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夜11時に「今日はちょっと早く上がります」…長時間労働にあえぐ若い労働者の実態

ハンギョレ新聞 5/1(月) 18:26配信

「日常茶飯事の残業」に追い込まれた青年労働者たち ネットマーブル・LG電子の事業所で6人が死亡後 ソウルデジタル団地で4421人が署名参加 「無料労働禁止」「過労死が心配」叫び 申告センター、雇用部に労働監督を要求

 「今日はちょっと早く上がります」

 夜11時。キム・ソンスさん(33・仮名)は席についたままの上司の顔色をうかがいながら席を立った。ソウルデジタル産業団地のある製造業の事務職として5年間勤めてきたキムさんは、朝8時に出勤し、この日15時間働いた。しかし、退勤時間までまだ2時間もある。彼は普段は午前1時に退勤するからだ。

 忙しい時は徹夜勤務も日常茶飯事で、月に1日も休めないが残業手当はない。休日出勤すれば特別勤務手当てが2万5000ウォン(約2500円)出る。それで給料は200万ウォン(約20万円)をやっと超える。キムさんは20~30代の青年労働者が長時間労働に耐える理由を説明した。「会社でいい姿を見せてこそ昇進できるが、事務職では何で忠誠度を示せるのか。遅く退勤して休日にも働くことしかない」。このように言うキムさんも、最近過労死する同僚を見て考えが変わった。「怖くなってきた。自分が死ぬかもしれない、どれくらい持ち堪えることができるだろうかと、怖くなった」

 ソウルデジタル団地で働く青年労働者4421人が、無料労働・不当解雇申告センターが行った「カデ・クデ集中署名運動」に参加し、過労死と無料労働を根絶してほしいと30日、要求した。カデ・クデとは、それぞれ1号線・7号線の加山(カサン)デジタル団地駅と2号線の九老(クロ)デジタル団地駅の略称で、ソウルデジタル団地と同意語のように使われる。

 ソウルデジタル団地では、20万人の労働者が働き、彼らのうち65%(13万人)が20~30代の若者だ。昨年からモバイルゲーム会社のネットマーブルとLG電子の加山事業所で6人が相次いで突然死したり自殺したことで、ソウルデジタル団地の「殺人的な労働環境」に対する批判が高まった。深刻さを知った民主労総ソウル南部地区協議会と地域の市民社会団体は無料労働申告センターを設け、3月21日から10日間、昼休みや退勤時間を利用し街頭で現場の労働者たちの声を集めた。

 署名した文章によれば、徹夜の夜勤で疲れた労働者たちは「家に帰ろう」「退勤しよう」「情熱ペイ搾取禁止」を要求した。また、「過労死が心配で働きたくない」「人間的に勤務できる(労働)環境」という願いもあった。「(夜)9時過ぎまで働いて4500ウォン(450円)の食券一枚」という現実を告発する文もあり、「子どもを育てながら職場に通えるように」「6時以降には(ソウルデジタル団地)の電源を遮断」してほしいという要求も出た。「会社員は奴隷ではない」「経営者の歯車でもない」「人間扱いしてほしい」という要請もあった。

 パク・ジュンド無料労働申告センター事務局長は「『家に帰してほしい』『人間扱いしてほしい』という要求が多いということは、先端をいくソウル団地が逆説的に若者を絶望に陥れていることを示している」と話した。無料労働申告センターは、雇用労働部ソウル冠岳(クァナック)支庁に署名用紙を渡し、ソウルデジタル団地の、長時間労働▽未払い手当て及び未払い賃金▽不法派遣を徹底的に労働監督してほしいと要請した。

チョン・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:5/1(月) 18:26

ハンギョレ新聞