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生活支援ロボ、深層学習とベイス推定でヒトの手伝いを先回り提案へ

5/2(火) 12:00配信

日刊工業新聞電子版

電通大が作業判定システム開発

 電気通信大学の長井隆行教授らは、人工知能(AI)技術を使って日常生活の作業を判定するシステムを開発した。部屋にカメラを配置し、生活者が料理や掃除などの作業をこなしつつ、マイクに作業内容を吹き込む。AIに映像と音声データを学習させると、住人が何をしているか識別できるようになる。生活支援ロボットなどに住人が直接、指示しなくても料理などのサービスを先回りして提案できるようになる。

 お茶の水女子大学の小林一郎教授と統計数理研究所の持橋大地准教授、産業技術総合研究所人工知能研究センターの麻生英樹副研究センター長らとの共同研究。モデルハウスの寝室や台所、居間などにカメラを配置し、日常生活に必要な作業を撮影した。例えば実験参加者は台所でお茶を注ぎながらマイクに「お茶を注いでいます」と説明する。AIが映像と音声の対応を学習して、「女性が台所でお茶を注ぐ」と作業を識別するようになる。

 実験では101個の生活用品と65種類の動作、5種類の部屋、15人の生活者の行動データを学習させた。映像データの抽象化にディープラーニング(深層学習)、動作と説明文との対応付けに「ベイス推定」というAI技術を利用した。識別の正解率は7割。映像から飲み物や本、掃除道具などの物体を識別しつつ、人物や場所を踏まえて行為を推定する。

 この成果を生かし、スマートハウス(次世代環境住宅)や生活支援ロボットが住人の行動を識別できると、お茶を注いだり、床を掃除したりと先回りしたサービスを提案できるようになる。生活データを住人が管理して自らのために使えば、プライバシーを守りつつ、ロボットなどの機能を高められる。