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1300馬力の超ド級スーパーカーEVとSUVを計画中?中国で大人気の謎会社「NIO(ニオ)」とは

5/1(月) 15:26配信

オートックワン

大盤振る舞いが目立つ、謎多き企業

はっきり言って、どうも怪しい。そう思わざるを得ないほど、最近の動きが派手過ぎる。

今度はSUVの新型EVを量産するという。これは明らかに、テスラへの対抗戦略なのだが、果たして本当に販売されるのだろうか?

謎が多い中国EVベンチャー「ネクストEV」のモデルを写真でみる

上海ショーで、フェラーリ、ランボルギーニ、メルセデス、アウディなど欧州高級車に匹敵する大人気を博しているのが「NIO(ニオ)」だ。

ニオは、上海を本拠とするEVベンチャー「Next EV」のブランドである。

ネクストEVは、インターネット大手企業などから数百億円の投資を受け、企業規模を短期間に急拡大している企業だ。ただし、その実態がつかみにくく謎めいた部分が多い。

各種資料や中国人の自動車業界関係者の話を総合すると、上海にあるのは経営本部であり、車両の最優先の売り先となるアメリカではシリコンバレーのサンノゼ市内にデザインと研究開発で約300人、ドイツのミュンヘンにも研究開発で約100人が就業している模様だ。

ネクストEVが最初に表舞台に出てきたのは、EVの世界選手権である「フォーミュラE」だ。2015年の同シリーズチャンピオン、ネルソン・ピケJrをメインドライバーに据えて2016~2017シリーズにフル参戦しているチームのメインスポンサーだ。

スポンサー料金は少なく見積もっても数十億円規模と予想されるが、企業の活動実態が不明瞭な状態であることが、EV業界関係者の間で話題になることが多かった。

そんなネクストEVが実車として投入したのが、スーパーカーのEP9だ。マクラーレンを彷彿させるような前衛的なデザインフォルムで、最大出力は1340馬力。急速充電で45分間で満充電となり、満充電の状態での航続距離は424キロ。走行性能では、最高速度が時速312キロ、また停止状態から時速200キロまでの加速時間は7.1秒だという。

だが、こうした各種性能を裏付けるためのモーターやインバーター、そして二次電池の技術的な詳細は未公開という、なんとも謎多きクルマだ。

そうした中、EP9の実力を証明するため、ネクストEVが取った戦略は世界記録への挑戦だ。まず、2016年10月中旬、ドイツのニュルブルクリンクでのタイムアタックを実施。歴代のEVによる記録を塗り替える7分5秒120を叩き出した。

さらに、今年2月末、アメリカF1グランプリの開催地である、テキサス州南部のサーキット・オブ・ザ・アメリカズで、無人による自動運転を行い、直線での最高速度はこれまでアウディなどが実施した記録を上回る時速256kmに達したという。

ただし、こうしたレコードを樹立した車両の技術詳細は一切公開されていない。

フォーミュラEへの参戦や、EP9による世界レコード樹立と派手な花火を連発しているネクストEV。次の一手は、大量生産型EVの販売だ。

今回、上海ショーに登場したのがSUVのES8だ。昨年、このクルマの噂が出た時、中国国内の報道では中国地場の中堅メーカーである安徽江淮汽車(ブランド名称:JAC)が年間20万台規模で生産する計画が進んでいると報じた。

だが、上海ショーの時点でNextEV側の説明では、中堅メーカーの長安汽車とのジョイントベンチャーを立ち上げ、2018年に製造を開始し、発売は中国やアメリカで2019年から行うという。

今回の出展されたES8は、量産を目的としたコンセプトモデルだが、外観上はごく普通のSUVでありEP9のような派手な雰囲気はまったくない。ただし、こちらも技術詳細がまったく公開されていないという、謎多きクルマである。

こうしてネクストEVが大量生産型EVに着手する姿勢を示した裏には、中国政府による次世代車の施策、NEV(ニュー・エネルギー・ヴィークル)法がある。同法が今年から本格始動することを受けて、中国EVバブルが起こっており、ネクストEVやファラデーフューチャーなど、打ち上げ花火が上手なベンチャーたちが登場してきたのだ。

筆者はこれまで数十年間に渡り、世界各国で数多くのEVベンチャーの誕生と消滅を目の当たりにしてきた。

そうしたベンチャーの“ほぼ全て”が現存していないという事実を、日本人はしっかりと認識しておくべきだ。

[Text:桃田健史]

最終更新:5/1(月) 15:26
オートックワン