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米抜きTPP温度差 日本や豪州主導 きょうから事務レベル会合

5/2(火) 7:00配信

日本農業新聞

 カナダ・トロントで2日から環太平洋連携協定(TPP)事務レベル会合が始まる。日本は米国抜きのTPP発効に軸足を転換したが、各国の考え方には温度差がある。米国が抜ければ各国の利益・不利益は変わってくるからだ。首席交渉官を務める片上慶一外務審議官は1日、東京都内で記者団に「日本が主導的な立場を取って、今後11カ国が結束してTPPの方向性を打ち出せるよう議論していきたい」と述べた。

 2日間の会合は、20、21日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合に合わせて開かれるTPP閣僚会合に向けた準備会合の位置付け。片上氏は11カ国の結束に意欲を示したが「方向性については国によっていろいろな立場がある」と意見の隔たりがあることを認めた。日本は日米経済対話の行方をにらみつつ、当面は11カ国でのTPPを模索。TPPの合意内容を維持した上で、いずれは米国をTPPに引き戻したい考えだ。オーストラリア、ニュージーランドも11カ国で先行させる方針だ。

 一方、チリなどは米国を失う分、中国などの新規加入も視野に入れる。米国向け輸出拡大が見込めなくなるベトナムやマレーシアは、国有企業などルール面で譲歩した分の再交渉を求める可能性がある。これを引き金に、各国が合意内容の修正を求める事態になれば、11カ国での発効は遠のく。

 日本は関税部分を含め合意内容の再交渉には応じない方針だ。TPPでは、乳製品など一部の品目で低関税を適用する一定量のTPP枠を設けた。仮にTPPを抜けた米国との2国間交渉となった場合、米国は新たに輸入枠を要求し、TPP以上の市場開放を迫る可能性がある。

 牛肉のセーフガード(緊急輸入制限措置)も、TPPでは米国とオーストラリアからの近年の輸入量を元に発動水準を設計した。米国が抜けることで、発動しにくくなることも想定される。

日本農業新聞

最終更新:5/2(火) 7:00
日本農業新聞