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鉄鋼能力過剰問題の多国間協議、中間報告を延期。日米欧と中国に共有情報の内容で隔たり

5/2(火) 6:01配信

鉄鋼新聞

 鉄鋼生産能力の過剰問題を話し合う多国間会合「グローバル・フォーラム」は、7月に予定していた中間とりまとめの時期を延期する。参加国・地域間で共有する情報の内容をめぐって日米欧と中国との間で意見の隔たりがあり、中国のデータ提出が遅れているためだ。情報共有は過剰問題解消へ向けた出発点となるだけに、最大の過剰能力を抱えるとされる中国のデータがそろわないと、先へ進めない状況となっている。

 参加国・地域は集まったデータを基に分析作業を行い、中間報告を作成。7月にドイツで開く20カ国・地域(G20)首脳会議で報告する予定だった。しかし、4月27日のフォーラム第4回会合までに中国のデータ提出が遅れているため分析作業に入れないと判断、7月のG20では「現状報告」にとどめることにした。
 中国を含め参加国・地域は、粗鋼生産能力、市場歪曲的な政府支援の2項目について情報を共有することで合意している。
 日米欧と中国との間で温度差があるのは、生産能力、政府支援について、どのレベルのデータを共有するかという点だ。生産能力の場合、日米欧は企業・設備レベルでのデータの共有を主張。これに対し中国は国レベルのデータしか提出できないとの立場をとる。
 参加する33カ国・地域のうち30カ国・地域は4月下旬までに企業単位のデータを提出した。未提出なのは中国、サウジアラビア、インドネシアの3カ国だけで、このうち中国は企業単位の能力や地方政府による支援策に関するデータの提出を拒否している。中国は同国の統計法上の制約を理由にしているという。
 中国でフォーラムに出席しているのは商務部の担当者。同部が経済・産業統計を扱っていないことも提出を拒む理由の一つとみられている。
 能力過剰問題は主要鉄鋼生産国共通の課題。現在、どの程度の過剰能力があり、その温存につながる市場歪曲的な政府支援の現状を把握することは議論を進める際の出発点となる。ましてや最大の過剰能力を抱えるとされる中国のデータは必要不可欠なものだ。
 日本など参加国・地域は引き続き、中国に対し企業単位の生産能力や地方政府の施策などに関するデータの提供を求めていく方針。年内のデータ収集・分析は難しい状況となったが、中国のデータ提出を待って、2018年には分析作業などに入りたい考えだ。

最終更新:5/2(火) 6:01
鉄鋼新聞