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バルセロナを賑わした杉田に現地ファンも注目 [男子テニス]

4/30(日) 20:00配信

THE TENNIS DAILY

 スペイン・バルセロナで開催されている「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/4月24~30日/賞金総額232万4905ユーロ/クレーコート)のシングルス準々決勝で、世界9位のドミニク・ティーム(オーストリア)に敗れはしたものの、日本の杉田祐一(三菱電機)は、錦織圭(日清食品)の成功以来、かなり親日家となったバルセロナで、小さな旋風を巻き起こした。

「今が勝負のとき」と杉田、ティームに完敗するも掴んだ足掛かり [バルセロナ・オープン・バンコサバデル]

 対リシャール・ガスケ(フランス)戦の終盤の杉田が見せた、苦境にも負けずリスクを恐れず攻める姿勢に、最初は有名なガスケの試合ということで、たまたまこの対戦を見ていた感のあった地元バルセロナの観客たちが、にわかに興奮し始めた。

 最初は、杉田がフォアの強打でウィナーを奪った際に、不在のスターを思い出したらしいファンから「ニシコリ!」などという声も出ていたが、杉田が勢いを上げるにつれ、それははっきりとした「スギタ!」コールに変わる。

 第3セット4-4から互いにブレークし合ってのタイブレークという超エキサイティングな展開のせいもあって、観客は大興奮。試合後には多くの子供たちがボールとペンを手に押し寄せ、「スギタ、スギタ!」と憶えたばかりの名を叫びながらサインを求めた。

「たくさんスギタって声が聞こえ、子供たちがすごくサポートしてくれていた。スペインには情熱的な人たちが多いので、僕も自分で盛り上げて、こっちの現地の方も味方につけられればというふうに思っていたが、僕のプレーが子供たちの心にフィットしたのかも」

 杉田は試合後、思いがけない新しいファンの登場について、笑顔でこう言った。

 目当ての選手がいなくても、観た試合でいいと思ったほうの選手を応援すると決め、惜しみなく声を上げるのが欧州流。つまり、いい戦いを見せれば急造のファンができるのだ。

 こうして一躍注目選手になった杉田は、地元のパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)をも撃破。新聞の形で毎日発行される大会プログラム『DIARIO del TORNEO』には、「よりアグレッシブにいく方法を選んだ。それが結果を生み始めている」と表紙上の見出し付きで、杉田の独占インタビューが掲載された。

 インタビューでは、3マッチポイントを逃しながらも気持ちを切らさずタイブレークで勝った対ガスケ戦、準々決勝に進出した初のラッキールーザー(予選決勝で負けながら、欠場者が出たせいで本戦出場を決めること)となったこと、バルセロナの看板スターのひとりでもある錦織との関係、また今回の快進撃についてなど、様々なことが語られた。

 バルセロナの準々決勝に進出した初のラッキールーザーとして、大会のヒストリーメーカーにもなった杉田。よい成績だけでなく、よい記憶を、バルセロナの人々の心に残した。なお、ATP全体を見れば、昨年、今や世界14位となったルカ・プイユ(フランス)が、マドリッド(ATP1000)でラッキールーザーながらベスト8に進出している。

 ちなみにバルセロナの会場では今年から、寿司に加え、お好み焼きや焼きそばを売る売店も登場。中でも鰹節までかかったお好み焼きは、なかなかの味と評判だ。

(テニスマガジン/Tennis Magazine)

最終更新:4/30(日) 20:00
THE TENNIS DAILY