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東芝メモリを狙う韓国・SKハイニックス 東芝「確保」のためグループ会長来日

5/1(月) 6:10配信

ZUU online

東芝が分社化した半導体新会社・東芝メモリの買収に向け陣頭指揮を取るため、韓国大手財閥SKグループの崔泰源会長が4月24日、日本を訪問した。崔会長は朴槿恵前大統領を巡る疑惑にからんで、検察から出国禁止措置を受けていたが、18日に措置が解除されるとすぐに東芝メモリの買収に動き出した。

■東芝メモリを狙うSKハイニックス

SKはサムスン、現代に次ぐ韓国第3位の財閥企業で石油業や通信事業を主軸としている。半導体メーカーのハイニックスは2001年に経営が破綻し、債権金融機関の共同管理下に入っていたが、2012年3月からSKテレコムの傘下に加わっている。

SKハイニックス社の主力製品はDRAMメモリで、2016年第4四半期の世界シェアは26.7%とサムスンに次ぐ第2位。2017年1~3月期の売上は前年同期比72%増の6兆2895億ウォン(約6086億円)に達し、営業利益は前年同期比339.2%増の2兆4676億ウォンで、売上、営業利益、当期純利益とも四半期ベースで過去最高を記録した。当期純利益は1兆8987億ウォンで、SKグループの中心企業の一つに成長した。

順調なSKハイニックスだが、DRAMメモリが売上の70%以上を占めており、成長が見込まれるNAND型の世界シェアは5位にとどまっている。グループの崔会長が出国禁止の解除と同時に訪日したことからSKグループがNAND市場第2位の東芝の買収を最重要視していると韓国メディア各社は伝えている。

■パートナーを物色?

SKハイニックスは、東芝メモリ買収で米国系私募ファンド運用会社のベインキャピタルと提携した。2017年3月に行われた予備入札で、SKハイニックスは買収価格2兆円を提示したが、台湾の鴻海(ホンハイ)は3兆円を提示したと報じられている。買収の「実弾」を確保するために複数のファンドに接触し、日本への積極的な投資を行っているベインキャピタルと共同で参加したのだ。

東芝の半導体技術を買収したいSKハイニックスに立ちふさがる要素は資金だけではない。技術の海外流出や雇用維持の懸念が大きい。ベインキャピタルは、日本の大手金融機関と協力してすかいらーくや日本ドミノピザ、日本風力開発、ベルシステムなど積極的に日本への投資を行っており、日本人投資家を引き込むのに有利と判断した。しかし日本国内の懸念に対応するため、今回の訪日で日本の投資ファンドとの協力も模索するという観測がある。私募ファンドもSKハイニックスのような戦略的投資家と組まなければ買収は難しいとし、パートナーを物色している。

中央日報は、SKグループ関係者の話として、崔泰源SKグループ会長が今回の出張で訪日中の米ウェスタンデジタル社のマーク・ロング最高財務責任者(CFO)らと接触するだろうと伝えている。ウェスタンデジタル社は東芝と三重県四日市の半導体工場を共同で運営するなど、東芝買収戦のカギを握るとみられており、SKは協力を提案しているという。

東芝は、2017年5月に2次入札を行って、6月頃に優先交渉対象者を選定、2018年3月までに売却を完了する計画だ。有力な買収候補はSKハイニックス、ウェスタンデジタル、米通信半導体会社のブロードコム、私募ファンドのKKR、台湾の鴻海などである。金額面では鴻海が3兆円の最高額を提示し、日米企業との共同戦線も構築している。 KKRは日本の官民共同投資ファンドである「産業革新ファンド」と手を握っている。

崔会長は今回の出張で東芝の経営陣に会い、日本金融界の関係者と東芝買収に関する協力案を議論したと伝えられているが、2017年4月26日の帰国直後の記者団らの質問に「日本以外には行っていないため、全体的な話はまだ早い」と答えている。(佐々木和義、韓国在住CFP)

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最終更新:5/1(月) 6:10
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