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外国人が並ぶお店の免税カウンターでは何が行われているのか?

5/2(火) 6:10配信

ZUU online

量販店では「Tax Free」の目印が多くなり、その免税カウンターで手続きを済ませる外国人の姿をよく見かけないだろうか。あのカウンターで何が行われいるかご存じだろうか。「免税手続き」であることは分かっている。具体的にその内容を説明できるだろうか?

■免税店とは――輸出物品販売場のこと

日本では一般的に商品やサービスを購入すれば、その購入価格に応じた「消費税」を納める決まりになっている。これは消費税法で決められており、原則としてすべての消費者に等しく課される税金である。

この消費税を納める人(納税義務者)は消費者ではなく、事業者と決められている。この消費税の仕組みは日本人であれば当然のように理解できるだろう。

これを踏まえたうえで、免税店とはこの消費税が免除されている店舗・販売店のことをいい、消費税法では「輸出物品販売場」として規定されている。ただすべての店舗で免税できるわけではなく、すべての消費者・物品が利用できるわけでもない。

■免税条件――「場所」「対象者」「対象物品」

まず店舗でいえば、納税地を所轄する税務署の許可を受けた場所のみで免税できる。この許可は店舗単位であるため、チェーン店では免税されている店舗もあれば、されていない店舗もある。税務署は免税申請した店舗の「国税滞納状況」や「非居住者の利用状況」、「免税手続きの人員配置」などを審査する。これらを満たしていると判断されれば免税店として営業できるというわけだ。

次に対象者でいうと、非居住者でなければ免税手続きを受けることはできない。非居住者とはわかりやすく言えば外国人だ。一部の日本人も非居住者に当てはまるが、原則としては日本人は利用できないものだと考えてよい。

そのうえ対象物品は、一般商品や消耗品に限られる。具体的な商品をあげればきりがないが、家電製品や時計・宝飾品、食品や酒類、医薬品などがこれらに該当する。購入者が事業用・販売用に使うものでなければ、原則としては一般商品や消耗品のくくりにされている。

■免税手続きの3つのステップ

具体的な免税の流れは大きく3つに分けられる。

まずは免税店での手続きだ。免税店では最初に「旅券(パスポート)等の確認」が行われる。先にも説明した通り、免税対象者は非居住者であり、それを証明するためにはパスポートが必要になる。他にも乗務員上陸許可書などがあるが、これらを所持していない消費者は免税手続きを取れない。

旅券の確認が済んだら、店舗側は「購入記録票」を作成し、非居住者は免税店に「購入者誓約書」へサインして提出する。店舗は作成した購入記録表をパスポートに貼り付けて、商品を渡して完了である。注意しておくべきポイントは、免税店では消費者がサインした購入者誓約書を7年間保存しておく必要があることだ。

店舗での手続きは以上であるが、実際の免税手続きは非居住者の出国まで続く。非居住者は出国の際には空港の関税にて購入記録票を提出することになる。関税では内容に間違いがないことを確認したうえで、その記録票を受け取る。これによって晴れて非居住者は免税物品を国外に持ち出すことができるのだ。

とにかく店舗でやることとしては「非居住者であることの確認」、「購入記録表の作成・貼付」、「購入者誓約書の保存」の3つであることを押さえておけばいいだろう。

■免税店が増えている背景――外国人観光客の消費拡大狙い

日本の量販店などで免税店が増えている背景には、外国人観光客の消費を拡大する狙いがある。近年の訪日観光客は右肩上がりで、JETROの報告によれば2015年時点で約1973万人が日本に来ているとのことだ。こうした現象を経済活性のチャンスと見て、政策を打っているのだ。

実際には2014年10月からは免税対象品を増やすなどの対応をしている16年に決定された「観光ビジョン実現プログラム2016」では、18年までに免税店を2万店舗まで増加させる計画も立てている。15年時点では20年までに達成する目標を2年間前倒しした形である。

こうした取り組みの甲斐もあってか、都市部だけでなく地方の観光地においても免税店の申請が増えており、免税店の店舗数は急増している。16年10月1日時点ではすでに全国で3万8653店舗となっており当初の目標数は達成した。12年4月1日時点では4173店舗だったことを考えると、相当な勢いで増えていることが分かるだろう。この免税店の増加は今後も止まらないと予想できるだろう。

もちろん免税店になれればその分、外国人観光客が増えて売上が上がると期待できる。企業側にとってもうれしい話である。今後は2020年のオリンピック開催に向けて、ますますこういった光景は増えるだろう。ただビジネスで間違ってはならないこととしては、免税店を魅力として押し出すことと言えよう。あくまで訪日観光客の買い物をしやすくするだけであり、それが強みであるとは勘違いしないことが大切である。(吉田昌弘、フリーライター)

最終更新:5/2(火) 6:10
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