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[プリンスリーグ東海]名古屋U18のU-17日本代表DF菅原由勢、右SB転向で研ぎ澄まされた「スプリント力」

5/1(月) 15:14配信

ゲキサカ

[4.29 高円宮杯プリンスリーグ東海第4節 名古屋U18 4-0 磐田U-18 トヨタスポーツセンター]

昨年、プレミアリーグWESTで9位に終わり、屈辱のプリンスリーグ降格を味わった名古屋グランパスU18。戦いのステージをプリンスリーグ東海に移した今年、開幕戦の帝京大可児戦こそ1-1の引き分けに終わったが、それ以降は2連勝と、1年でのプレミア復帰に向けて調子を上げている。

 4月29日の第4節では、プリンス東海において最大のライバルといえるジュビロ磐田U-18をホーム・トヨタスポーツセンターに迎えると、立ち上がりから相手を圧倒し、前半だけで4得点。4-0と磐田を突き放して試合を決定付けると、前半終了直後に雷雨に襲われ、そのまま試合は終了。リーグ規定で前半を消化したことで試合は成立し、後半を行わないまま、4-0で名古屋の勝利となった。

 この試合、並々ならぬ気持ちで挑んでいた選手がいた。名古屋の右SB菅原由勢だ。主にボランチやCBをこなす彼だが、今年は右SBとしてその才能を開花させようとしている。足下の技術の高さ、高い戦術眼、そしてボール奪取力と展開力の高さは折り紙付きだが、このポジションになって一気に研ぎ澄まされたのが、「スプリント力」だった。

 彼のオーバーラップの質は非常に高い。むやみやたらに上がって行くのではなく、タイミング、戦況を見極めてから、一気にスプリントし、正確なボール運びで駆け上がっては、精度の高いクロスを送り込む。この試合でも彼は効果的なスプリントを見せた。14分には右サイドを駆け上がり、ファーサイドでフリーになったMF杉浦文哉に糸を引くようなグラウンダーのクロスを送り込んだ。

 19分には、今度は中寄りの位置でボールを受けると、すかさずルックアップして、裏に抜け出そうとしたFWに浮き球のロングパスを送り込む。これは2人が反応してしまい、オフサイドとなってしまったが、戦況に合わせてプレーを変化させる彼らしい一連の流れだった。1-0で迎えた35分には右CKから強烈なシュート。これがDFに当たって左CKになると、そこからDF青山夕佑のゴールが生まれた。

 ゴールを重ね、4-0で前半終了。しかし、冒頭で書いたように悪天候でそのまま試合は終了をしてしまった。「後半もやりたかったですけどね。後半の方がもっと自分の持ち味を出せたと思うので…」。終了が告げられた直後に彼に話を聞くと、こう残念そうな表情を見せた。この試合にはU-17日本代表の森山佳郎監督も視察に訪れていた。「もっと戦えるところを森山さんに見て欲しかったのに、本当に残念です」と、無念の想いがあった。

 彼はどちらかというと、前半は相手の状況を見てバランスを考えたプレーをし、後半、相手が疲弊して来たところで一気に攻撃的な姿勢を打ち出す。これが彼のプレープランだった。現に前節の中京大中京高戦は、0-1で迎えた終盤に菅原が積極的にオーバーラップを仕掛け、攻撃に活気が付いた名古屋が後半33分、36分のゴールで試合をひっくり返した。敵将の岡山哲也監督も「あの14番(菅原)があそこまで運動量があるとは思わなかった。終盤にどんどん仕掛けて来て、本当に厄介だった」と舌を巻いたほどだった。

 それだけに本領を発揮する前に終わってしまった「御前試合」。無念ではあったが、チームはこれで3連勝。首位の浜松開誠館高に勝ち点2差の2位と好位置につけている。「サイドバックは本当に楽しい。もっと精度を高めて、もっと良いサイドバックになりたい」。

 新天地で輝きを放つ菅原。めまぐるしい成長を見せる彼は、5月2日からU-17日本代表のギニア・UAE遠征に参加をする。そこで森山監督の目の前で輝きを放つために、「経験を積んで、強くなってきます」と、決意新たに前を向いた。

(取材・文 安藤隆人)

最終更新:7/21(金) 13:29
ゲキサカ