今まで買収してきた企業を軸にして、家電産業事業本部の傘下にグローバルアプライアンス部門を設置。欧州・中国・メキシコを拠点にして、洗濯機や乾燥機など水回りの家電向けのモーターを中心に開発販売していた。

 決算発表の日、53件目となるM&Aを発表したかと思えば、会見では海外工場の従業員削減も打ち出す。2020年度の2兆円という目標が現実味を増す中、経営のスピード感がますます高まっている。

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最終更新:4/30(日) 10:57
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