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囲碁・将棋 人間対AIは対決から共存へ バックギャモンプレイヤー「人間も成長できる」

5/2(火) 10:00配信

AbemaTIMES

 AIを活用すれば、人も成長できる。各種分野での活躍が目覚しいAI(人工知能)だが、将棋・囲碁といった娯楽の世界においては、「人間対コンピューター」という構図が続いてきた。だが近年では、囲碁のAlphaGo(アルファ碁)や、将棋のponanza(ポナンザ)が、相次いで棋士界のトップに勝利し、AI優位を決定付けた。これと同じ状況が1990年代に、バックギャモンでも起きていた。今後、AIと知的ゲーム、人間との関係はどうなるのか、トッププロに今後の行方を聞いた。

 欧米を中心に人気のバックギャモンは、15個の駒をどちらが先にゴールさせられるかを競う2人用のボードゲームだ。毎年世界大会も開催され、プレイヤー人口は日本で約20万人、全世界で約3億人とも言われている。そんなバックギャモンの世界でAIが出始めたのは、1990年代前半だ。世界で約100人いるプロの中で世界ランキング1位の望月正行さんは「当時はそれほど広まっていなかった」と振り返る。「そのころは、まだインターネット黎明期。日本にも伝わっていなかった。フロッピーディスクに入れて『こんなソフトがあるよ』と共有するような時代だった」という。ただ、そのころのAIでも、人間のトッププレイヤーと同等の実力を持っていた。

 インターネットの普及につれて、AIもより多くの人に知られるようになった。「最初のころは人間の方が強いはずだ、という人も多かったですが、いつしかそういう人たちの声は小さく、数も少なくなりました」。運の要素もあるバックギャモンだけに、目の前の勝負だけなら人間が勝つこともある。ただ、数をこなすほどAIの勝率は確実に高くなっていった。また、非公式ながらプロのプレイヤーが何千、何万と対戦していたのも関わらず、「自分の方が強い」と名乗り出る人もいなかった。日本で囲碁・将棋のAIが話題になる20年近く前に、バックギャモンの世界ではAIと人間の勝負は、事実上終わっていた。

 ここからAIの開発者は、より強いAIを作ることをしなくなったと、望月さんは説明した。「ある(強さの)ラインを超えてしまうと、開発者や企業がお金を投資してまで強いものを作るモチベーションがない。さらに強くしても売れるわけではないので。だから、その後は人間のプレイヤーによって使いやすい、たとえば通信簿をつけてくれるような、そういう方向に進化している」と明かした。AIは登場した当初から最善手を出してきた。ただ、人間のように「なぜこの手なのか」を説明することはできなかった。一方、人間は誤った手を教えたり、正しい手を誤った説明で伝えたりすることもあった。今後のAIは、最善手を正しく教えるものへと進化していくのだという。望月さんは、囲碁や将棋のAIも、バックギャモンと同じ道を進むと見ている。

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最終更新:5/2(火) 10:00
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