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まさかの場所で写真展 in 京都・前編

5/1(月) 13:00配信

Lmaga.jp

寺院や町家、モダンなギャラリーなど、京都市内のさまざまな会場(16会場)をめぐって楽しむ写真展『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017』が、5月14日まで開催中。世界遺産や重要文化財、はたまた京都人でも知らないような穴場が会場になり、毎年、作品 × 空間のマッチングにわくわくさせられる。今年のテーマは「愛 LOVE」。アートは敷居が高い・・・と敬遠していてはもったいない、ガイドブックにはない京都にも触れられるチャンスだ。

【写真】荒木経惟「机上の愛」× 建仁寺塔頭 両足院(『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2017』より、5月14日まで)

まず訪れたいのは、通常非公開である「建仁寺塔頭 両足院」(京都市東山区)。こちらは、荒木経惟『机上の愛』の展示がおこなわれている。性や死を感じさせる作品や型破りな活動で、世間を騒がしてきたアラーキー。前立腺がんを患い、自身も死と向き合う現在、ぜひ寺院で展示ができればと主宰者が何度も説明に赴いて実現した貴重なコラボレーション。作品は、池泉式回遊庭園が目の前に広がる、畳敷きの広間に置かれた机上に展示される。無機質なギャラリー空間で見るのとはまた違い、心動かされるものがある。庭に下りて、茶室・臨池亭の床の間にかけられた、アラーキー直筆の軸もお見逃しなく。

ヤン・カレン『光と闇のはざまで』の会場となる「無名舎」(京都市中京区)は、祇園祭後祭にて屏風飾りが披露される町家。白生地問屋を商い、明治42年建造。京商家のつくりを今に伝え、見学には通常予約が必要だ。ヤン・カレンは京都に4カ月滞在し、釜師や鏡師といった8人の職人と交流し、道具や風景を撮影。手漉き和紙にプリントしたモノクロームの写真が通り庭から光を取り込む、町家の陰影と響き合う。

今年は初めて、世界遺産である「二条城」(京都市中京区)の「二の丸御殿台所」と「東南隅櫓」が会場となり、ポートレートの巨匠、アーノルド・ニューマンの写真展を開催。寛永年間に建てられた、広い土間と板敷から成る台所は通常非公開。大きなケヤキの柱が立つ広く重厚な空間は、パブロ・ピカソ、ジョン・F・ケネディ、イサム・ノグチら個性ある著名人たちのポートレートを1点ずつ眺めるにふさわしい。

王道の観光とは違う目線から、京都が楽しめ、地元っ子にも新鮮な発見がある。パスポートを片手に、散策気分でめぐってほしい。次回は一転、モダンな空間を紹介します。鑑賞パスポートは一般3000円、5月14日まで。

取材・文・写真/宮下亜紀

最終更新:5/1(月) 13:00
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