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コミュニケーション能力も発揮。土佐誠、豪州クラブ・イーストウッドで充実。

5/1(月) 12:01配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 NECグリーンロケッツを退団した土佐誠(NO8/FL)が、シドニーでクラブラグビーの最高峰『シュートシールド』(Shute Shield)に出場している。所属クラブは昨年3連覇を逃し、王座奪還を目指すイーストウッド(Eastwood)。ワラビーズ、スーパーラグビーの選手を多く輩出する名門クラブのひとつだ。

日本でやるために王国で暮らした。キウイスタイルのSH、狩野太志の挑戦。

 3月下旬にシドニーへ渡った土佐は、クラブに合流した2日後のトライアル最終戦にセカンドグレードのNO8でフル出場した。その翌週のシーズン開幕戦以降はファーストグレードのスコッドに定着し、先発こそまだないが、後半にフレッシュレッグとして駆け回っている。持ち前のフィジカル、トップリーグで培ったプレーは十分に通用。試合に出場し続けている。
 英語での高いコミュニケーション能力が大きな力を発揮しているようだ。関東学院大学を卒業後、オックスフォード大学に留学し、ケンブリッジ大学との伝統の定期戦であるバーシティマッチへの出場経験もある土佐。「とにかく授業についていくことに必死で、コース修了まで本当に大変だった」と当時の留学を振り返る。そのお陰で、いまでは仲間とのコミュニケーションは現地の若者同士の会話そのもの。チームに溶け込むのも早く、信頼を得た。

 4月29日には第5節の試合が行われ、イーストウッド×マンリー(Manly)の対戦は注目を集めた。マンリーはジョージ・スミス、ネマニ・ナンドロ等、日本でもお馴染みの選手が所属していた同コンペティション、ファイナルシリーズの常連。両クラブとも開幕より全勝を続けていた。
 試合は20-16とイーストウッドがリードして折り返した。しかし後半早々、マンリーがトライ。スコアをひっくり返し、その後は膠着状態が続いた。
 土佐がピッチに出たのは後半20分だった。いつもながらの献身的なプレーを見せた。高いワークレート。自陣ゴールライン右隅に迫る相手BK選手をトライ寸前で阻止するタックルも。しかしチームはその後2つのトライを奪われる。28-38でフルタイムを迎えた。このクラブで初めての敗戦を経験した。
 この結果を受けて、同リーグの順位が動いた。これまで首位だったイーストウッドが3位に後退。全勝を守ったマンリーは2位に浮上した。1位には昨季41年ぶりに王者となったノーザンサバーブス(Northern Suburbs)。こちらも連勝で快進撃を続けている。

 土佐はイーストウッドと今シーズン終了までの契約を交わしている。その後については、日本人初となるNRC(National Rugby Championship/豪州国内のスーパーラグビーとクラブレベルの間に位置する選手権)挑戦も視野に入れる。
 クラブの練習以外では、NECの先輩である首藤甲子郎氏と通信機器を使い個人練習の指導を受け、土佐自身もコーチングの勉強を始めている。日常生活においても充実した日々を過ごしているようだ。
 先発出場もそう遠くはないだろう。シュートシールドを奪還したいクラブの武器として、日本からやってきたバックローへかかる期待は大きい。

(文/YASU TAKAHASHI)