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中国と韓国、そして北朝鮮を意識して生きる 中国の朝鮮族の帰属意識とは?

THE PAGE 5/7(日) 14:20配信

 この旅でガイドをしてくた彼も、両親ともに朝鮮族であり、延辺朝鮮族自治州の中国国籍の朝鮮族である。

【フォトジャーナル】北朝鮮が見える街 中国延辺朝鮮族自治州 村田次郎

 「中国の朝鮮族は、自分たちの帰属意識(アイデンティティー)はどこにあるのかと考え悩むことがある」と。同じ民族なのに世代間で大きく分かれると言う。

 中国語を学ぶことができず、歴史に振り回された古い世代はやはり、朝鮮に自分たちのルーツを求める。ガイドは40歳代、古い世代と新しい世代の中間にいる。

 「朝鮮語と中国語両方の言葉を学んだ者と、そうでない者との生き方は違う。両方を学んだ者は要領よく世間を渡ることができる」と彼は言う。

 しかし、若い世代は、また違った価値観の中で生きている。両親の考え方ひとつで、子どもの語学力は大きく左右される。中国語が話せない若者がいる一方、韓国ソウルではなく、発展する中国の将来に希望を持ち、国内の大都市にある大学に進学させようとする家庭もある。近年の韓国経済の低迷、そして中国の発展を目の当たりにし、朝鮮族の帰属意識も多様化している。

 「常に中国と韓国と、そして北朝鮮を意識しながら生きていかなくてはならない」と、ガイドは話してくれた。

 この地域はたび重なる戦争に巻き込まれ、新しい国境が生まれた。その動乱の歴史の中を生きていくために、彼らはスキルを身に付け、うまく適応しているようにみえた。

(写真・文:村田次郎)

撮影場所:中国 吉林省 延辺朝鮮族自治州 2013年6月

※この記事は村田次郎氏の「【フォトジャーナル】北朝鮮が見える街 中国延辺朝鮮族自治州」の一部を抜粋したものです。

最終更新:5/11(木) 5:51

THE PAGE